TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024140876
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052235
出願日2023-03-28
発明の名称液体フィルター用基材及び液体フィルター
出願人帝人株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01D 71/26 20060101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】孔径が比較的小さいながら洗浄によって残留金属の除去が容易な液体フィルター用基材を提供する。
【解決手段】液体フィルター用基材は、孔径が1nm~35nmであり且つ長径1mm以上の粒状物の個数が1m2あたり0個~2個であるポリオレフィン微多孔膜を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
孔径が1nm~35nmであり且つ長径1mm以上の粒状物の個数が1m

あたり0個~2個であるポリオレフィン微多孔膜、を有する、
液体フィルター用基材。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記ポリオレフィン微多孔膜の膜厚が3μm~20μmである、請求項1に記載の液体フィルター用基材。
【請求項3】
前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が35%~70%である、請求項1に記載の液体フィルター用基材。
【請求項4】
前記ポリオレフィン微多孔膜の水流量が0.003L/min/ft

/psi~0.180L/min/ft

/psiである、請求項1に記載の液体フィルター用基材。
【請求項5】
前記ポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィン全体の重量平均分子量が80万以上である、請求項1に記載の液体フィルター用基材。
【請求項6】
前記ポリオレフィン微多孔膜がポリエチレン微多孔膜である、請求項1に記載の液体フィルター用基材。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の液体フィルター用基材を備える、液体フィルター。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、液体フィルター用基材及び液体フィルターに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
半導体のリソグラフィ工程に使用される液状組成物は、その使用前に、液状組成物から微小な異物を除去する目的で、液体フィルターで濾過される。その液体フィルター内部には、緻密な多孔質膜をプリーツ加工した濾材、中空糸を束ねた濾材などが収納されている。
従来、液体フィルターの濾材に使用する多孔質膜として、ポリオレフィン微多孔膜が知られている。特許文献1~7には、小孔径のポリオレフィン微多孔膜からなる液体フィルター用基材が開示されている。
ポリオレフィンはハロゲン元素を含まず、したがって、濾材がポリオレフィン微多孔膜である液体フィルターは、使用後の廃棄処理に制限が少ない点および環境負荷が小さい点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2014/181760号
国際公開第2014/181761号
国際公開第2014/181762号
特開2014-217800号公報
特開2014-218563号公報
特開2018-167198号公報
国際公開第2020/022321号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体フィルターは一般的に、製造後かつ使用前に濾材が洗浄される。濾材を洗浄することによって、液体フィルターの製造中に発生した微粉及び空気中のちり等を濾材から除去し、液体フィルターの被処理液にこれらの異物が混入することを防ぐ。
また、濾材の洗浄の際に、濾材自体に含まれていた微量な金属が溶出して除去される。ポリオレフィン微多孔膜には、製造原料であるポリオレフィンが持ち込んだ金属(カルシウム、亜鉛など。ポリオレフィンの重合触媒又は重合後の添加剤(例えば金属石鹸)に由来する。)が含まれていることがあり、濾材の洗浄の際にこれら金属がポリオレフィン微多孔膜から溶出して除去される。
濾材に含まれている金属は、リソグラフィ工程に使用される液状組成物を濾過する際に液状組成物へ溶出し、半導体の製造歩留まりを低下させる懸念があることから、使用前に濾材から除去されることが望ましい。
【0005】
ところで、半導体の配線パターンが微細化かつ高密度化するにしたがい、リソグラフィ工程に使用される液状組成物から極微小な異物(例えば粒径が数nmの微小粒子)さえも除去する必要性が高まっている。そのため、より緻密な濾材を備える液体フィルターが要求されている。
ただし、濾材が緻密化するほど、濾材の洗浄効率は下がる傾向がある。ポリオレフィン微多孔膜について言えば、その孔径が小さいほど、濾材の洗浄の際に、ポリオレフィン微多孔膜に含まれていた金属が溶出して除去される効率は下がる。
【0006】
さらに、ポリオレフィン微多孔膜の緻密化は、下記の機序によっても金属の溶出及び除去を難しくする。
一般的にポリオレフィン微多孔膜の緻密化は、超高分子量ポリオレフィンを原料とすることによって実現される。したがって、ポリオレフィン微多孔膜をより緻密化する方策として、超高分子量ポリオレフィンの分子量を増大することが考えられる。しかし、分子量がより大きい超高分子量ポリオレフィンは、溶融混練の際に融けきらず、ポリオレフィン微多孔膜にポリオレフィンからなる粒状物を発生させることがある。この粒状物には原料ポリオレフィンに含まれていた金属が残留しており、しかも、粒状物内部の金属は濾材の洗浄の際に溶出しにくい。
【0007】
以上の理由によって、ポリオレフィン微多孔膜の緻密化と残留金属の除去とを共に実現することは難しかった。
【0008】
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、孔径が比較的小さいながら洗浄によって残留金属の除去が容易な液体フィルター用基材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
孔径が1nm~35nmであり且つ長径1mm以上の粒状物の個数が1m

あたり0個~2個であるポリオレフィン微多孔膜、を有する、
液体フィルター用基材。
<2>
前記ポリオレフィン微多孔膜の膜厚が3μm~20μmである、<1>に記載の液体フィルター用基材。
<3>
前記ポリオレフィン微多孔膜の空孔率が35%~70%である、<1>又は<2>に記載の液体フィルター用基材。
<4>
前記ポリオレフィン微多孔膜の水流量が0.003L/min/ft

/psi~0.180L/min/ft

/psiである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の液体フィルター用基材。
<5>
前記ポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィン全体の重量平均分子量が80万以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の液体フィルター用基材。
<6>
前記ポリオレフィン微多孔膜がポリエチレン微多孔膜である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の液体フィルター用基材。
<7>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の液体フィルター用基材を備える、液体フィルター。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、孔径が比較的小さいながら洗浄によって残留金属の除去が容易な液体フィルター用基材が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

帝人株式会社
エポキシ樹脂組成物
1か月前
帝人株式会社
難燃性布帛および繊維製品
1か月前
帝人株式会社
ビーム部材、車両ドア構造、及び車両
4日前
帝人株式会社
樹脂組成物およびそれからなる成形体
24日前
帝人株式会社
液体フィルター用基材及び液体フィルター
1か月前
帝人株式会社
面光源体
5日前
帝人株式会社
分枝状アラミド繊維、それを用いたシート、およびその製造方法
1か月前
帝人株式会社
難燃抗菌性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
1か月前
東レ株式会社
分離方法
1か月前
個人
トリチウム水濃縮装置
18日前
株式会社タクマ
触媒反応装置
1か月前
NOK株式会社
除湿装置
16日前
株式会社テイエルブイ
フィルター装置
1か月前
株式会社ビジサー
タンクシステム
1か月前
東レ株式会社
再生複合半透膜およびエレメント
1か月前
住友化学株式会社
混合物の製造方法
24日前
三菱重工業株式会社
脱硫装置
17日前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素の固定方法
24日前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
株式会社日阪製作所
混合器
1か月前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給装置
16日前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
株式会社日阪製作所
混合器
1か月前
TOTO株式会社
光触媒塗装体
1か月前
株式会社デンソー
二酸化炭素供給装置
1か月前
JFEスチール株式会社
炭酸ガスの固定化方法
24日前
CKD株式会社
ガス製造装置、及びガス製造方法
4日前
株式会社パウレック
フィルタ及び粉粒体処理装置
16日前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
逆浸透膜
2日前
日本濾過器株式会社
フィルタエレメント及びフィルタ装置
10日前
トヨタ自動車株式会社
直接空気回収装置のリサイクル方法
24日前
東洋紡エムシー株式会社
濃縮システム
3日前
徳晃有限公司
大気汚染を防止する排出ガス排出循環濾過装置
9日前
日本バイリーン株式会社
エアフィルタ及びエアフィルタの製造方法
1か月前
株式会社マシンテック中澤
脱液装置及び脱液対象物の脱液方法
25日前
続きを見る