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公開番号2024064435
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2022173020
出願日2022-10-28
発明の名称樹脂組成物、樹脂組成物の硬化膜及びその製造方法、絶縁膜、保護膜、並びに、電子部品
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 79/08 20060101AFI20240507BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた機械的強度を有する硬化膜を形成可能でありながら、凹凸埋込性に優れた樹脂組成物、当該樹脂組成物の硬化膜及びその製造方法、並びに、前記樹脂組成物の硬化膜を用いた絶縁膜及び保護膜、これらを含む電子部品を提供する。
【解決手段】ポリイミド樹脂、20℃における飽和蒸気圧が0.5kPa以下の有機溶剤、及びエポキシ化合物を含有し、特定の評価法により測定される硬化膜の引張弾性率が4.5GPa以上となる樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリイミド樹脂、20℃における飽和蒸気圧が0.5kPa以下の有機溶剤、及びエポキシ化合物を含有し、下記評価法により測定される硬化膜の引張弾性率が4.5GPa以上となる樹脂組成物。
[評価法]
樹脂組成物を、ガラス基板にポリイミドフィルム(UBE株式会社製、ユーピレックス(登録商標)125S、[5,5’-ビイソベンゾフラン]-1,1’,3,3’-テトラオン・1,4-フェニレンジアミン重縮合物)を貼り付けた基板上にスピンコートする。スピンコートの条件は最終的に得られる樹脂組成物の硬化膜の膜厚が40μm±5μmになるように調整する。樹脂組成物をスピンコート後、基板ごとホットプレート上で40℃で8分加熱後、80℃で8分加熱後、130℃で8分加熱して溶媒を乾燥する。乾燥後、基板ごとオーブンに投入し、大気下で200℃で1時間加熱して、25℃まで放冷後、基板から樹脂組成物の硬化膜を剥離することにより、硬化膜を作製する。
幅10mm×長さ150mmの大きさに切り出した前記硬化膜の試験片を用いて、引張り試験機により、25℃で、延伸速度を50mm/分、つかみ具間距離を100mmとして引張弾性率を測定する。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記ポリイミド樹脂が、下記一般式(PI)で表される構成単位を含み、
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2024064435000014.tif
43
161
(一般式(PI)において、Aは芳香族環又は脂肪族環を有するテトラカルボン酸残基である4価の基を表し、Bは、芳香族環又は脂肪族環を有するジアミン残基である2価の基を表す。)
前記テトラカルボン酸残基として、下記式(a-1)で表されるテトラカルボン酸残基及び下記式(a-2)で表されるテトラカルボン酸残基を含み、下記式(a-3)で表されるテトラカルボン酸残基を含んでもよく、
前記ジアミン残基として、下記式(b-1)で表されるジアミン残基を含み、下記式(b-2)~(b-6)で表されるジアミン残基からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン残基を含んでもよく、
全テトラカルボン酸残基中、下記式(a-1)で表されるテトラカルボン酸残基の含有割合は30モル%~95モル%であり、下記式(a-2)で表されるテトラカルボン酸残基の含有割合は5モル%~40モル%であり、下記式(a-3)で表されるテトラカルボン酸残基の含有割合は0モル%~35モル%であり、
全ジアミン残基中、下記式(b-1)で表されるジアミン残基の含有割合は50モル%~100モル%であり、下記式(b-2)~(b-6)で表されるジアミン残基からなる群から選択される少なくとも1種のジアミン残基の含有割合は0モル%~50モル%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
JPEG
2024064435000015.jpg
178
164
(式(a-1)~式(a-3)及び式(b-1)~式(b-6)中、*は結合手を示す。)
【請求項3】
前記有機溶剤以外の固形分を7~13質量%としたときに、25℃で粘度が3,000mPa・s~7,000mPa・sとなる、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ化合物が、1分子中に3つ以上のエポキシ基を有し、且つグリシジルアミン部位を有するエポキシ化合物を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記20℃における飽和蒸気圧が0.5kPa以下の有機溶媒が、N,N-ジメチルアセトアミド、酢酸ベンジル、γ-ブチロラクトン、及びイソホロンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥することにより塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を加熱することにより、硬化膜を形成する工程を有する、硬化膜の製造方法。
【請求項7】
前記塗膜を加熱する温度が、150℃以上240℃以下である、請求項6に記載の硬化膜の製造方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物を硬化した、硬化膜。
【請求項9】
100℃~150℃における線熱膨張係数が40ppm/℃以下である、請求項8に記載の硬化膜。
【請求項10】
請求項8に記載の硬化膜を用いて作製された絶縁膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド樹脂を含む樹脂組成物、樹脂組成物の硬化膜及びその製造方法、絶縁膜、保護膜、並びに、電子部品に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子部品は小型化、薄型化、軽量化が急激に進行し、これに伴い半導体装置も高集積化及び小型化が進んでいる。このような小型化、高集積化に対応する半導体装置として、ウエハレベルパッケージング(WLP)、インターポーザーを使用した2.5次元集積回路(2.5D IC)、ウエハを薄くし得られたダイを積層してシリコン貫通電極(TSV)によって接続した3次元集積回路(3D IC)等の開発が進んでいる。これらの手法は、これらの装置に使用する材料にとっても大きな課題をもたらす。
【0003】
従来、電子部品の絶縁材料、半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気絶縁性、及び機械的特性を併せ持つポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノール樹脂等が用いられている。ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの縮合反応により得られたポリアミド酸を脱水閉環反応させて得られる樹脂である。
しかしながら、従来のポリイミド樹脂は、硬化温度が高く、硬化後の収縮が大きいという欠点を有している。硬化後の収縮が大きいと、ポリイミド樹脂の硬化膜は残留応力が大きくなり、そのためシリコンウエハ等半導体基板の湾曲を引き起こす。例えば3次元集積回路に用いられる次世代のチップ構成では、垂直に集積するための要件を満たすために、最先端の用途においてシリコンウエハを20μm等と薄くする必要がある。この薄いウエハは極端に脆く、使用されるパッケージング材料における過剰な残留応力は非常に有害なものとなる。従って、先端的なウェハレベルパッケージ等の新しい半導体パッケージ技術に必要なパッケージング材料には、硬化温度が低いこと及び硬化後の収縮が小さいことが重要な要件である。
【0004】
新しい半導体パッケージ技術に必要なパッケージング材料に求められる、低温硬化性、低線熱膨張係数、環境及び半導体にやさしい溶媒に可溶等の要件を満たすポリイミド樹脂として、特許文献1には、インダン骨格を持つジアミンを用いたポリイミド樹脂が開示されている。
【0005】
一方で、特許文献2には、無水トリメリット酸クロリドと2,2’,3,3’5,5’-ヘキサメチル-ビフェニル-4,4’-ジオールとを反応させて得られたテトラカルボン酸二無水物と、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンとを反応させたポリイミド、及び当該ポリイミドの硬化膜が記載されている。
【0006】
また、電子部品の製造においては、金属配線などの段差を有する基板上に、平坦な樹脂膜を形成することが求められる場合がある。
特許文献3には、エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、感光剤とを含み、前記エポキシ樹脂100質量部に対する前記フェノキシ樹脂の量は20~60質量部である、平坦化膜形成用の感光性樹脂組成物が記載されている。特許文献3によれば、単独で平坦な樹脂膜を形成可能であり、側面が垂直形状または順テーパー形状である貫通孔を形成できる樹脂膜を提供可能であると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6467433号公報
特許第6165153号公報
国際公開2020/203648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年さらに、例えば、InFO(Integrated Fan-Out)ウエハレベルパッケージング技術が開発されてきている。当該パッケージング技術は、従来の半導体パッケージにおけるパッケージ基板を高密度の再配線層に置き換えた技術であるため、樹脂基板を含まず、材料コスト削減と、薄膜化、省電力化、処理速度の向上を達成可能である。当該パッケージング技術は、2.5次元パッケージや、PoP(パッケージ・オン・パッケージ)として多く利用されており、InFOウエハレベルパッケージを積層する技術も開発されてきている。
当該パッケージング技術はパッケージ基板を含まず、高密度の再配線層が積層され得る。そのため、高密度の再配線層の材料には、より優れた機械的強度が求められている。さらに、高密度の再配線層の材料には、配線の凹凸を埋め込むような凹凸埋込性に優れることも求められる。
しかしながら、より優れた機械的強度を有する材料は凹凸埋込性が悪く、優れた機械的強度と凹凸埋込性の両立は困難な課題であった。
【0009】
特許文献3の材料では、機械的強度が不十分である。
特許文献2のポリイミドは、ガラス基板に代替する基板を得ることを目的として、優れた透明性を有し、高い耐熱性及び低い線熱膨張係数を併せ持ち、低吸湿性溶媒による溶媒加工性(優れた溶解性と製膜性)を示す、と記載されている。しかしながら、特許文献2に記載されているポリイミドでは、後述する比較例にも示したように、凹凸埋込性が悪いという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、優れた機械的強度を有する硬化膜を形成可能でありながら、凹凸埋込性に優れた樹脂組成物、当該樹脂組成物の硬化膜及びその製造方法、並びに、前記樹脂組成物の硬化膜を用いた絶縁膜及び保護膜、これらを含む電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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