TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024073546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2024039106,2022075866
出願日2024-03-13,2013-04-03
発明の名称幹細胞微粒子
出願人リニューロン・リミテッド,ReNeuron Limited
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 5/0797 20100101AFI20240522BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】幹細胞に基づく改善された治療を提供する。
【解決手段】本発明は、幹細胞微粒子、その使用及び製造に関し、具体的には神経幹細胞微粒子及びその治療における使用に関する。幹細胞微粒子は、典型的にはエキソソーム又は微小胞であり、神経幹細胞株に由来するものとすることができる。神経幹細胞株は、条件的不死化された幹細胞株とすることができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
神経幹細胞微粒子。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
微粒子が、エキソソーム、微小胞、膜粒子、膜小胞、エキソソーム様小胞、エクトソーム様小胞、エクトソーム又はエキソベシクルである、請求項1に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項3】
微粒子が神経幹細胞株に由来する、請求項1又は2に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項4】
神経幹細胞株が、条件的不死化され、及び/又は無血清培地で生育されている、請求項3に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項5】
神経幹細胞株が、ECACC受託番号04091601を有するCTX0E03、ECACC受託番号04110301を有するSTR0C05、及びECACC受託番号04092302を有するHPC0A07である、請求項4に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項6】
微粒子が、
(a)電子顕微鏡で決定した場合に30nm~1000nmの若しくは30~200nmの若しくは30~100nmのサイズ、又は
(b)1.1~1.2g/mlのスクロース中密度
を有する、請求項1から5のいずれかに記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項7】
RNAを含む、請求項1から6のいずれかに記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項8】
RNAがmRNA及び/又はmiRNAである、請求項7に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項9】
微粒子が、hsa-miR-1246、hsa-miR-4492、hsa-miR-4488及びhsa-miR-4532の1種、2種、3種又は4種を含む、請求項8に記載の神経幹細胞微粒子。
【請求項10】
(a)セラミド、コレステロール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール及び/若しくはホスファチジルコリンから選択される脂質、
(b)任意選択で、hsa-let-7g、hsa-miR-101、hsa-miR-10a、hsa-miR-10b、hsa-miR-126、hsa-miR-128、hsa-miR-129-5p、hsa-miR-130a、hsa-miR-134、hsa-miR-137、hsa-miR-155、hsa-miR-15a、hsa-miR-15b、hsa-miR-16、hsa-miR-17、hsa-miR-182、hsa-miR-183、hsa-miR-185、hsa-miR-18b、hsa-miR-192、hsa-miR-194、hsa-miR-195、hsa-miR-20a、hsa-miR-20b、hsa-miR-210、hsa-miR-218、hsa-miR-301a、hsa-miR-302a、hsa-miR-302c、hsa-miR-345、hsa-miR-375、hsa-miR-378、hsa-miR-7、hsa-miR-9、hsa-miR-93、hsa-miR-96、及びhsa-miR-99aから選択される、miRNA、
(c)任意選択でCD63、CD81、CD9、CD53、CD82及び/若しくはCD37から選択される、テトラスパニン、
(d)TSG101、Alix、CD109及び/若しくはthy-1、並びに/又は
(e)CD133
の1種以上を含む、請求項1から9のいずれかに記載の神経幹細胞微粒子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、幹細胞微粒子、その使用及び製造に関し、具体的には神経幹細胞微粒子及びその治療における使用に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
幹細胞は、自己複製能力及び機能的に異なる細胞型に分化する能力を有する。成長分野である再生医療において、具体的には組織の置換、再生又は修復を必要とする再生治療において、幹細胞は強力なツールであるという可能性を有する(Banerjee他、2011)。しかしながら、治療における幹細胞の使用には以下の欠点がある:機能的安定性及び表現型安定性を有し、細胞の生成、貯蔵、輸送及び扱いに起因して関連のコストが高くかつ時間がかかる幹細胞を一貫して十分に供給する必要がある;受容者による幹細胞の拒絶反応を避けるために免疫学的適合性が要求される;並びに、腫瘍又は異所性組織形成の潜在的安全性リスクに関する複雑な規制問題がある。更に、幹細胞移植の治療効果にもかかわらず、例えば生着及び修復細胞又は置換細胞への分化による、移植した幹細胞の長期にわたる直接的な効果に関する説得力のある証拠はない。
【0003】
神経幹細胞(NSC)は自己複製しており、神経、星状膠細胞及び乏突起膠細胞を生成する多能性幹細胞である(Kornblum、2007)。神経幹細胞の医療的可能性については十分に実証されている。損傷を受けた中枢神経系(CNS)組織の再生能は非常に限られており、その結果、神経機能がしばしば慢性的に及び進行的に喪失する。神経幹細胞(NSC)は、神経系の損壊又は疾患の幹細胞に基づく治療において有望な結果を示している(Einstein他、2008)。卒中後の動物の脳内への神経幹細胞(NSC)のインプラントにより、その後の運動試験及び認知試験において有意の回復が示されている(Stroemer他、2009)。損傷を受けた組織の機能をNSCがどのようにして回復させることができるかは完全には理解されていないが、細胞分化に適切な部位、血管新生前活性及び神経栄養性活性、並びに天然の免疫系及び他の宿主細胞による、組織修復を促進する免疫調節等の多様な修復特性をNSCが有することが現在では次第に理解されるようになっている(Miljan & Sinden、2009、Horie他、2011)。これらの効果の多くは、インプラントした神経幹細胞から宿主環境(host milieu)への一時的なシグナル伝達に依存しており、例えば虚血性の筋肉組織損傷にインプラントされた場合に、NSCは、治癒及び修復を促進するために天然の血管新生促進性及び調節性の免疫応答を導く及び増幅する炎症誘発性マーカーを一時的に発現し得る(Hicks他、未発表データ)。慢性的卒中の脳では、NSCは実質的な神経栄養効果も有する。例えば、NSCは、宿主の脳由来のダブルコルチン陽性神経芽細胞(neroblast)により、卒中によって損傷を受けた線条体脳組織の再増殖を促進する(Hassani、O'Reilly、Pearse、Stroemer他、PLoS One. 2012;7(11))。
更に、障害のある卒中患者の「CTX0E03」条件的不死化皮質由来の神経幹細胞を使用して該患者の処置を試験するために、慢性的卒中を有する動物モデルにおける大きなNSC回復効果に基づいて、ReNeuron Limited(Surrey、イギリス)により、神経幹細胞を使用する臨床試験が行われている最中である(Clinicaltrials.gov識別番号:NCT01151124)。
【0004】
間葉系幹細胞(MSC)は、間葉系細胞型のみに、即ち脂肪細胞系統、軟骨細胞系統及び骨細胞系統に分化する可能性を有する、系統制限された幹細胞である(Pittenger他、1999;Ding他、2011)。MSC(間葉系間質細胞及び間葉系前駆細胞とも称される)は、骨髄、血液、脂肪及び他の体細胞組織等の様々な起源に由来する。しかしながら、MSCの治療的可能性は、未分化細胞としてのMSCの血管新生促進特性及び免疫調節特性の利用に対してより多く向けられている。ヒトMSCの産生は、その細胞が約15から20回の集団倍加を超えて安定して数を増大させることができないことにより制限されている。
【0005】
間葉系幹細胞の条件培地(MSC-CM)はMSC自体の治療効果と同様の治療効果を有し、MSCに基づく治療に関するパラクリン機構を示唆する(Timmers他、2007)。WO-A-2009/105044は、MSCにより分泌される、エキソソームとして知られる粒子がMSCの少なくとも1種の生物学的特性を含むことを開示し、そのMSC粒子の治療における使用を示唆し、更にThery他、2011は、エキソソーム及び他の同様に分泌された小胞を一般的に概説する。治療薬として幹細胞を直接使用することに関するいくつかの欠点が間葉系幹細胞由来のエキソソームを使用することにより克服される(例えば貯蔵、輸送及び扱い)が、エキソソームを産生するために機能的に及び表現型的に安定である幹細胞を一貫して十分に供給するという問題が依然としてある。治療に使用するために、好ましくはエキソソームを大規模に産生する必要がある。細胞株がない場合には、幹細胞の起源からの再貯留による細胞の補充が必要であり、このことにより、各新規のバッチの試験及び確認のためのコストが繰り返し発生する。更に、MSCにより処置され得る疾患及び障害が限定される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
幹細胞に基づく治療の改善の必要性が依然として残されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、神経幹細胞が治療上有用な微粒子を含有するという驚くべき知見に基づく。
【0008】
成分の培養培地への添加により、低酸素条件下での幹細胞の培養により又は他の細胞型との共培養により、幹細胞による微粒子の産生を変化させることができ、それにより幹細胞微粒子の製造方法が改善されることも発見した。
【0009】
本発明の第1の態様は神経幹細胞微粒子を提供する。微粒子は、エキソソーム、微小胞、膜粒子、膜小胞、エキソソーム様小胞、エクトソーム様小胞、エクトソーム又はエキソベシクル(exovesicle)であることができる。典型的には、微粒子はエキソソームである。微粒子は、幹細胞の分化が可能な環境下で培養された神経幹細胞に由来することができる。微粒子は、部分的に分化した神経幹細胞から単離することができる。一実施形態では、幹細胞の分化が可能な環境は多区画のバイオリアクタであり、典型的には細胞が7日を超えて培養される多区画のバイオリアクタである。微粒子は神経幹細胞株に由来することができる。いくつかの実施形態では、神経幹細胞株は、「CTX0E03」細胞株、「STR0C05」細胞株、「HPC0A07」細胞株、又はMiljan他、Stem Cells Dev. 2009に開示されている神経幹細胞株であることができる。いくつかの実施形態では、微粒子は、培養での維持に血清を必要としない幹細胞株に由来する。微粒子は、電子顕微鏡で決定した場合に30nm~1000nmの若しくは30~200nmの若しくは30~100nmのサイズ;及び/又は1.1~1.2g/mlのスクロース中密度を有することができる。微粒子はRNAを含むことができる。RNAは、mRNA、miRNA及び/又は任意の他の低分子RNAであることができる。微粒子は、hsa-miR-1246、hsa-miR-4492、hsa-miR-4488及びhsa-miR-4532の1種、2種、3種又は4種を含むことができる。微粒子は1種以上の脂質を含むことができ、典型的にはセラミド、コレステロール、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルコリンから選択される1種以上の脂質を含むことができる。微粒子は1種以上のテトラスパニンを含むことができ、典型的にはCD63、CD81、CD9、CD53、CD82及び/又はCD37を含むことができる。微粒子は、TSG101、Alix、CD109、thy-1及びCD133の1種以上を含むことができる。微粒子は、表19又は表21中に示されるタンパク質の少なくとも10種を含むことができる。微粒子は、神経幹細胞又は神経幹細胞の条件培地の少なくとも1種の生物学的活性を含むことができる。少なくとも1種の生物学的活性は組織再生活性であることができる。本発明の粒子は典型的には単離されている、又は精製されている。
【0010】
本発明の第2の態様は、治療に使用するための神経幹細胞微粒子を提供する。治療は、組織の置換、再生又は修復を必要とする再生治療であることができ、例えば、治療は血管新生、神経新生及び/又は神経保護を必要とする。治療は、神経学的疾患、障害又は欠損に対するものであることができる。治療は、機能及び/又は認知の回復を改善することができる。治療は、卒中、末梢動脈性疾患、神経症、又は組織の再生、血行再建若しくは局所的な抗炎症作用を必要とする任意の他の疾患若しくは障害に対するものであることができ、任意の他の疾患又は障害として、
(i)神経学的障害、疾患又は欠損、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、卒中若しくはALS、
(ii)リソソーム蓄積症、
(iii)心血管障害、例えば心筋梗塞、うっ血性心不全、末梢動脈性疾患、糖尿病性潰瘍、創傷治癒、
(iv)特発性肺線維症、呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺高血圧症、嚢胞性線維症及び喘息を含む肺の疾患、
(v)代謝性又は炎症性障害、例えば糖尿病(I若しくはII型)、関節リウマチ、変形性関節症、ループス、クローン病、過敏性腸疾患又は移植片対宿主病、
(vi)精神障害、例えば鬱病、双極性障害、統合失調症、又は自閉症候群障害、例えば自閉症、アスペルガー症候群若しくはレット症候群、
(vii)失明を引き起こす網膜の疾患、例えば加齢性黄斑変性、シュタルガルト病、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、並びに
(viii)脱髄性疾患、例えば多発性硬化症、脳性麻痺、橋中心髄鞘崩壊症、脊髄ろう、横断性脊髄炎、デビック病、進行性多巣性白質脳症、視神経炎、白質萎縮症、ギラン・バレー症候群、抗MAG末梢神経障害及びシャルコー・マリー・トゥース病
が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

マグネデザイン株式会社
磁気顕微鏡
1か月前
池田食研株式会社
RNAの合成方法
22日前
東洋紡株式会社
逆転写反応用組成物
2か月前
株式会社ブラスト
細胞培養装置
2か月前
岐阜県
乳酸菌及び発酵物
1か月前
株式会社土と野菜
発酵促進装置
1か月前
花王株式会社
培養挙動予測方法
7日前
株式会社ブラスト
密閉チャンバー
2か月前
学校法人 創価大学
炭酸ガス溶解装置
1か月前
日本バイリーン株式会社
二酸化炭素吸収装置
26日前
国立大学法人 東京大学
ゲノム編集技術
3か月前
花王株式会社
発酵生産プロセス支援方法
7日前
合同会社陶徳堂研究所
改良シャーレ
1か月前
個人
非ゲノム配列抗ウイルス用オリゴヌクレオチド
1か月前
学校法人立命館
紐状構造物の製造方法
2か月前
個人
果実酒の製造方法とアルコール含有果実
1か月前
相生ユニビオ株式会社
ウイスキーの製造方法
2か月前
小林製薬株式会社
黒ずみ形成方法
2か月前
長谷川香料株式会社
アルコール飲料用香味改善組成物
18日前
松谷化学工業株式会社
アルコール飲料及びその製造方法
2か月前
個人
急性ストレス評価用データの生成方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
7日前
国立大学法人東京海洋大学
熱処理リゾチーム組成物
2か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
株式会社東海ヒット
完全閉鎖型灌流液送液系
2か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
2か月前
三洋化成工業株式会社
培地及び培地を用いる細胞の培養方法
5日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
株式会社デンソー
バイオセンサ装置
3か月前
株式会社シェルタージャパン
藻類増殖制御装置
20日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
3か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
3か月前
株式会社ヤマザキエンジニアリング
製麹装置及び製麹方法
2か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
3か月前
学校法人 中央大学
ナノ粒子検出方法
3か月前
横河電機株式会社
核酸抽出方法
1か月前
続きを見る