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公開番号
2024074041
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-30
出願番号
2022185091
出願日
2022-11-18
発明の名称
半透明化紙及び半透明化紙の製造方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
個人
主分類
D21H
21/26 20060101AFI20240523BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】本発明は、リサイクル適性を有する透明化紙を提供する。
【解決手段】半透明化紙用原紙と、前記半透明化紙用原紙の少なくとも一部領域に透明化材料が塗布・含侵してなる半透明領域を有する半透明化紙であって、下記の要件(1)~(3)の全てを満足することを特徴とする半透明化紙である。
要件(1):半透明化紙用原紙の坪量(W)が30~100g/m
2
要件(2):半透明領域の単位面積当たりの塗布・含侵量(C)が10~70g/m
2
要件(3):C/(W+C)×100の値が20~40%
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
半透明化紙用原紙と、前記半透明化紙用原紙の少なくとも一部領域に透明化材料が塗布・含侵してなる半透明領域を有する半透明化紙であって、下記の要件(1)~(3)の全てを満足することを特徴とする半透明化紙。
要件(1):半透明化紙用原紙の坪量(W)が30~100g/m
2
要件(2):半透明領域の単位面積当たりの塗布・含侵量(C)が10~70g/m
2
要件(3):C/(W+C)×100の値が20~40%
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
半透明化紙用原紙が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプを主成分である請求項1記載の半透明化紙。
【請求項3】
針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプの比が80:20~51:49である請求項2記載の半透明化紙。
【請求項4】
透明化材料の屈折率が1.4~1.6である請求項1記載の半透明化紙。
【請求項5】
前記半透明領域が下記測定条件1の視感透過率(T50)が20%以上である請求項1記載の半透明化紙。
「測定条件1」
投光部と受光部の間に少なくとも50mmの間隔がある視感透過率測定器を用い、
前記半透明化紙の半透明領域を測定するサンプルとし、
投光部にサンプルの一方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T50)。
【請求項6】
前記半透明領域が下記測定条件2の視感透過率比が44以上である請求項1又は5記載の半透明化紙。
「測定条件2」
投光部と受光部の間に少なくとも50mmの間隔がある視感透過率測定器を用い、
前記紙の半透明領域を測定するサンプルとし、
投光部にサンプルの一方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T50)、
受光部にサンプルの他方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T0)を測定し、下記数式で視感透過率比を求める。
数式1: 視感透過率比=(T50/T0)×100
【請求項7】
半透明化紙用原紙の少なくとも一部領域に、透明化材料を含む塗布・含侵液を塗布及び/又は含侵して半透明領域を形成する半透明化紙の製造方法であって、下記の要件(1)~(3)の全てを満足することを特徴とする半透明化紙の製造方法。
要件(1):半透明化紙用原紙の坪量(W)が30~100g/m
2
要件(2):半透明領域の単位面積当たりの塗布・含侵量(C)が10~70g/m
2
要件(3):C/(W+C)×100の値が20~40%
【請求項8】
半透明化紙用原紙が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプを主成分である請求項7記載の半透明化紙の製造方法。
【請求項9】
針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプの比が80:20~51:49である請求項7記載の半透明化紙の製造方法。
【請求項10】
前記針葉樹化学パルプのカナダ標準ろ水度が400~700mLであり、
前記広葉樹化学パルプのカナダ標準ろ水度が350~650mLである
請求項8又は9記載の半透明化紙の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透明化紙及び半透明化紙の製造方法に関する。更に詳しくは、包装用紙、印刷用紙、出版用紙、情報用紙等に利用可能な紙であり、その一部分領域乃至全領域が半透明化された半透明化紙及び半透明化紙の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
封筒、商品パッケージ等の紙製包装体は、外部から宛名や内容物を視認できる窓を有することがある。その窓には、透明な樹脂フィルムが貼付されていたり、グラシン紙が貼付されていたりする。資源の再利用等の観点では、後者のグラシン紙を用いることが好ましい。
【0003】
グラシン紙は、パルプを細かく叩解して抄紙した紙を高圧のカレンダー処理をした半透明紙で、従来から知られている。グラシン紙は、封筒等の包装体として用いるには強度が不十分であることから、封筒の窓に部分のみに貼付される等、用途が限られていた。これに代わる半透明化紙として、例えば、透明化樹脂を紙の繊維間に含浸させる手法が提案されている(例えば、特許文献1~4)。紙のセルロース繊維間の空隙に透明化樹脂を含浸させることで、透明化樹脂が含浸した半透明領域の透明度を高めることができる。半透明化紙は、グラシン紙に比べ強度が優れるため、封筒等の包装体としても使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-132698号公報
特開昭61-132699号公報
特開2018-9047号公報
特開2021-91481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、透明化樹脂を含侵した半透明化紙は、透明性の高い紙となるが、使用後に古紙パルプとしてリサイクルする際、離解性に影響することを見出した。本発明は、透明化樹脂を含侵することで得られる半透明化紙の透明性とリサイクル適性を両立した半透明化紙及び半透明化紙の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の態様を有する。
[1]半透明化紙用原紙と、前記半透明化紙用原紙の少なくとも一部領域に透明化材料が塗布・含侵してなる半透明領域を有する半透明化紙であって、下記の要件(1)~(3)の全てを満足することを特徴とする半透明化紙。
要件(1):半透明化紙用原紙の坪量(W)が30~100g/m
2
要件(2):半透明領域の単位面積当たりの塗布・含侵量(C)が10~70g/m
2
要件(3):C/(W+C)×100の値が20~40%
[2]半透明化紙用原紙が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプを主成分である[1]記載の半透明化紙。
[3]針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプの比が80:20~51:49である[2]記載の半透明化紙。
[4]透明化材料の屈折率が1.4~1.6である[1]記載の半透明化紙。
【0007】
[5]前記半透明領域が下記測定条件1の視感透過率(T50)が20%以上である[1]記載の半透明化紙。
「測定条件1」
投光部と受光部の間に少なくとも50mmの間隔がある視感透過率測定器を用い、
前記半透明化紙の半透明領域を測定するサンプルとし、
投光部にサンプルの一方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T50)。
【0008】
[6]前記半透明領域が下記測定条件2の視感透過率比が44以上である[1]又は[5]記載の半透明化紙。
「測定条件2」
投光部と受光部の間に少なくとも50mmの間隔がある視感透過率測定器を用い、
前記紙の半透明領域を測定するサンプルとし、
投光部にサンプルの一方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T50)、
受光部にサンプルの他方の面を接するように配置して測定した際の視感透過率(T0)を測定し、下記数式で視感透過率比を求める。
数式1: 視感透過率比=(T50/T0)×100
【0009】
[7]半透明化紙用原紙の少なくとも一部領域に、透明化材料を含む塗布・含侵液を塗布及び/又は含侵して半透明領域を形成する半透明化紙の製造方法であって、下記の要件(1)~(3)の全てを満足することを特徴とする半透明化紙の製造方法。
要件(1):半透明化紙用原紙の坪量(W)が30~100g/m
2
要件(2):半透明領域の単位面積当たりの塗布・含侵量(C)が10~70g/m
2
要件(3):C/(W+C)×100の値が20~40%
[8]半透明化紙用原紙が、針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプを主成分である[7]記載の半透明化紙。
[9]針葉樹化学パルプと広葉樹化学パルプの比が80:20~51:49である[8]記載の半透明化紙。
[10] 前記針葉樹化学パルプのカナダ標準ろ水度が400~700mLであり、
前記広葉樹化学パルプのカナダ標準ろ水度が350~650mLである
[8]又は[9]記載の半透明化紙の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、透明性に優れ、且つリサイクル適性を有する半透明化紙およびその半透明化紙の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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