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公開番号2025062801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172073
出願日2023-10-03
発明の名称織物およびそれを用いた帯
出願人小杉織物株式会社
代理人弁理士法人みのり特許事務所
主分類D03D 11/00 20060101AFI20250408BHJP(織成)
要約【課題】柔らかい風合いのシワを自由に形成させることができる織物およびそれを用いた帯を提供する。
【解決手段】経糸および緯糸を組織したものであり、経糸方向に延びる袋織部10と、経糸方向に延びる接結部20とを有する織物。袋織部10は、上布110と、下布120とを有し、その内部に袋織部10を挟む一対の接結部20を連結する伸縮性緯糸11および非伸縮性緯糸12を有している。伸縮性緯糸11が袋織部10を短手方向に収縮させ、上布110および下布120が外側に突出するように折り曲げ、非伸縮性緯糸12が上布110および下布120の折り曲げ具合を制御する。袋織部10によってシワが構築されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
経糸と緯糸とから組織され、
経糸方向または緯糸方向のいずれか一方に延びる袋織部を有し、
前記袋織部内に、前記袋織部を挟む一対の接結部を連結する伸縮性糸および非伸縮性糸がそれぞれ独立して設けられている、
織物。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記伸縮性糸の本数と前記非伸縮性糸の本数の比が1:1~1:5である、
請求項1記載の織物。
【請求項3】
前記伸縮性糸の本数と前記伸縮性糸と同じ方向に延びる前記袋織部の上布および下布を構成する前記経糸または前記緯糸の本数の比が1:5~1:30である、
請求項1記載の織物。
【請求項4】
前記接結部が所定の幅を有する、
請求項1記載の織物。
【請求項5】
前記袋織部が前記経糸方向に延びている、
請求項1記載の織物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の織物からなる帯。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、織物およびそれを用いた帯、特に兵児帯に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
兵児帯は、薄手で柔らかい素材を用いた帯であり、締めた際に体に負担がかからなく結びやすいという特徴を有し、自由な結び方が可能である等アレンジの自由度が高いことから広く使用されている。その中でも可愛く演出できることから全体にしわが設けられたしわ兵児帯が知られている。
このしわ兵児帯のしわは、一般的に、柔らかい素材の帯にしわを形成した後、蒸気等で形状記憶させる等のしわ加工を施すことによって製造されている。
【0003】
本出願人は、しわ加工を施さず、織布工程で糸を織ることによって自然なしわが形成される帯の開発を重ねてきた。そして、図4に示すように、経糸方向に延びる袋織部B(袋状に織る二重織部)を有する織物Fであって、袋織部B内に、袋織部Bを挟む一対の接結部を連結する弾性糸を独立して設けた兵児帯を完成させ、販売している。この製品は、袋織部を短手方向(緯糸方向)に縮ませることにより袋織部の上布および下布を外側に湾曲または突出するように折り曲げ、織物の表裏に経糸方向のシワを形成させたものである。
【0004】
一方、兵児帯に関する技術として、例えば、特許文献1には、結び形状部としての後帯と、胴に巻く部分としての前帯と、前帯と後帯とを連結するための小帯とからなる兵児帯が開示されている。この兵児帯の後帯のしわは、矩形の布片を中央部で絞ることにより中央部から端部に向かって形成されている。また前帯および小帯のしわは、内部に弾性芯を設けた筒状帯を長手方向に収縮させることにより筒状帯の短手方向に延びるように形成されている。しかし、この兵児帯は、織物を織った後に加工または処理が必要となる。
【0005】
兵児帯としての用途ではないが、織布工程において糸を織ることにより表面に線状の凸またはシワを形成させた二重織物が知られている。
例えば、特許文献2には、表面に縦方向に沿った凸条畝が形成された二重織物が開示されている。この二重織物は、表側の織物の緯糸の収縮率を裏側の織物の緯糸の収縮率より小さくしており、収縮の少ない表側に縦方向に沿った凸条畝を形成させている。なお、特許文献2は、緯糸を収縮させるために後処理を施している。
さらに特許文献3には、経糸及び緯糸で平袋織された長手方向に延びる外筒敷布からなるベルト用の細巾織物であって、外筒敷布の内側に、長手方向に沿って非伸縮性芯糸および伸縮性芯糸を挿入したものが開示されている。この細巾織物のシワは、外筒敷布内の伸縮性芯糸を用いて細巾織物を長手方向に収縮することにより、細巾織物の短手方向に延びるように形成されている。そして、特許文献4にも同様の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実開昭53-73120号公報
特開2004-84129号公報
特開2011-117091号公報
特開2018-66094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人の製品は、袋織部を短手方向に収縮させ、シワを長手方向に形成させるものである。しかし、袋織部を収縮しすぎると、袋織部の上布および下布の折れ具合が強くなり、シワが立ちすぎて、風合いが硬くなり、逆に袋織部を十分に収縮できないと、凸が小さくなり、シワに見えなくなる。そのため、シワの微調整が困難であり、シワの自由度の高い織物が求められている。
【0008】
従来公知の二重織物の技術を採用する場合、特許文献2の二重織物は、横方向に収縮させることにより凸条畝を形成させるため、全体としての柔らかさが低下する。特に、兵児帯の柔らかいシワを形成することはできない。さらに表側の織物の緯糸の収縮率を裏側の織物の緯糸の収縮率より小さくすることにより凸条畝を形成しているため、凸条畝は表側の織物にしか形成されない。
特許文献3および特許文献4の織物は、一方向に延びる袋織部を、その長手方向に伸縮させることにより短手方向に延びる短いシワが形成されたものである。そのため、シワの長さや方向またその風合いを自由に調整できるものではない。また特許文献3および特許文献3もシワを調整することを目的とするものでもない。
本発明は、柔らかい風合いを維持しつつ、シワを模様として自由に形成させることができる織物およびそれを用いた帯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、本出願人の製品の課題を解決するため、シワの形成が目立つように比較的弾性の高い伸縮性糸を用いると同時に、袋織部の上布および下布の折れ具合を弱めるべく袋織部内に非縮性糸も独立して設けたところ、シワをしっかり形成させつつ、かつ、シワを立たせず全体としての風合いを柔らかくすることを見出した。
【0010】
本発明の織物は、経糸と緯糸とから組織され、経糸方向または緯糸方向のいずれか一方に延びる袋織部を有し、前記袋織部内に、前記袋織部を挟む一対の接結部を連結する伸縮性糸および非伸縮性糸がそれぞれ独立して設けられていることを特徴としている。ここで「伸縮性糸および非伸縮性糸が独立している」とは、それぞれが袋織部の上布および下布と絡合しておらず、つまり、上布および下布を構成しているいずれの経糸または緯糸とも絡んでいないまたは接結しておらず、かつ、伸縮性糸と非伸縮性糸とも絡んでいない状態を言う。
(【0011】以降は省略されています)

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