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公開番号
2024177022
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023179718
出願日
2023-10-18
発明の名称
マウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する培地及びその使用
出願人
合肥工業大学
,
HeFei University of Technology
,
南京農業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
弁理士法人プロテック
,
個人
主分類
C12N
5/00 20060101AFI20241212BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】マウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する培地及びその使用を提供する。
【解決手段】本発明は、マウス小腸オルガノイド標準条件(ENR)培地にMek阻害剤PD0325901、Wnt阻害剤IWP-2、Notch阻害剤DAPTを添加してマウス小腸オルガノイドを成熟腸内分泌細胞に分化するように誘導し、マウス腸管内分泌細胞誘導モデルの構築を実現する。この誘導培地を使用してマウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する。マウスの小腸オルガノイドの分化が開始してから2日ごとに培地を更新し、4日間分化した後、培養液を吸引して取り除き、PBS緩衝液を追加して吹き付け、遠心分離し、上澄み液を捨て、4℃Advanced DMEMにおいて、再懸濁し、遠心分離し、上澄み液を捨て、Advanced DMEM及びMatrigelマトリゲルに再懸濁する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
培地成分は、腸管オルガノイド標準条件ENR培地10~15mL、Mek阻害剤PD0325901 0.5~2μm、Wnt阻害剤IWP-2 3~8μm及びNotch阻害剤DAPT 8~15μmを含み、前記ENR培地成分はAdvanced DMEM培地10~15ml、Glutamax 100~150μL、Hepes buffer 100~150μL、N-2 supplement 100~150μL、B-27 supplement 100~150μL、マイシリン 100~150μL、Noggin 80~120ng/ml、R-spondin1 400~600ng/ml、EGF 30~80ng/mlを含むことを特徴とする誘導培地。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の誘導培地を使用してマウス小腸オルガノイドを培養するステップを含むことを特徴とするマウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する方法。
【請求項3】
前記培養の条件は35~37℃、5%CO
2
であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マウスの小腸オルガノイドの分化が開始してから2日ごとに培地を更新し、4日間分化した後、培養液を吸引して取り除き、PBS緩衝液を追加して吹き付け、遠心分離し、上澄み液を捨て、4℃Advanced DMEMにおいて、再懸濁し、遠心分離し、上澄み液を捨て、Advanced DMEM及びMatrigelマトリゲルに再懸濁することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記遠心分離の条件は、0~4℃で、280~290gを2~8min遠心分離することであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マウス小腸オルガノイドは、マウス小腸陰窩乾細胞を腸管オルガノイド標準条件ENR培地において、5~7日間培養した後に継代培養して得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記腸管オルガノイド標準条件ENR培地成分はAdvanced DMEM培地10~15ml、Glutamax 100~150μL、Hepes buffer 100~150μL、N-2 supplement 100~150μL、B-27 supplement 100~150μL、マイシリン 100~150μL,Noggin 80~120ng/ml、R-spondin1 400~600ng/ml、EGF 30~80ng/mlであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記継代比率は1:3~1:5であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記マウス小腸陰窩乾細胞は、マウス小腸組織をEDTAで消化処理して得られたものであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の誘導培地又は請求項2~9のいずれか一項に記載の方法の、マウス腸内分泌細胞オルガノイドモデルの構築における使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノイドの誘導培養の技術分野に属し、具体的にはマウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する培地及びその使用である。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
小腸内分泌細胞は、小腸幹細胞から分化されてなり、腸管全体に分布し、腸管分泌、運動、消化吸収、血糖調節及び代謝等の生理的活動を調節する。それはさまざまな種類の腸管ホルモンを分泌でき、内分泌と傍分泌を通じて、腸管蠕動、血管収縮、栄養吸収、上皮成長及び中枢生物リズム調節等において重要な役割を果たす。同時に、医薬、栄養、組織プロジェクト向けの非臨床的および臨床システムに関する研究において、重要な役割を伴う。過去には、腸内分泌細胞の体外研究は常に細胞系のレベルにとどまり、単一層で培養され、通常の腸内分泌細胞に比べて、細胞環境、遺伝的背景、機能的特性に大きな差異がある。
【0003】
研究では、腸管内のLgr5
+
腸管幹細胞は、パネート細胞、内分泌細胞、腸上皮細胞などを含む、腸上皮に全ての型の細胞に分化する可能性があることが示されている。したがって、小腸陰窩におけるLgr5
+
腸管幹細胞を抽出して誘導すると、自分自身を維持して増殖できる腸管オルガノイドを形成できる。該オルガノイド内には、すべての腸管上皮細胞型が含まれ、腸管と類似の細胞環境を持ち、さらに、腸管ホルモンの発現方式は天然腸管に類似する。ただし、腸管オルガノイドでは、腸内泌細胞は、1%だけであり、現在の培養方法は、その特定の分化方向を制御することにより腸内分泌細胞群を取得しにくいことを考慮し、したがって、安定的、効率的、便利なマウス腸管内分泌細胞誘導モデルの構築方法を開発することが緊急である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを考慮して、本発明は、マウスの小腸オルガノイドを処理して成熟腸内分泌細胞への指向性分化を成功且つ、迅速に行うことができる誘導培地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0006】
本発明は、誘導培地を提供し、前記培地成分は、腸管オルガノイド標準条件ENR培地10~15mL、Mek阻害剤PD0325901 0.5~2μm、Wnt阻害剤IWP-2 3~8μm及びNotch阻害剤DAPT 8~15μmを含み、前記ENR培地成分はAdvanced DMEM培地10~15ml、Glutamax 100~150μL、Hepes buffer 100~150μL、N-2 supplement 100~150μL、B-27 supplement 100~150μL、マイシリン 100~150μL、Noggin 80~120ng/ml、R-spondin1 400~600ng/ml、EGF 30~80ng/mlである。
【0007】
本発明はまた、前記誘導培地を使用してマウス小腸オルガノイドを培養するステップを含むマウス腸管オルガノイドを腸内分泌細胞に指向性分化するように誘導する方法を提供する。
【0008】
好ましくは、前記培養の条件は35~37℃、5%CO
2
である。
【0009】
好ましくは、マウスの小腸オルガノイドの分化が開始してから2日ごとに培地を更新し、4日間分化した後、培養液を吸引して取り除き、PBS緩衝液を追加して吹き付け、遠心分離し、上澄み液を捨て、4℃Advanced DMEMにおいて再懸濁し、遠心分離し、上澄み液を捨て、Advanced DMEM及びMatrigelマトリゲルに再懸濁する。
【0010】
より好ましくは、前記遠心分離の条件は、0~4℃で、280~290gを2~8min遠心分離することである。
(【0011】以降は省略されています)
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