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公開番号2025038167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2024223854,2022526062
出願日2024-12-19,2020-11-06
発明の名称キナーゼ阻害剤に対する獲得抵抗性を有するがんの処置方法
出願人インサーム(インスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシェ メディカル),INSERM(INSTITUT NATIONAL DELA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE),ユニヴェルシテ・トゥールーズ・トロワ-ポール・サバティエ,UNIVERSITE TOULOUSE III-PAUL SABATIER,アンスティチュ・クロディウス・ルゴー,INSTITUT CLAUDIUS REGAUD
代理人個人,個人
主分類A61K 45/06 20060101AFI20250311BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】有効ながん患者の処置に対する最大の障害の例となっているキナーゼ阻害剤に対する抵抗性の発生を抑止する、獲得抵抗性がんの処置方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害が様々な発癌の場合においてキナーゼ阻害剤に対する抵抗性の発生を抑止することができるということを示す。特に、複数のEGFR突然変異細胞株においてエルロチニブと組み合わせたファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(すなわちチピファルニブ)の効力をin vitroにおいて測定し、上述の組合せがすべての薬剤耐性細胞を効果的に排除し、抵抗性クローンの発生を十分に抑止することを示した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
キナーゼ阻害剤に対して抵抗性のあるがんを処置するための医薬組成物であって、
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を含み、
キナーゼ阻害剤と組合せて投与される、医薬組成物。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記キナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリグチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440、エンサルチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ、PLX4720、コビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、PD035901、U0126、TAK-733、レンバチニブ、Debio-1347、ドビチニブ、BLU9931、ソラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、タンデュチニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、ギルテリチニブ、ポナチニブ、イブルチニブ、リンシチニブ、NVP-AEW541、BMS-536924、AG-1024、GSK1838705A、BMS-754807、PQ401、ZD3463、NT157、ピクロポドフィリン(PPP)、チバンチニブ、JNJ-38877605、PF-04217903、フォレチニブ(GSK1363089)、メレスチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、セルデュラチニブ、ガンドチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、PF-04965842、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、フェドラチニブ、イマチニブ、パゾパニブ、テラチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、カボザンチニブ、ベムセンチニブ、アムバチニブ、ギルテリチニブ(ASP2215)、グレサチニブ(MGCD265)、SGI-7079、ラロトレクチニブ、RXDX-102、アルチラチニブ、LOXO-195、シトラバチニブ、TPX-0005、DS-6051b、ホスタマチニブ、エントスプレチニブ、及びTAK-659からなる群より選択され、
前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は、チピファルニブである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記がんは、EGFR突然変異がん、ALK突然変異がん、RAS突然変異がん、又はRAF突然変異がんである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記がんは、白血病、リンパ腫、肉腫、黒色腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、膀胱、脳、結腸直腸、肝臓、及び子宮頸部のがんからなる群より選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記がんは、非小細胞肺がんである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記キナーゼ阻害剤がEGFR阻害剤である場合、前記がんは、肺がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、乳がん、特に早期乳がん、甲状腺がん、甲状腺髄様がん、結腸直腸がん、転移性又は進行性結腸直腸がん、頭頸部の扁平上皮癌、及び神経膠腫からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記キナーゼ阻害剤がALK阻害剤である場合、前記がんは、非小細胞肺がんである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記キナーゼ阻害剤がB-Raf阻害剤である場合、前記がんは、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、及び消化管間質がんからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
キナーゼ阻害剤に対して抵抗性のあるがんの処置に使用するための、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤とキナーゼ阻害剤とを含む医薬組成物又はキット(パーツキット)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医学、特に腫瘍学の分野のものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
肺がんは、世界的にがんによる死亡の主要な原因である。転移性非小細胞肺がん(NS
CLC)は、近年、つまり、標的治療の開発につながるEGFR突然変異などの発がん遺
伝子ドライバーの同定、及び免疫チェックポイント阻害剤の開発につながるがん免疫サイ
クルの理解という、2つの連続のブレークスルーによって恩恵を受けている。
【0003】
エルロチニブ又はゲフィチニブなどの第1世代のEGFR-チロシンキナーゼ阻害剤(
EGFR-TKI)は、EGFR活性化突然変異保持NSCLCの有効な治療である


しかしながら、70%の応答率にもかかわらず、患者は通例、薬剤抵抗性の発生によって
12か月の時間中央値で再発する。獲得抵抗性の機序は、EGFR
T790M
突然変異、
MET

又はHER2

を含むバイパス経路の活性化、上皮間葉転換(EMT)

、及び
小細胞肺がんへの転換

、など

を含む。また、これらの抵抗性は、EGFRの下流の増
殖/生存経路、主にPI3K/AKT、MEK/ERK、又はSTAT
8、9
の再活性化
によって媒介され得る。初期には、再発時の腫瘍に見受けられるさらなる遺伝子変異を標
的とすることが抵抗性の問題を解決し得ると考えられた。しかしながら、腫瘍間及び腫瘍
内の突然変異の不均一性がこの方策を無効なものとした。実際に、T790Mゲートキー
パー突然変異を効果的に標的とする第3世代のEGFR-TKIのオシメルチニブで処置
した患者もまた、新しい抵抗性機序(例えばEGFR-C797S/G突然変異)の出現
により、再発する
10

【0004】
近年のin vitro研究では、EGFR-TKI抵抗性の発症が、一般に想定され
るような既存の抵抗性サブクローンの薬剤選択から説明できないだけでなく、スローサイ
クリング状態に入ることで初期に処置に抵抗する薬剤耐性細胞(DTC)の小集団からも
新たに生じ得るということを示唆している
11
。これらの細胞の一部は、やがて細胞周期
に再度入り、最終的に、増殖能力を十分に回復可能にする遺伝子変異を得ることができる
12、13
。DTCは、基本的に、EGFR突然変異PC9肺細胞株において記載されて
おり、これは、(i)大部分の細胞の死亡をもたらす、1μMのEGFR-TKI(この
細胞株のIC50の50~100倍であり、患者の血中濃度に対応する用量)による最初
の5日の処置時における強力な初期応答、(ii)残存するDTCの存在に対応する数日
/数週の遅延時間がその後観察されるという、in vitroにおいて患者に表れる主
要な段階を再現している。これらの細胞は、CD133又はCD24としてのがん幹細胞
マーカを発現する低増殖細胞として記載され、遺伝子型変異なくエピジェネティックリプ
ログラミングを受けており
11、14
、(iii)処置の数週後、これらの細胞の一部が
、EGFR
T790M
抵抗性突然変異(第1世代EGFR-TKI処置の場合)又は他の
遺伝子変異などの新たな遺伝子改変を得ることができる
12、13

【0005】
他の研究では、NSCLCにおいて、また転移性黒色腫
15
、膠芽腫
16
、又は急性骨
髄性白血病
17
などの他のがんにおいても、いくつかの抗がん治療に対して生じる、微小
残存病変(MRD)とも呼ばれる同様の細胞状態の存在を示している。それにもかかわら
ず、この特定の状態は、さほど特性が明らかになっていないままであり、腫瘍細胞がどの
分子機構によってDTC状態に進化するか、これらのDTCがどのように抵抗性突然変異
を生じるか、及びこれらの細胞が患者においてどの程度抵抗性を高め得るかについて、未
だ知られていない。したがって、これらのDTCの標的化は、EGFR-TKIに対する
二次的抵抗性の発生を防ぐ、新しく有望なアプローチとなると考えられる。しかしながら
、新しい治療方法開発の必要条件となる、この特定の状態における正確なin vivo
の表現型及び分子の特徴が未だ得られていない。
【発明の概要】
【0006】
特許請求の範囲によって規定されるように、本発明は、キナーゼ阻害剤に対する獲得抵
抗性を有するがんの処置のための方法、医薬組成物、及びキットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、GGTiではなくFTiが、複数のTKI感受性モデルにおいて再発を抑止することを示す。GFP形質導入EGFR突然変異細胞株を、FTi(チピファルニブ、1μM)、GGTi(GGTi-298、1μM)、若しくはTatC3(2μg/ml)(A~C)、又は0.1μMのチピファルニブ(D~F)あり又はなしで、1μMのエルロチニブで処置し、応答及び再発を蛍光検出によって追跡した(G~H)。GFP形質導入したH3122(ALK転座NSCLC細胞株)又はA375(BRAF突然変異黒色腫細胞株)を、それぞれアレクチニブ(2μM)又はベムラフェニブ(5μM)と組み合わせたチピファルニブ0.1μMによって処置し、応答及び再発を蛍光検出によって追跡した。
図2は、以下のとおりである。(A)示される処置の際の腫瘍体積の変化を示す。(B)良好な応答における腫瘍サイズ対ベースラインの変化を示す(45日)。(C)カプラン・マイヤー無増悪生存プロットを示す。(D)カプラン・マイヤー全生存プロットを示す。(E)処置時におけるマウスの身体サイズの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1の目的は、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法に関し、該
方法は、キナーゼ阻害剤とファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤とを含む治療上有効な
組合せを対象に投与することを含む。
【0009】
本発明のさらなる目的は、対象においてキナーゼ阻害剤に対して抵抗性のあるがんの発
症を遅延及び/又は抑止する方法に関し、該方法は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻
害剤を組み合わせて治療有効量のキナーゼ阻害剤を対象に投与することを含む。
【0010】
本明細書において使用するように、「キナーゼ阻害剤に対して抵抗性」という用語は、
非常に幅広い文脈において、細胞の増殖を阻害する、細胞を殺傷する、又は1つ以上の細
胞機能を阻害する少なくとも1つのキナーゼ阻害剤の有効性の低下、及び、細胞の増殖を
阻害する、細胞を殺傷する、又は1つ以上の細胞機能を阻害するように設計された物質へ
の曝露において、細胞が生存できることを指すように使用される。細胞が示す抵抗性は、
例えば該物質にそれまでに曝露させることによって獲得され得る、又は、固有若しくは自
然のものであり得る。細胞が示す抵抗性は、物質が細胞に対して完全に無効になるという
ことから完全であり得る、又は物質の有効性を低下させるということから部分的であり得
る。したがって、「抵抗性のある」という用語は、疾患が発症又は進行前に治癒したかど
うかとは無関係な、がんの頻回の発症、又はがんの進行を指す。
(【0011】以降は省略されています)

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