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公開番号2024173741
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2024083439
出願日2024-05-22
発明の名称グリッパ制御ストラップの前部の摩耗監視装置を備えるグリッパ織機
出願人イテマ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ,ITEMA S.p.A.
代理人個人,個人
主分類D03D 51/34 20060101AFI20241205BHJP(織成)
要約【課題】グリッパストラップの前部、すなわち、前記グリッパストラップのガイドされた外縁部の摩耗状態を継続的に監視することができる織機用の監視装置を提供する。
【解決手段】織機の搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパの制御ストラップの前部の摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。摩耗監視装置は、搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパの経路の近傍に配置された磁力計(3)と、搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパが磁力計(3)の前方を通過する間、搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパをガイド手段に対して付勢して移動させる1以上の磁石(2)とを備える。磁力計(3)は、前記通過する間、搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパの経路を横切る磁束線を有する誘導磁界における磁束の変化を検出する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
織機の搬送グリッパ(C)又はドローインググリッパ(R)の制御ストラップ(T)の前部の摩耗監視装置を備えるグリッパ織機であって、
前記摩耗監視装置は、
前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)の経路の近傍に配置された磁力計(3)と、
前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)が前記磁力計(3)の前方を通過する間、前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)をガイド手段(G)に対して付勢して移動させる1以上の磁石(2)と、
を備え、
前記磁力計(3)は、前記通過する間、前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)の経路を横切る磁束線を有する誘導磁界における磁束の変化を検出する、グリッパ織機。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記磁界は、前記1以上の磁石(2)又は補助磁石(4)によって誘導される、請求項1に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項3】
前記磁力計(3)及び前記1以上の磁石(2)は、前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)の経路に対して側方に配置された支持体(1)に配置されている、請求項2に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項4】
前記補助磁石(4)は、前記支持体(1)内、又は前記搬送グリッパ(C)上、又は前記ドローインググリッパ(R)上に配置されている、請求項3に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項5】
前記支持体(1)は、グリッパ開口装置(5)と縦糸のシェッドとの間の領域に配置されている、請求項3に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項6】
前記磁力計(3)の主面は、前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)の経路に平行な面に配置され、前記磁界の磁束線は、前記経路に対して垂直である、請求項1に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項7】
前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)が前記監視装置の前方を通過する間、前記磁石(2、4)によって誘導され且つ前記磁力計(3)によって測定される磁束の経時的な傾向を監視するために、前記磁束の変化は、前記織機の走行時に自動的に検出される、請求項2に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項8】
時間tにおける前記グリッパストラップ(T)の摩耗状態は、時間tにおける磁束(Wt)と、摩耗がない新しいグリッパストラップ(T)において前記磁力計(3)によって検出された磁束(W0)との差に相関し、
前記監視装置は、前記差が予め決められた値を超えたときに警告信号を発する、請求項7に記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項9】
前記磁力計(3)は、ホール効果センサである、請求項1~8のいずれか1つに記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。
【請求項10】
前記監視装置は、更に、前記磁力計(3)の既知の位置に対する、又は、前記織機の完全な作業サイクルに対して0°から360°の織機の角度までの範囲のスケールに対する、前記搬送グリッパ(C)又は前記ドローインググリッパ(R)の正確な位置に関する情報を提供する、請求項1~8のいずれか1つに記載のグリッパストラップの摩耗監視装置を備えるグリッパ織機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッパ制御フレキシブルストラップに摩耗監視装置を備える織機に関する。特に、本発明は、グリッパ制御フレキシブルストラップの前部の摩耗状態を監視し、グリッパ制御フレキシブルストラップの前部の摩耗が、織機の通常運転、特に搬送グリッパとドローインググリッパとの間の横糸交換のステップにおいて危険にさらされる程度に達する前に、織機の中央制御システムに警告信号を送信することができる監視装置に関する。以下では、簡潔にするために、グリッパ制御フレキシブルストラップを「グリッパストラップ」という。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
当業者には既知であり、図1に概略的に示されているように、グリッパ織機においては、縦糸によって形成されたシェッド内に横糸を挿入するために、搬送グリッパとドローインググリッパとの交互動作が、搬送グリッパ又はドローインググリッパに一端部が固定された2つのグリッパストラップTによって駆動される。交互動作は、各歯車Wによって2つのグリッパストラップTのそれぞれに伝達され、その歯は、グリッパストラップTの中間部分に沿って形成された連続する一連のスロットFに係合する。従って、動作中、グリッパストラップTは、歯車によって制御される可撓性を有するラックのように動作する。実際のところ、一対の金属製のスライドガイドSは、グリッパストラップTを歯車Wのセクタの周りに密着させて曲がるように強制する。このセクタは、前記動作をグリッパストラップTに伝達するのに十分な大きさを有し、スロットFに過度に高い局所応力を発生させることなく、搬送グリッパ及びドローインググリッパがシェッドの外側に位置するときに、織機の下方の領域にグリッパストラップTを向ける。
【0003】
グリッパストラップTは弾性的に元の直線形状を維持するように傾斜しているため、スライドガイドSによる歯車Wの周りで変形することにより、スライドガイドSの表面とグリッパストラップTの外面との間に継続的な引き摺り摩擦が発生する。その後、グリッパストラップTの側縁部とシェッドに沿って配置されたフック又は他の金属製のガイド部材Gとの間に更なる摩擦現象が発生し、グリッパストラップTは、シェッドを横切る所望の方向にガイドされながら、その直線形状に戻されて維持される。スライドガイドS及びガイド部材G内でのグリッパストラップTの高速スライドによって生じる摩擦により、グリッパストラップTの表面が安全に使用できなくなるまで徐々に摩耗する。
【0004】
しかしながら、グリッパストラップの摩耗は、その進行度合いを集合的に生じさせる以下のようないくつかの同時要因によって条件付けられるため、規則的な現象ではない。
-織機の運転速度;
-作業温度;
-グリッパストラップとガイド部材との間の隙間;
-グリッパストラップの不適切な組み立て;
-織機の不適切な調整。
【0005】
このため、グリッパストラップを交換する最適な時期を予測することは、現在、かなりデリケートな作業であり、グリッパストラップの外観から残りの有効寿命を正しく評価する方法を知っている専門の繊維作業者の介入が必要である。実際のところ、グリッパストラップの時期尚早な交換は、明らかに資源の浪費及び経済的損害につながるが、既に過度に摩耗しているグリッパストラップの長期間の使用は、グリッパストラップ自体の故障又は横糸交換時のグリッパ間の干渉という重大なリスクを伴い、その結果、処理される繊維製品及び/又は織機の他の部品や装置に損傷を与える可能性がある。
【0006】
欧州特許出願公開第0341522号明細書には、グリッパストラップの摩耗状態の監視システムが開示されている。各グリッパストラップは、ストラップの長さに沿って配置された内層又はストラップの厚さを通る挿入物を備え、適切な検出器の動作に応じて、ストラップの摩耗状態を示す光学的、電気的、又は磁気的信号を提供する。
【0007】
欧州特許出願公開第3754068号明細書には、グリッパストラップの摩耗状態の監視システムが開示されている。このシステムでは、ストラップの光学プロファイルの経時的変化が比較される。このプロファイルは、ストラップを予め決められた波長の光放射源で照射し、ストラップのプロファイルに沿って変化し且つデジタル電気信号に変換された、反射された光放射線の強度を検出することによって得られる。従って、この特許が開示する制御システムは、ストラップが事前に定義された構造を有する必要も、ストラップの構造が事前に知られている必要もないため、前述の欧州特許出願公開第0341522号明細書の適用分野を大幅に拡大することができる。
【0008】
従って、これらの既知のシステムはいずれも、ストラップ本体に沿った摩耗状態の正確な報告を提供するのに適しており、その結果、繊維作業者は、ストラップを交換する最も適切な時期を特定することができる。
【0009】
しかしながら、後者のストラップ摩耗状態の制御システムの実用化において、本出願人は、グリッパストラップの前部、すなわち、搬送グリッパ又はドローインググリッパが取り付けられている部分が、当該グリッパから徐々に離れているグリッパストラップの領域よりも長い時間、ストラップのガイド部材Gと接触しているために、非常に頻繁に摩耗の増加を示すことに気付いた。更に、グリッパがストラップの前部に取り付けられると、ストラップのこの特定の部分に、ストラップの移動方向に対して横方向の付加的な力が発生する。このような付加的な力は、ストラップに対するグリッパの重心のオフセット位置、及び、ガイド部材Gに沿った戻り走行中のグリッパと横糸との接触、の両方によって発生する。このような摩耗の増加は、特に、グリッパストラップの前部領域の縁部において、グリッパストラップのガイド部材Gに対する前記縁部の摩擦によって発生する。
【0010】
更に、グリッパストラップの縁部の摩耗状態は、特に上述の既存の制御システムでは検出されず、熟練していない織物作業員では直ぐに視認することができない。従って、グリッパストラップの縁部の摩耗状態を目視で評価したり、手動で測定したりするには、織機を停止してグリッパストラップをガイドから抜き取る必要があり、これは複雑で高価な作業である。このような状況の弊害として、グリッパストラップの交換が、使用及びメンテナンスマニュアルに示されているグリッパストラップの端部の最大摩耗限度を既に超えている場合に実施されることが多く、その結果、織機の性能が低下して、間違った横糸の数が増加し、搬送グリッパとドローインググリッパとの間の横糸の交換中に織機部材が損傷するリスクがより高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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