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公開番号2024082717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022196758
出願日2022-12-09
発明の名称難燃性紡績糸織物、該難燃性紡績糸織物から紡績糸を製造する方法、および繊維製品
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類D03D 15/513 20210101AFI20240613BHJP(織成)
要約【課題】難燃性紡績糸を含む織物であって、リサイクルする際に効率的でかつ十分な開繊が可能な難燃性紡績糸織物、該難燃性紡績糸織物から紡績糸を製造する方法、および該製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品を提供する。
【解決手段】難燃性紡績糸を含む織物であって、撚係数と織物充填密度との積が4.5以下となるようリサイクルに適した難燃性紡績糸織物を得て、必要に応じて、該難燃性紡績糸織物から紡績糸を製造し繊維製品を得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
難燃性紡績糸を含む織物であって、下記式(1)を満たすことを特徴とする難燃性紡績糸織物。
撚係数×織物充填密度≦4.5 (1)
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記難燃性紡績糸において、JIS L1091 E法により測定される限界酸素指数が25以上の難燃性繊維を紡績糸重量対比40重量%以上混紡している、請求項1に記載の難燃性紡績糸織物。
【請求項3】
請求項1に記載の難燃性紡績糸織物、または該織物を用いた繊維製品を開繊することにより得られる難燃性リサイクル繊維を用いて紡績糸を製造する、紡績糸の製造方法。
【請求項4】
前記難燃性リサイクル繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、請求項3に記載の紡績糸の製造方法。
【請求項5】
繊維長30~200mm、JIS L1091 E法により測定される限界酸素指数が25以上の未使用の難燃性繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、請求項3に記載の紡績糸の製造方法。
【請求項6】
導電繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の0.1~5重量%の割合で混合する、請求項3に記載の紡績糸の製造方法。
【請求項7】
前記の難燃性リサイクル繊維および/または未使用の難燃性繊維が、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、炭素繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、難燃レーヨン、モダクリル繊維、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃ビニロン繊維、メラミン繊維、フッ素繊維、難燃ウール、難燃コットンの群から選ばれた1種類以上の繊維である、請求項5に記載の紡績糸の製造方法。
【請求項8】
得られた紡績糸の撚係数が2.5~6.0である、請求項3に記載の紡績糸の製造方法。
【請求項9】
請求項3~8のいずれかに記載の製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性紡績糸を含みリサイクルに好適な難燃性紡績糸織物、該難燃性紡績糸織物をリサイクルすることにより紡績糸を製造する方法、および該製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、難燃性繊維は耐熱性および耐炎性に優れているため、難燃布帛とした後、消防、電力、化学会社など火炎に晒されるおそれのある作業用の作業服などに用いられている。難燃布帛は、全芳香族ポリアミド繊維などの難燃性繊維を用いているが、使用に伴って性能が低下し、汚れ、こすれ、破れ、ほつれ等により使えなくなり、最終的には廃棄される。また、難燃布帛を製造する各段階および難燃布帛を用いて作業服を縫製する場合にも裁断屑が発生し、これらの各工程で発生する屑および使用済み製品が廃棄物として大量に生じている。かかる工程屑および使用済み製品は、汎用繊維(ポリエステル繊維や綿など)からなる製品とは異なり、再利用はほとんど行われておらず、その大部分が焼却処分または埋め立て処分されている。
【0003】
一方で、近年、資源の消費を抑制し、環境に対する負荷を軽減するため、循環型社会の形成が求められている。具体的には、汎用繊維の使用済み製品については、従来から古着などのボロや屑繊維などの故繊維と呼ばれている物について、再利用が行われている。例えば、反毛市場においては、故繊維をマテリアルリサイクル材料として用い、綿や糸に加工して、フェルトや作業用手袋などの繊維製品が作られている。
【0004】
難燃布帛の各工程屑および使用済み製品についても、汎用繊維の製品と同様の再利用方法を適用することが考えられる。しかしながら、難燃性繊維は汎用繊維に比べ耐熱性、難燃性に優れ、また引張強度や耐切創性も大きいため、通常の開繊機を、汎用繊維製品の場合と同様の条件で用いると、不具合が生じて、効率的でかつ十分な開繊・リサイクルが行えないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-233409号公報
特開2005-105491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、難燃性紡績糸を含む織物であって、リサイクルする際に効率的でかつ十分な開繊が可能な難燃性紡績糸織物、該難燃性紡績糸織物から紡績糸を製造する方法、および該製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。かくして、以下の発明が提供される。
【0008】
1.難燃性紡績糸を含む織物であって、下記式(1)を満たすことを特徴とする難燃性紡績糸織物。
撚係数×織物充填密度≦4.5 (1)
2.前記難燃性紡績糸において、JIS L1091 E法により測定される限界酸素指数が25以上の難燃性繊維を紡績糸重量対比40重量%以上混紡している、上記1に記載の難燃性紡績糸織物。
3.上記1または2に記載の難燃性紡績糸織物、または該織物を用いた繊維製品を開繊することにより得られる難燃性リサイクル繊維を用いて紡績糸を製造する、紡績糸の製造方法。
4.前記難燃性リサイクル繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、上記3に記載の紡績糸の製造方法。
5.繊維長30~200mm、JIS L1091 E法により測定される限界酸素指数が25以上の未使用の難燃性繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の10~90重量%の割合で混合する、上記3または4に記載の紡績糸の製造方法。
6.導電繊維を、紡績前または紡績時に紡績糸全体の0.1~5重量%の割合で混合する、上記3~5のいずれかに記載の紡績糸の製造方法。
7.前記の難燃性リサイクル繊維および/または未使用の難燃性繊維が、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、炭素繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、難燃レーヨン、モダクリル繊維、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃ビニロン繊維、メラミン繊維、フッ素繊維、難燃ウール、難燃コットンの群から選ばれた1種類以上の繊維である、上記5または6に記載の紡績糸の製造方法。
8.得られた紡績糸の撚係数が2.5~6.0である、上記3~7のいずれかに記載の紡績糸の製造方法。
9.上記3~8のいずれかに記載の製造方法で得られた紡績糸を含む繊維製品。
【発明の効果】
【0009】
難燃性繊維を用いた紡績糸織物は、使用により、汚れたり破れたり損傷したりして使えなくなる。廃棄する製品、製造の各工程で発生する屑であっても、その性能は消滅するものではない。本発明の難燃性紡績糸織物によれば、例えば、洗浄、油剤付与、解砕処理、従来の開繊機を用いた開繊を行うことにより、容易に難燃性リサイクル繊維を得ることができる。さらに、未使用の短繊維を適量混合することにより、所要の用途に適用し得る性能にまで容易に回復させることがでる。その結果、循環社会での環境への適用に貢献することができる。
【0010】
また、本発明にかかる再生(リサイクル)方法においては、好ましくは短繊維の長さを元々の紡績糸の長さに近い状態で保ちつつ紡績糸を形成する。また、所望により、未使用の短繊維を混入する。その結果、本発明にかかる難燃性リサイクル紡績糸は、引張強度の回復が高いという利点を有する。それにより、難燃性リサイクル紡績糸の付加価値が向上し、利用用途も広がり、用途の拡大が当該紡績糸の拡大を招き、リサイクルコストを吸収することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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