TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024059416
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022167079
出願日2022-10-18
発明の名称メタノール製造方法およびメタノール製造装置
出願人日立造船株式会社
代理人弁理士法人河崎特許事務所
主分類C07C 29/152 20060101AFI20240423BHJP(有機化学)
要約【課題】膜反応器よりも製造が容易なメタノール製造装置を用いて、化学平衡を生成側にシフトさせながらメタノールを効率的に製造する。
【解決手段】二酸化炭素と水素を含む反応ガスからメタノールを合成する反応を促進する触媒を具備する2つ以上の反応部と、前記反応の生成物である水蒸気を前記反応ガスから分離する2つ以上の分離部と、を具備し、前記分離部は、非透過側の第1空間と、透過側の第2空間と、前記水蒸気を選択的に前記第1空間から前記第2空間に移動させる水蒸気分離膜と、前記水蒸気分離膜を透過させた前記水蒸気を外部へ導く水蒸気導出路と、を具備し、前記反応ガスが、前記反応部と前記分離部とを交互に流通して、化学平衡を生成側にシフトさせながらメタノールを生成および濃縮する、メタノール製造装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素と水素を含む反応ガスからメタノールを合成する反応を促進する触媒を具備する2つ以上の反応部と、
前記反応の生成物である水蒸気を前記反応ガスから分離する2つ以上の分離部と、
を具備し、
前記分離部は、
非透過側の第1空間と、
透過側の第2空間と、
前記水蒸気を選択的に前記第1空間から前記第2空間に移動させる水蒸気分離膜と、
前記水蒸気分離膜を透過させた前記水蒸気を外部へ導く水蒸気導出路と、
を具備し、
前記反応ガスが、前記反応部と前記分離部とを交互に流通して、化学平衡を生成側にシフトさせながらメタノールを生成および濃縮する、メタノール製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記反応部は、前記反応で発生する反応熱を除去する熱媒体流路を具備する、請求項1に記載のメタノール製造装置。
【請求項3】
前記水蒸気分離膜が、100~1000の水蒸気/メタノール分離係数を有する無機膜を具備する、請求項1に記載のメタノール製造装置。
【請求項4】
前記反応部の上流側と前記分離部の上流側とが連通せず互いに独立しており、かつ、前記反応部の下流側と前記分離部の上流側とが連通している、請求項1に記載のメタノール製造装置。
【請求項5】
前記反応ガスが第1方向および前記第1方向とは逆の第2方向に交互に流れるように、前記反応部と前記分離部とが横並びに配置されている、請求項1に記載のメタノール製造装置。
【請求項6】
前記反応ガスが、前記反応部を前記第1方向に流れ、前記分離部を前記第2方向に流れる、請求項5に記載のメタノール製造装置。
【請求項7】
少なくとも3つの前記反応部と、少なくとも3つの前記分離部と、
を具備し、
前記反応ガスが、前記反応部を通過した後に前記分離部を通過するプロセスが3回以上繰り返されるように構成されている、請求項1に記載のメタノール製造装置。
【請求項8】
第1端部および第2端部を有し、かつ複数の部屋を有する構造体を具備し、
複数の筒状の前記反応部と複数の筒状の前記分離部とが、それぞれ前記複数の部屋の何れかに配置されており、
前記反応ガスが前記第1端部側から前記第2端部側に向かう第1方向および前記第1方向とは逆の第2方向に交互に流れるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のメタノール製造装置。
【請求項9】
二酸化炭素と水素を含む反応ガスからメタノールを合成する反応を促進する触媒を具備する2つ以上の反応部と、前記反応の生成物である水蒸気を前記反応ガスから分離する2つ以上の分離部に、前記反応ガスを交互に流通させる工程、
を具備し、
前記分離部は、
非透過側の第1空間と、
透過側の第2空間と、
前記水蒸気を選択的に前記第1空間から前記第2空間に移動させる水蒸気分離膜と、
を具備し、
前記水蒸気分離膜を透過させた前記水蒸気を外部へ導くことにより、化学平衡を生成側にシフトさせながらメタノールを生成および濃縮する工程、
を具備する、メタノール製造方法。
【請求項10】
前記水蒸気分離膜が、100~1000の水蒸気/メタノール分離係数を有する無機膜を具備する、請求項9に記載のメタノール製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、CO

を原料に用いるメタノール製造方法およびメタノール製造装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
CO

(二酸化炭素)を出発原料とするメタノール合成は、以下の反応式で表される。
【0003】
TIFF
2024059416000002.tif
17
170
【0004】
本反応は発熱反応であり、低温・高圧ほどメタノールが生成しやすい反応系である。この反応系は、熱力学平衡の制約が大きく、メタノール収率が非常に小さいことが課題である。
【0005】
例えば、モル比3:1で混合されたH

とCO

の原料ガスからメタノールを製造することを考えると、1MPaA、200℃で反応を試みた場合の平衡のメタノール収率は約8%であり、5MPaA、200℃で反応を試みた場合の平衡のメタノール収率は約37%である。原料ガスの大半は未反応ガスとなるため、反応器入口にリサイクルする必要があり、返送と再昇圧に係る圧縮機のエネルギー消費が大きくなる。さらに、メタノールは水との混合物として得られるため、メタノール純度を上げるために蒸留などの精製装置を設置する必要があり、そのエネルギーも膨大とされている。
【0006】
特許文献1および非特許文献1は、メタノール収率を向上させる技術として、膜反応器の利用を提案している。膜反応器は、触媒と水蒸気分離膜(以下、単に「分離膜」ともいう。)を組合せた一体型反応器である。触媒反応で生成するH

Oを分離膜によって反応系から除去することで、化学平衡を生成側にシフトさせることができる。分離膜の種類としては、高温高圧環境下で運転可能な無機膜とこれを支持する多孔質基材を具備する分離膜が有望とされている。また、反応と同時に脱水が進行するため、これまで必要であったメタノール精製装置を簡略化できるといったメリットも生まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-008940号公報
【非特許文献】
【0008】
M. Seshimo et al.,Membranes2021, 11, 505.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
膜反応器を製造する場合、分離膜の表面を損傷させることなく触媒と分離膜とを一体化させる必要がある。しかし、分離膜の表面を構成する無機膜は厚さが数μmであり、衝撃や摩擦による損傷を受けやすい。分離膜に損傷を与えることなく、触媒と分離膜とを一体化するためには高度な技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、二酸化炭素と水素を含む反応ガスからメタノールを合成する反応を促進する触媒を具備する2つ以上の反応部と、前記反応の生成物である水蒸気を前記反応ガスから分離する2つ以上の分離部と、を具備し、前記分離部は、非透過側の第1空間と、透過側の第2空間と、前記水蒸気を選択的に前記第1空間から前記第2空間に移動させる水蒸気分離膜と、前記水蒸気分離膜を透過させた前記水蒸気を外部へ導く水蒸気導出路と、を具備し、前記反応ガスが、前記反応部と前記分離部とを交互に流通して、化学平衡を生成側にシフトさせながらメタノールを生成および濃縮する、メタノール製造装置に関する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日本化薬株式会社
記録材料
27日前
日本化薬株式会社
有害生物防除剤
1か月前
日本化薬株式会社
有害生物防除剤
2か月前
株式会社トクヤマ
紫外線照射装置
19日前
東ソー株式会社
オレフィンの製造方法
1か月前
日産化学株式会社
ペプチドの製造方法
2か月前
岩崎電気株式会社
異性体調製装置
2か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
ENEOS株式会社
リポ多糖を含む組成物
1か月前
住友化学株式会社
化合物及び金属錯体
1か月前
天津大学
エタノールの脱水によるエチレン製造方法
2か月前
三菱ケミカル株式会社
アンヒドロ糖アルコールの製造方法
2か月前
築野食品工業株式会社
イノシトール脂肪酸エステル
14日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
旭化成株式会社
ジアミンの製造方法
14日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
7日前
ENEOS株式会社
スチルベン化合物の製造方法
2か月前
太陽化学株式会社
ポリグリセリン脂肪酸エステル
7日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
14日前
美洛生物科技股ふん有限公司
カチオン性脂質及びその使用
1日前
大阪瓦斯株式会社
液状組成物およびその安定化方法
2か月前
学校法人上智学院
メロデスモシンまたはその塩の製造方法
2か月前
公益財団法人野口研究所
非天然型糖鎖を有するO結合型糖ペプチド
2か月前
浙江越甲薬業有限公司
安息香酸エステルの誘導体
1か月前
地方独立行政法人青森県産業技術センター
プロテオグリカンの精製法
2か月前
日本曹達株式会社
アゾリルピリジン化合物および有害生物防除剤
2か月前
上野製薬株式会社
2,5-フランジカルボン酸の製造方法
2か月前
株式会社イノアックコーポレーション
精製ポリオールの製造方法
2か月前
住友化学株式会社
化合物及びその製造方法
2か月前
住友化学株式会社
化合物及びその製造方法
2か月前
学校法人昭和大学
骨形成促進剤
1か月前
日本ゼオン株式会社
含フッ素アルコールの回収方法
1か月前
日本化薬株式会社
ジピラニリデン化合物
1か月前
本州化学工業株式会社
芳香族ビスエーテル化合物の製造方法
12日前
学校法人 学習院
タンパク質結晶のハイドロゲル包埋物の作製方法
2か月前
続きを見る