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公開番号2025017050
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2023119920
出願日2023-07-24
発明の名称織機の制御方法
出願人津田駒工業株式会社
代理人
主分類D03D 47/28 20060101AFI20250129BHJP(織成)
要約【課題】
到達タイミングの実際値が目標到達角度範囲の下限値を外れるような状態となった場合において、緯止まり等の製織上の不具合が発生することを可及的に防ぐことができる織機の制御方法を提供すること。
【解決手段】
複数ピック数分の到達タイミングの実際値に基づく到達データが目標到達角度範囲から逸脱したときに、目標到達角度範囲内に到達タイミングを戻すように主軸制御装置及び/又は緯入れ制御装置の制御を行う織機において、到達タイミングがその目標値より小さい下限側である場合の到達データのピック数を上限側である場合の到達データのピック数よりも小さい数に設定する、及び/又は、目標到達角度範囲の下限値と目標値との差の絶対値が目標到達角度範囲の上限値と目標値との差の絶対値よりも小さくなるように上限値及び下限値を設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
緯糸センサの検出信号に基づいて緯糸の到達タイミングの実際値を求め、前記到達タイミングの目標値よりも大きい上限側の上限値及び前記目標値よりも小さい下限側の下限値で定められる目標到達角度範囲と、複数のピック数分の前記実際値に基づく到達データとを用い、前記目標到達角度範囲から到達データが逸脱したときに前記目標到達角度範囲内に前記到達タイミングを戻すように主軸制御装置及び/又は緯入れ制御装置の制御を行う織機において、
前記到達タイミングが前記下限側である場合の前記到達データのピック数を前記上限側である場合の前記到達データのピック数よりも小さい数に設定する、及び/又は、前記目標値と前記下限値との差の絶対値が前記目標値と前記上限値との差の絶対値よりも小さくなるように前記上限値及び前記下限値を設定する
ことを特徴とする織機の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、緯糸センサの検出信号に基づいて緯糸の到達タイミングの実際値を求め、前記到達タイミングの目標値よりも大きい上限側の上限値及び前記目標値よりも小さい下限側の下限値で定められる目標到達角度範囲と、複数のピック数分の前記実際値に基づく到達データとを用い、前記目標到達角度範囲から到達データが逸脱したときに前記目標到達角度範囲内に前記到達タイミングを戻すように主軸制御装置及び/又は緯入れ制御装置の制御を行う織機に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
織機においては、製織中に、緯入れされた緯糸の到達タイミング(先端が予め設定された位置に到達するタイミング)が所望のタイミングとなるように、緯入れの制御や織機の回転数の制御を行うことが従来から知られている。また、緯入れが同じ条件で行われたとしても、その緯糸の到達タイミングにある程度のばらつきが生じることも周知である。そこで、従来の前記制御においては、目標の緯糸到達タイミング(目標値)に対し、その目標値よりも大きい上限側の許容値である上限値、及び前記目標値よりも小さい下限側の許容値である下限値を定めた上で、その上限値と下限値とから成る目標到達角度範囲を設定し、実際の緯糸の到達タイミング(実際値)がその目標到達角度範囲から逸脱したときに、前記制御が実行されている。
【0003】
また、製織中の緯入れにおいては、種々の原因で緯糸の到達タイミングが一時的に大きく変化することがある。但し、そのような一時的な変化によって前記実際値が目標到達角度範囲から逸脱した場合に対し前記制御が実行されてしまうと、織機の製織動作が不安定になってしまう虞がある。そこで、従来においては、複数ピック分の前記実際値による到達データを用いて前記制御を実行するといったことも行われている。具体的には、前記制御を、複数ピック分の前記実際値の平均値と目標到達角度範囲との比較に基づいて行う、或いは、特許文献1に開示されているような、前記実際値が予め設定された複数ピックに亘り連続して目標到達角度範囲から逸脱した場合に実行されるように行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-069800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の織機は、前記到達データを用いて前記制御が行われるように構成されている場合において、前記上限側と前記下限側とで同じピック数による到達データを用いて前記制御が行われている。そのため、そのような従来の織機においては、前記実際値が前記下限値側に外れるような緯糸の飛走状態において、緯入れが不安定となり、緯止まり等の製織上の不具合が生じる虞がある。詳しくは、以下の通りである。
【0006】
先ず、織機が空気噴射式織機の場合、その各サブノズルの噴射期間は、設定された緯入れ開始タイミング及び前記目標値から求められる設定上の緯糸飛走曲線とサブノズルが設けられた位置とに基づいて定められるタイミングを基準とし、その基準とするタイミングに対し先行側の期間(先行期間)と後行側の期間(後行期間)とを定めるかたちで設定される。但し、その噴射期間において、前記先行期間は、緯糸がサブノズルの位置に達する前の先行噴射の期間であることから、一般的には、前記後行期間と比べて短い期間であるように設定されている。
【0007】
そのような空気噴射式織機における緯入れにおいて、前記実際値が前記下限値を外れる(到達タイミングが早くなる)ような緯糸の飛走状態となったとき、前記到達データを用いて前記制御が行われる従来では、例えばその前記下限値を外れた状態が設定されたピック数だけ連続して発生した場合に、前記制御が実行されることとなる。言い換えれば、前記制御を実行するか否かの判断は、設定されたピック数分の緯入れが完了するまでは行われず、前記の前記下限値を外れた状態であったとしても、その間は緯入れが継続されることとなる。
【0008】
なお、装置の異常(故障)等によるものでは無い場合には、緯糸の飛走状態が変化して前記した前記下限値を外れた状態となったとしても、各サブノズルの位置での緯糸先端の通過タイミングは、そのサブノズルの噴射開始タイミングに近くはなるものの、前記先行期間内となっているのが通常である。しかし、織機の緯入れにおいては、前述のように緯糸の到達タイミング(飛走状態)が一時的に大きく変化する場合がある。そのため、前記のように噴射開始タイミングに近いタイミングで緯糸の先端が通過するような飛走状態において、そのような大きな変化が生じた場合、前記通過タイミングがサブノズルの噴射開始タイミングよりも早くなる状態、すなわち、そのサブノズルの噴射が開始される前に緯糸がそのサブノズルの位置に達する状態となってしまう場合がある。そして、そのようにサブノズルの噴射が開始される前に緯糸がそのサブノズルの位置に達してしまうと、緯糸の飛走状態が不安定となり、その結果として、緯止まり等の製織上の不具合が生じることとなる。
【0009】
そこで、本発明は、前記到達データを用いて前記制御が実行される織機において、前記実際値が前記下限値を外れるような状態となった場合において、緯止まり等の製織上の不具合が発生することを可及的に防ぐことができる織機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、緯糸センサの検出信号に基づいて緯糸の到達タイミングの実際値を求め、前記到達タイミングの目標値よりも大きい上限側の上限値及び前記目標値よりも小さい下限側の下限値で定められる目標到達角度範囲と、複数のピック数分の前記実際値に基づく到達データとを用い、前記目標到達角度範囲から到達データが逸脱したときに前記目標到達角度範囲内に前記到達タイミングを戻すように主軸制御装置及び/又は緯入れ制御装置の制御を行う織機に適用される。そして、本発明による織機の制御方法は、前記到達タイミングが前記下限側である場合の前記到達データのピック数を前記上限側である場合の前記到達データのピック数よりも小さい数に設定する、及び/又は、前記目標値と前記下限値との差の絶対値が前記目標値と前記上限値との差の絶対値よりも小さくなるように前記上限値及び前記下限値を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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