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公開番号
2024062949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-10
出願番号
2023175847
出願日
2023-10-11
発明の名称
成形体
出願人
キヤノン株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C08L
75/04 20060101AFI20240501BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低圧縮永久歪みで低硬度、かつ導電性を有する成形体。
【解決手段】ポリウレタンエラストマーと導電性フィラーとを含む成形体であって、該ポリウレタンエラストマーは、特定の第1の構造を含むマトリックスと該マトリックスに分散したドメインとを有し、該ドメインは、該第1の構造とは異なる第2の構造を含み、該導電性フィラーは該マトリックス中に偏在しており、該成形体の断面の走査型プローブ顕微鏡による粘弾性像において測定される、該ドメインの粘弾性項を示すパラメータAと該マトリックスの粘弾性項を示すパラメータBとの関係がA<Bであり、該成形体における該導電性フィラーの含有率が、0.02~5.0質量%であり、該成形体の体積抵抗率が、1.0×10
9
Ω・cm以下であり、該成形体のヤング率が、0.5~4.0MPaである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリウレタンエラストマーと該ポリウレタンエラストマーに含まれている導電性フィラーとを含む成形体であって、
該ポリウレタンエラストマーは、下記式(1)で示される第1の構造を含むマトリックスと、該マトリックスに分散したドメインとを有し、
該ドメインは、該第1の構造とは異なる第2の構造を含み、
該導電性フィラーは、該マトリックス中に偏在しており、
該成形体の、該ドメインと該マトリックスとが露出してなる断面の、走査型プローブ顕微鏡による粘弾性像において測定される、該ドメインの粘弾性項を示すパラメータAと、該マトリックスの粘弾性項を示すパラメータBと、の関係がA<Bであり、
該成形体における該導電性フィラーの含有率が、0.02~5.0質量%であり、
該成形体の体積抵抗率が、1.0×10
9
Ω・cm以下であり、
該成形体のヤング率が、0.5~4.0MPaである、ことを特徴とする成形体:
TIFF
2024062949000011.tif
22
153
(式(1)中、R
1
は、炭素数3~12のアルキレン基を示す。)。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記R
1
が、炭素数3~9のアルキレン基である請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
前記第2の構造が、下記式(2)で表される請求項1に記載の成形体:
TIFF
2024062949000012.tif
15
153
(式(2)中、R
2
は、炭素数3~6のアルキレン基を示す。)。
【請求項4】
前記R
2
が、炭素数3~5の分岐構造を含有するアルキレン基である請求項3に記載の成形体。
【請求項5】
前記断面において観察される、30μm×30μmの観察領域当たりの前記導電性フィラーの全面積を含有量Cとし、該観察領域における前記マトリックスに含まれる前記導電性フィラーの全面積を含有量Dとしたとき、
該含有量Dの該含有量Cに対する比の値D/Cが、D/C≧0.80である、請求項1~4のいずれか1項に記載の成形体。
【請求項6】
前記導電性フィラーが、カーボンブラックである請求項1~4のいずれか1項に記載の成形体。
【請求項7】
前記断面に50μm×50μmの観察領域をおいて観察される、前記マトリックスの前記ドメインに対する面積比率(マトリックス/ドメイン)が、50/50~85/15である請求項1~4のいずれか1項に記載の成形体。
【請求項8】
前記断面において観察される前記ドメインの円相当径の算術平均値が、0.2~30.
0μmである請求項1~4のいずれか1項に記載の成形体。
【請求項9】
前記成形体の動的粘弾性測定により得られる温度-損失正接(tanδ)曲線において、-80~+20℃の温度範囲で観察されるガラス転移によるピークが少なくとも2つ以上ある請求項1~4のいずれか1項に記載の成形体。
【請求項10】
前記ガラス転移によるピークのうち、少なくとも1つが-50℃以下の温度範囲で観察され、少なくとも1つが-40℃以上の温度範囲で観察される請求項9に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリウレタンエラストマーと該ポリウレタンエラストマー中に含まれている導電性フィラーとを含む成形体に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
部材の変形や部材に作用する荷重の大きさや分布を検出するためのセンサーや電子写真用部材などの用途において、導電性を有するエラストマー材料(導電性エラストマー)の使用が提案されている。このような用途における導電性エラストマーでは、柔軟性(低硬度)のみならず、外力によって生じる圧縮歪み等の変形に対して、素早く回復する特性(低圧縮永久歪み)が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シリコーンゴムとイソプレンゴムとからなるブレンドゴムに対して25~55容量%の導電性フィラーを含有する導電性エラストマーが開示されている。
また、特許文献2には、ポリウレタンエラストマーと、導電性フィラーとを含有する導電性エラストマーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平02-196836号公報
特開2014-228597号公報
【非特許文献】
【0005】
IEEE Transactions on SYSTEMS, MAN, AND CYBERNETICS, Vol. SMC-9, No. 1, January 1979, pp. 62-66
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る導電性エラストマーは、低硬度ではあるものの、多量の導電性フィラーを添加しているため、低圧縮永久歪みの実現に課題があることがわかった。
また、特許文献2に係る導電性エラストマーについても、低硬度と低圧縮永久歪みがトレードオフの関係にあるため、その両立に課題があることがわかった。
【0007】
本開示は、低圧縮永久歪みで低硬度、かつ、導電性を有する成形体の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、ポリウレタンエラストマーと該ポリウレタンエラストマーに含まれている導電性フィラーとを含む成形体であって、
該ポリウレタンエラストマーは、下記式(1)で示される第1の構造を含むマトリックスと、該マトリックスに分散したドメインとを有し、
該ドメインは、該第1の構造とは異なる第2の構造を含み、
該導電性フィラーは、該マトリックス中に偏在しており、
該成形体の、該ドメインと該マトリックスとが露出してなる断面の、走査型プローブ顕微鏡による粘弾性像において測定される、該ドメインの粘弾性項を示すパラメータAと、該マトリックスの粘弾性項を示すパラメータBと、の関係がA<Bであり、
該成形体における該導電性フィラーの含有率が、0.02~5.0質量%であり、
該成形体の体積抵抗率が、1.0×10
9
Ω・cm以下であり、
該成形体のヤング率が、0.5~4.0MPaである成形体が提供される。
(下記式(1)中、R
1
は、炭素数3~12のアルキレン基を示す。)
TIFF
2024062949000002.tif
22
153
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、低圧縮永久歪みで低硬度、かつ、導電性を有する成形体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示に係る成形体の製造方法を表す模式図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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