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公開番号
2024081559
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-18
出願番号
2022204961
出願日
2022-12-06
発明の名称
角形鋼管柱の梁接合装置
出願人
個人
代理人
主分類
E04B
1/58 20060101AFI20240611BHJP(建築物)
要約
【課題】角形鋼管柱に、接合金物を介してH形鋼梁をボルト接合する柱の構造において、溶接作業負担が少ないノンブラケット工法を用いて、柱外面側から挿入した高力ボルト頭回転による、柱内部でのナット締め付けで、ナットと座金の位置調整が微少範囲で可能な接合工法を提供する。
【解決手段】角形鋼管柱の内面壁に、ナットと座金をセットしたナット保持盤を設けて、角形鋼柱の外面側から高力ボルトが挿入すると、ボルトの面取り先が、座金内径部に接触しながら、座金内径部を通過してナットのねじ口上部に接触する。接触されたナットは、ナット保持盤のナットカバーに接触して、ボルトを螺合する。その後もボルトの回転が続くと、ナットと座金は、ボルトの頭部側へねじ山に沿って移動し、座金が角形鋼管柱の内面壁に当接して、ナットの締め付けが発生する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
角形鋼管柱に、接合金物を介してH形鋼梁をボルト接合する角形鋼管柱の構造において、角形鋼管柱の内面壁四方の所定位置で、接合金物のボルト孔に合致した複数のボルト孔と複数のナット保持盤を設けて、前記ナット保持盤内部に、ナットと座金を複数有することを特徴とする角形鋼管柱の梁接合装置。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記角形鋼管柱内面壁に設けた、ナット保持盤に有するナットと座金は、ボルトの回転により微少範囲で移動する構造にあって、接合金物のボルト孔に挿入したボルトが、角形鋼管柱の外面側から挿入すると、ボルト先端の面取り部分は、ナット保持盤に有する座金内径部の上部に接触しながら、座金内径部を通過して、ナットのねじ穴口上部に接触し、接触された前記ナットは、ナット保持盤を形成している弁当箱形状のナットカバーの内面側へ当接し、ボルトを螺合し、その後も、螺合されたボルトの回転が続くと、前記ナットと座金は、前記ボルトの頭部方向へボルトのねじ山沿いに移動し、座金が角形鋼管柱の内面壁に当接して、ナットの締め付けが発生し、その力で、角形鋼管柱と接合金物が密着することを特徴とする請求項1記載の角形鋼管柱の梁接合装置。
【請求項3】
前記ナット保持盤の構造において、ナット保持盤を形成している長方形のプレ-ト面に、座金形状より大きめに複数の型抜き加工を施した、座金拘束プレ-トと、前記座金拘束プレ-トと同一寸法で板厚が厚いプレ-トに、ナット形状より大きめに複数の型抜き加工を施した、ナット拘束プレ-トを重合し、薄板鋼板にボルト孔を複数型抜き加工を施した弁当箱形状のナットカバーを、前記重合盤のナット拘束プレ-ト側に組み合わせて形成した、ナット保持盤を特徴とする請求項1又は2記載の角形鋼管柱の梁接合装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨構造建築に角形鋼管柱を用いたノンブラケット工法において、角形鋼管柱とH形鋼梁との接合装置に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、鉄骨構造建築物の柱に角形鋼管を用いて、梁材にH型鋼を用いた両方向ラーメン構造が多用されている。例えば、図5に示すような、両方向ラーメンの構造を得る手段として、角形鋼管をH型鋼の両フランジ位置で切断し、そこにダイアフラムプレ-トを挟み込んで再接合する工法の、通しダイアフラム形式のブラケット工法が一般的に知られている。
【0003】
特開平11-269986号公報(第1公知例)では、図1に示すように、ノンブラケット工法を採用して、図6(a)に示すように、工場で、角鋼管柱1に基部2bを高力ボルト16により締結するとともに、図6(b)に示すように、H形鋼梁4の上フランジ9aに上部の梁取付板2pを当接して高力ボルト16で仮締結し、施工現場に搬送し、施工現場で、角鋼管柱1を所定位置に立設し、図6(c)に示すように、H形鋼梁4の上フランジ9aに仮締結した基部2bを角形鋼管柱1にワンサイドボルト24により締結し、図6(d)に示すように、H形鋼梁4の上フランジ9aと梁取付板2pを、高力ボルト16により締め付ける方法の角形鋼管柱1とH形鋼梁4の接合構造が開示されている。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-269986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、通しダイアフラム形式(図5)の例においては、高い接合部剛性を得ることができるが、反面、柱の切断加工や溶接作業負担が大きいという問題がある。例えば、角形鋼管柱1を、H形鋼梁12のせい(高さ)に合わせて角形鋼管柱1を切断し、その角形鋼管柱1の切断箇所の両端に、通しダイアフラム上下(11a、11b)を組み合わせて、次に、接合するブラケット(H形鋼)12の上下フランジとウェブ、さらに、通しダイアフラム11a上部の柱、11b下部の柱と、上下、四方向の接合であり、狭い範囲での溶接作業のため、難易度が高い接合工法になっている。
【0007】
第1公知例のノンブラケット工法においては、通しダイアフラム形式での溶接作業負担を解消する方法ではあるが、ボルトを締結する方法に課題を残している。例えば、図6に、示すような、工場において、角鋼管柱1に基部2bを高力ボルト16により締結し、施工現場では、角鋼管柱1とH形鋼梁4の上フランジ9aに仮締結した基部2bをワンサイドボルト24で締結する方法である。従って、高価で複雑な機構のワンサイドボルトが、約半数使用されており、大幅なコスト低減には繋がっていない。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、角形鋼管柱の梁接合装置において、角形鋼管柱の内壁面にナット保持盤を当接し、一般的な高力ボルトを用いて、上述した従来の接合方法の問題点を解決することにあり、接合強度の安定確保とともに、角形鋼管柱外面から挿入した高力ボルト頭の回転による、ナットの締め付けでもって、一定の微少範囲でのボルトの位置変化に対応するシステムで、溶接作業負担が少ないノンブラケット工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る角形鋼管柱の梁接合装置は、角形鋼管柱に、接合金物を介してH形鋼梁をボルト接合する角形鋼管柱の構造において、角形鋼管柱の内面壁四方の所定位置で、接合金物のボルト孔に合致した複数のボルト孔と複数のナット保持盤を設けて、前記ナット保持盤内部に、ナットと座金を複数有することを特徴とする角形鋼管柱の梁接合装置。
続いて、前記角形鋼管柱内面壁に設けた、ナット保持盤に有するナットと座金は、ボルトの回転により微少範囲で移動する構造にあって、接合金物のボルト孔に挿入したボルトが、角形鋼管柱の外面側から挿入すると、ボルト先端の面取り部分は、ナット保持盤に有する座金内径部の上部に接触しながら、座金内径部を通過して、ナットのねじ穴口上部に接触する。接触された前記ナットは、ナット保持盤を形成している弁当箱形状のナットカバーの内面側へ当接し、ボルトを螺合する。その後も、螺合されたボルトの回転が続くと、前記ナットと座金は、前記ボルトの頭部方向へボルトのねじ山沿いに移動し、座金が角形鋼管柱の内面壁に当接して、ナットの締め付けが発生する。その力で、角形鋼管柱と接合金物が密着することを特徴としている。
上記ナット保持盤の構造において、ナット保持盤を形成している長方形のプレ-ト面に、座金形状より大きめに複数の型抜き加工を施した、座金拘束プレ-トと、前記座金拘束プレ-トと同一寸法で板厚が厚いプレ-トに、ナット形状より大きめに複数の型抜き加工を施した、ナット拘束プレ-トを重合し、薄板鋼板にボルト孔を複数型抜き加工を施した弁当箱形状のナットカバーを、前記重合盤のナット拘束プレ-ト側に組み合わせて形成した、ナット保持盤を特徴としている。
【発明の効果】
【00010】
(A)本発明に係る角形鋼管柱の梁接合装置によれば、一般的にハイテンボルトの締め付けは、ナットを回転させて締め付けることが前提条件になっている。H形鋼柱での接合の場合は、柱断面が開断面のため、一般的な高力ボルトを用いて容易に接合ができる。しかし、角形鋼管柱の場合は、閉断面のため、鋼管内部から、ナットを締め付けることは一般的には不可能である。本発明においては、角形鋼管柱の外面側から挿入した高力ボルトに対して、角形鋼管柱の内面側で、ナットの締め付けが可能なシステムである。従って、一般的な高力ボルトを用いての極めて実用性の高い接合手段を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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