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公開番号2024061391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022169314
出願日2022-10-21
発明の名称液晶ポリマーおよび成形品
出願人ENEOS株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 63/60 20060101AFI20240425BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐熱性および誘電特性に優れた成形品が得られる液晶ポリマーの提供。
【解決手段】本発明による液晶ポリマーは、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)と、ジオールに由来する構成単位(II)と、ジカルボン酸に由来する構成単位(III)とを含むものであって、前記構成単位(I)が、ナフタレン骨格を有するヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(IA)を含み、前記構成単位(III)が、脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位(IIIA)を含み、前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IA)の組成比(モル%)が、下記の条件:25モル%≦構成単位(IA)≦80モル%を満たすことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)と、
ジオールに由来する構成単位(II)と、
ジカルボン酸に由来する構成単位(III)と、
を含む液晶ポリマーであって、
前記構成単位(I)が、ナフタレン骨格を有するヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(IA)を含み、
前記構成単位(III)が、脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位(IIIA)を含み、
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
25モル%≦構成単位(IA)≦80モル%
を満たすことを特徴とする、液晶ポリマー。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)<40モル%
を満たす、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項3】
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)≦25モル%
を満たす、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項4】
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)≦15モル%
を満たす、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項5】
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
25モル%≦構成単位(IA)≦70モル%
を満たす、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項6】
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(II)の組成比(モル%)が、下記の条件:
10モル%≦構成単位(II)≦40モル%
を満たす、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項7】
前記構成単位(IA)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位を含む、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項8】
前記構成単位(IIIA)が、1,4-シクロへキサンジカルボン酸に由来する構成単位を含む、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項9】
前記構成単位(III)が、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(IIIB)をさらに含む、請求項1に記載の液晶ポリマー。
【請求項10】
前記芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(IIIB)が、テレフタル酸に由来する構成単位およびイソフタル酸に由来する構成単位の少なくとも1種を含む、請求項9に記載の液晶ポリマー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリマーに関し、より詳細には、耐熱性および誘電特性に優れた液晶ポリマーに関する。また、本発明は、該液晶ポリマーを含む成形品に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ポリマーは成形性や耐熱性に優れているため、液晶ポリマーを使用して製造した成形品(例えば、射出成形品)は、各種電子部品に用いられている。近年、通信分野における情報通信量の増加に伴い、電子機器や通信機器等において高周波数帯の周波数を有する信号の使用が増加しており、特に、周波数が10

Hz以上であるギガヘルツ(GHz)帯の周波数を有する信号の使用が盛んに行われている。しかしながら、使用される信号の周波数が高くなるに伴い、デバイスを経由する信号の送受信においてリスクが生じる。最も代表的なものは、情報の誤認識を招きうる出力信号の品質低下、すなわち、伝送損失の増大である。このリスク低減の対応法として、比誘電率と誘電正接がともに小さい「低誘電材料」を絶縁体に採用することが知られている。液晶ポリマーはエンジニアリングプラスチックスのなかでもGHz帯での比誘電率と誘電正接が小さく優れているためこの目的で液晶ポリマーの使用が拡大している。
誘電正接と伝送損失は比例関係にあり、誘電正接を低下させることで伝送損失を効果的に抑制できるが、他の観点におけるデバイスへのメリットは小さい。一方、比誘電率の低下を実現することは複数の観点でデバイス設計にメリットをもたらせる。絶縁体の比誘電率を低下させることができれば、例えば、上記の伝送損失低減効果に加え、信号の伝送遅延低減とデバイス間のインピーダンスマッチングの容易化(回路設計の自由度の向上)など複数のメリットが得られる。理想的に言えば、高周波デバイス用途に使用される液晶ポリマーをはじめとする絶縁体には比誘電率・誘電正接の両方の低下が望まれるが、部材として前提条件となる機械物性や耐熱性などの基本特性を維持した状態での実現は技術ハードルが高い。そのため、現実的には、1)回路の基盤のような面積の大きい絶縁部材には誘電正接の低下が、2)コネクタなど面積が小さいものやデバイス間の接続を担う絶縁体には比誘電率の低下が求められる傾向にある。この場合にも、他方の物性、つまり比誘電率の低下を狙う場合もできる限り誘電正接の値を低く保つことが要求される。
【0003】
例えば、特許文献1には、高い融点と比誘電率に優れる全芳香族液晶ポリエステルとして、芳香族ヒドロキシカルボン酸、置換基のついたかさ高い芳香族ジオールおよび芳香族ジカルボン酸由来の各構成単位を合わせて100モル%含み、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位がp-ヒドロキシ安息香酸(HBA)に由来する構成単位からなり、その構成比率が15モル%以上25モル%以下である全芳香族液晶ポリエステルが開示されている。
また、特許文献2には、耐熱性と誘電正接に優れる全芳香族液晶ポリエステルとして、p-ヒドロキシ安息香酸(HBA)に由来する構成単位、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(HNA)に由来する構成単位、4,4-ジヒドロキシビフェニルに由来する構成単位、およびテレフタル酸に由来する構成単位の4種を特定の組成比で含む全芳香族液晶ポリエステルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6470295号公報
特許第6530148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案される液晶ポリエステルは、成形部材として使用する観点での実用的な耐熱性と低い比誘電率の両立に向けた改善の余地がある。他方、特許文献2では耐熱性の高さと誘電正接の低下が報告されているが、比誘電率の低下に向けた改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、液晶ポリマーの種々の組成について検討した結果、液晶ポリマーに脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位を含有させた場合、比誘電率の値を低下させつつも、耐熱性を高く維持できることを見出した。しかしながら、液晶ポリマーに脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位を含有させたとしても、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構成単位としてp-ヒドロキシ安息香酸(HBA)に由来する構成単位のみが含まれる場合、誘電正接の値が上昇し、所望の特性が得られないことを知見した。
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、液晶ポリマーに、ナフタレン骨格を有するヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位および脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位の両方を含有させることで、耐熱性および誘電特性(誘電正接を低く維持した状態での誘電率の低下)に優れた成形品が得られる液晶ポリマーを実現できることを見出した。
【0008】
したがって、本発明の目的は、耐熱性および誘電特性(誘電正接を低く維持した状態での誘電率の低下)に優れた成形品が得られる液晶ポリマーを提供することである。また、本発明の他の目的は、この液晶ポリマーを含む成形品および該成形品を備える電気電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(I)と、
ジオールに由来する構成単位(II)と、
ジカルボン酸に由来する構成単位(III)と、
を含む液晶ポリマーであって、
前記構成単位(I)が、ナフタレン骨格を有するヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(IA)を含み、
前記構成単位(III)が、脂環式骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位(IIIA)を含み、
前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
25モル%≦構成単位(IA)≦80モル%
を満たすことを特徴とする、液晶ポリマー。
[2] 前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)<40モル%
を満たす、[1]に記載の液晶ポリマー。
[3] 前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)≦25モル%
を満たす、[1]に記載の液晶ポリマー。
[4] 前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IIIA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
0.1モル%≦構成単位(IIIA)≦15モル%
を満たす、[1]に記載の液晶ポリマー。
[5] 前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(IA)の組成比(モル%)が、下記の条件:
25モル%≦構成単位(IA)≦70モル%
を満たす、[1]~[4]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[6] 前記液晶ポリマーの全構成単位中、前記構成単位(II)の組成比(モル%)が、下記の条件:
10モル%≦構成単位(II)≦40モル%
を満たす、[1]~[5]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[7] 前記構成単位(IA)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[8] 前記構成単位(IIIA)が、1,4-シクロへキサンジカルボン酸に由来する構成単位を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[9] 前記構成単位(III)が、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(IIIB)をさらに含む、[1]~[8]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[10] 前記芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(IIIB)が、テレフタル酸に由来する構成単位およびイソフタル酸に由来する構成単位の少なくとも1種を含む、[9]に記載の液晶ポリマー。
[11] 前記構成単位(II)が、4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来する構成単位(IIA)を含む、[1]~[13]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[12] 前記液晶ポリマーが、2つの官能基を有する芳香族モノマーに由来する構成単位(IV)(但し、上記構成単位(I)~(III)を除く)をさらに含み、前記2つの官能基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基およびアミノ基からなる群から選択される2種である、[1]~[11]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[13] 前記2つの官能基を有する芳香族モノマーが、芳香族ヒドロキシモノアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選択される少なくとも1種である、[12]に記載の液晶ポリマー。
[14] 前記液晶ポリマーの荷重たわみ温度が、210℃以上である、[1]~[13]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[15] 前記液晶ポリマーの荷重たわみ温度が、250℃以上である、[1]~[13]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[16] スプリットポスト誘電体共振器法(23℃、湿度55%、測定周波数10GHz)によって測定した前記液晶ポリマーの誘電正接が、0.60×10
-2
以下である、[1]~[15]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[17] スプリットポスト誘電体共振器法(23℃、湿度55%、測定周波数10GHz)によって測定した前記液晶ポリマーの誘電正接が、0.40×10
-2
以下である、[1]~[15]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[18] スプリットポスト誘電体共振器法(23℃、湿度55%、測定周波数10GHz)によって測定した前記液晶ポリマーの比誘電率が、3.45以下である、[1]~[17]のいずれかに記載の液晶ポリマー。
[19] [1]~[18]のいずれかに記載の液晶ポリマーを含む、成形品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐熱性および誘電特性(誘電正接を低く維持した状態での誘電率の低下)に優れた成形品が得られる液晶ポリマーを実現することができる。このような成形品は、十分な機械特性を備えることもできる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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