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公開番号2024073190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022184273
出願日2022-11-17
発明の名称γ-アミノ酪酸の製造方法
出願人カゴメ株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 15/60 20060101AFI20240522BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】グルタミン酸デカルボキシラーゼを用いて、効率的にL-グルタミン酸からGABAを製造する。
【解決手段】Lactiplantibacillus属、Lactobacillus属、Lacticaseibacillus属、Latilactobacillus属、Ligilactobacillus属、Limosilactobacillus属、Levilactobacillus属、Fructilactobacillus属又はApilactobacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼをL-グルタミン酸と反応させ、γ-アミノ酪酸を生成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Lactiplantibacillus属、Lactobacillus属、Lacticaseibacillus属、Latilactobacillus属、Ligilactobacillus属、Limosilactobacillus属、Levilactobacillus属、Fructilactobacillus属又はApilactobacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼをL-グルタミン酸と反応させる工程を含む、γ-アミノ酪酸の製造方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
Lactiplantibacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼをL-グルタミン酸と反応させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼの至適pHが3.5~5.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼの至適温度が40~65℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、pH3.5~5.5の条件下で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、40~65℃の条件下で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、ピリドキサール5’-リン酸濃度が0.2mM未満の条件下で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼがGadB

である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列が、配列番号4で示されるアミノ酸配列又は配列番号4と75%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記グルタミン酸デカルボキシラーゼが4量体である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、γ-アミノ酪酸を製造する方法、及びγ-アミノ酪酸を含む組成物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
γ-アミノ酪酸(GABA)は、生物界に広く分布する非タンパク質アミノ酸で、高等動物においては、抗高血圧作用、抗不安作用、精神安定作用、利尿作用、抗糖尿作用など様々な重要な生理機能を有することが報告されている(非特許文献1~4)。近年、GABAを含むサプリメントや飲料などの健康食品が多く製造されている(非特許文献5~6)。
【0003】
GABAは、食品では玄米等や一部の野菜や果実等に含まれているが、含有量は微量であり、通常の摂取量では、上記生理機能を奏するのに十分な量は得られない。GABAは、L-グルタミン酸から、乳酸菌等の微生物に含まれるグルタミン酸デカルボキシラーゼを介した不可逆的α-脱炭酸によって生成することができることから、食品産業においては、乳酸菌等による発酵によってGABAを高濃度化する手法がとられてきた(特許文献1~3、非特許文献7)。グルタミン酸を多く含む発酵原料として、トマト果実やその処理物(トマト加工品等)が用いられている。しかし、発酵食品は、GABAのみでなく、副生成物として、乳酸、酢酸等の有機酸やジアセチル等の香気成分が生成されることから、食品産業への応用には香味面で制約があった。
【0004】
微生物から精製されたグルタミン酸デカルボキシラーゼを用いて、L-グルタミン酸からGABAを生成できることが知られるが、現在のところ、精製された酵素として食品製造の現場で実用化されたものは報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-060990号公報
特開2007-289008号公報
特開2020-058309号公報
【非特許文献】
【0006】
Pouliot-Mathieu, K., et al., PharmaNutrition, Vol. 1, pp. 141-148 (2013)
Parkash, J. and Kaur, G., Brain Res. Bull., Vol. 74, pp. 317-328 (2007)
Dongoh, H., et al., J. Microbiol. Biotechnol., Vol. 17, pp. 1661-1669 (2007)
Wong, C. G. T., et al., Ann. Neurol., Vol. 54, pp. 3-12 (2003)
Jeng, K. C., J. Agric. Food Chem., Vol. 55, pp. 8787-8792 (2007)
Chiu, T. H., et al., Soc. Chem. Ind., Vol. 93, pp. 859-866 (2012)
Nakatani Y., et al., Microbiol. Resour, Ann. 8, 29 (2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、グルタミン酸デカルボキシラーゼを用いて、効率的にL-グルタミン酸からγ-アミノ酪酸を製造する方法、及び、該方法を用いて組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下を包含する。
(1)Lactiplantibacillus属、Lactobacillus属、Lacticaseibacillus属、Latilactobacillus属、Ligilactobacillus属、Limosilactobacillus属、Levilactobacillus属、Fructilactobacillus属又はApilactobacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼをL-グルタミン酸と反応させる工程を含む、γ-アミノ酪酸の製造方法。
(2)Lactiplantibacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼをL-グルタミン酸と反応させる工程を含む、(1)に記載の方法。
(3)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼの至適pHが3.5~5.5である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼの至適温度が40~65℃である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、pH3.5~5.5の条件下で接触させる、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、40~65℃の条件下で接触させる、(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼとL-グルタミン酸とを、ピリドキサール5’-リン酸濃度が0.2mM未満の条件下で接触させる、(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼがGadB

である、(1)~(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列が、配列番号4で示されるアミノ酸配列又は配列番号4と75%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、(8)に記載の方法。
(10)前記グルタミン酸デカルボキシラーゼが4量体である、(9)に記載の方法。
(11)前記L-グルタミン酸が、野菜又は果実に由来するものを含有する、(1)~(10)のいずれかに記載の方法。
(12)配列番号4で示されるアミノ酸配列又は配列番号4と75%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、グルタミン酸デカルボキシラーゼ。
(13)4量体である、(12)に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ。
(14)グルタミン酸デカルボキシラーゼをコードする核酸であって、配列番号4で示されるアミノ酸配列又は配列番号4と75%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む、核酸。
(15)(14)に記載の核酸を含む、形質転換体。
(16)(14)に記載の核酸を含む、発現ベクター。
(17)Lactiplantibacillus属、Lactobacillus属、Lacticaseibacillus属、Latilactobacillus属、Ligilactobacillus属、Limosilactobacillus属、Levilactobacillus属、Fructilactobacillus属又はApilactobacillus属細菌由来のグルタミン酸デカルボキシラーゼを用いて、L-グルタミン酸からγ-アミノ酪酸を生成する工程を含む、γ-アミノ酪酸を含む組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、グルタミン酸デカルボキシラーゼを用いて、効率的にL-グルタミン酸からγ-アミノ酪酸を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
精製した組換えGADのSDS-PAGEの結果を示す写真である。クーマシーブルーで染色した電気泳動後の12%(w/v)SDS-PAGEゲルを示す。Mのレーンは、タンパク質分子量マーカー、1のレーンは、精製した組換えGadB

、2のレーンは精製した組換えGadB

である。
GADの酵素活性とpHとの関係を示すグラフである。塗りつぶしたマーカーはGadB

、塗りつぶされていないマーカーはGadB

の酵素活性を示す。pH2.5はグリシン-HCl緩衝液(■:GadB

、□:GadB

)、pH3.0~3.5は、クエン酸ナトリウム緩衝液(▲:GadB

、△:GadB

)、pH4.0~5.5は酢酸ナトリウム緩衝液(●:GadB

、〇:GadB

)、pH6.0~6.5はリン酸カリウム緩衝液(菱形)を使用した。測定はn=3で行い、平均値を算出した。図中のエラーバーは標準偏差を示す。
GADの酵素活性と温度の関係を示すグラフである。●は、GadB

、〇はGadB

の酵素活性を示す。GadB

は、0.2mM PLPを含む200mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.0)中で、50mMのMSGと反応させた。GadB

は、0.2mM PLPを含む200mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.5)中で、50mMのMSGと反応させた。測定はn=3で行い、平均値を算出した。図中のエラーバーは標準偏差を示す。
GADの酵素活性とPLP濃度の関係を示すグラフである。●は、GadB

、〇はGadB

の酵素活性を示す。GadB

は、200mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.0)中で、50mMのMSGと反応させた。GadB

は、200mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.5)中で、50mMのMSGと反応させた。測定はn=3で行い、平均値を算出した。図中のエラーバーは標準偏差を示す。
KB1253株由来のGadB

及びGadB

、並びに既報のGadB

及びGadB

のアミノ酸配列のアラインメントである。図中、「*」は、アミノ酸残基が一致する位置、「:」は強い関連性のあるアミノ酸残基の位置、「.」は弱い関連性のあるアミノ酸残基の位置を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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