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公開番号2024046128
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151330
出願日2022-09-22
発明の名称骨形成促進剤
出願人学校法人昭和大学
代理人弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類C07K 14/51 20060101AFI20240327BHJP(有機化学)
要約【課題】 BMPアゴニストとして生体内に存在する物質を選択し、それをBMPとともに含有する、副作用の少ない骨形成促進剤を提供すること。
【解決手段】 KCP及び/又はその部分タンパク質と、BMP-2と、を含有する骨形成促進剤を提供する。配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列からなるKCP及び/又はその部分タンパク質は、BMP-2の骨誘導活性を顕著に増強する作用を有する。KCPは生体で発現しているタンパク質であり、より少ないBMP-2投与量で大きな骨誘導活性が得られることから、副作用の少ない骨形成促進剤が提供可能である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
KCP及び/又はその部分タンパク質と、BMP-2と、を含有する骨形成促進剤。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
骨折又は骨欠損の治療剤である、請求項1に記載の骨形成促進剤。
【請求項3】
前記「KCP及び/又はその部分タンパク質」が、マウス又はヒト由来のタンパク質である、請求項1又は2に記載の骨形成促進剤。
【請求項4】
前記「KCP及び/又はその部分タンパク質」が、以下の(i)~(iii)のうちいずれかのタンパク質である、請求項1又は2に記載の骨形成促進剤。
(i)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質。
(ii)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列と配列同一性80%以上のアミノ酸配列からなり、かつBMP-2による骨誘導活性を増強する作用を有するタンパク質。
(iii)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつBMP-2による骨誘導活性を増強する作用を有するタンパク質。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キーリン/コーディン様タンパク質(KCP、Kielin/Chordin-like Protein)及び/又はその部分タンパク質と、骨形成タンパク質2(BMP-2、Bone Morphogenetic Protein 2)と、を含有する骨形成促進剤に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
間葉系細胞から骨芽細胞への分化を強力に誘導する骨誘導因子であるBMPは、難治性骨折や骨欠損などに対して臨床応用されている。しかし、生体におけるBMPの骨形成促進作用は必ずしも強くなく、大量のタンパク質が必要となる。そのため、BMPの作用を増強させるアゴニストの探索が肝要である。骨誘導におけるBMP-2の作用を増強させる因子として、例えば硫酸多糖の一種であるヘパリンが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
【0003】
一方、KCPは、複数のシステインリッチドメインを有するコーディン様タンパク質である。KCPは、BMPアンタゴニストであるコーディン(Chordin)タンパク質とは異なり、腎臓におけるBMPシグナル伝達を強化する物質として発見された(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
T. Takada et. Al., Journal of Biological Chemistry,Vol.278, No.44, pp.43229-43235, 2003.
B. Zhao et. Al., Journal of Biological Chemistry, Vol.281, No.32, pp.23246-23253, 2006.
J. Lin et.al., Nature Medicine Vol.11, No.4, pp.387-393, 2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1及び2に記載されたヘパリンは、血液凝固阻害作用などの生理活性を有し、臨床で用いられている。したがって、ヘパリンを生体に用いる際には、様々な副作用も考慮に入れる必要がある。そのため、副作用の少ない新たなBMPアゴニストの探索が求められていた。
【0006】
そこで、本発明は、BMPアゴニストとして生体内に存在する物質を選択し、それをBMPとともに含有する、副作用の少ない骨形成促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、BMPアゴニストとして腎臓におけるBMP-2のシグナル伝達を増強させるKCPに着目し、鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことに、BMP-2の存在下で、配列番号1のアミノ酸配列からなるKCPの部分タンパク質を作用させることで、BMP-2の骨誘導活性を顕著に増強できること(すなわち、骨形成促進効果)を見出した。また、配列番号2のアミノ酸配列からなるKCPの全長タンパク質を添加した場合にも、同様に骨形成促進効果が認められた。KCPは生体でも発現しているタンパク質であり、また、より少ないBMP-2投与量で大きな骨誘導活性が得られることから、BMP-2とKCPを併用する骨形成促進剤は、従来の骨形成促進剤に比べて副作用が少ないものと考えられる。これらの知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、KCP及び/又はその部分タンパク質と、BMP-2と、を含有する骨形成促進剤に関する。前記「骨形成促進剤」は、例えば骨折又は骨欠損の治療剤とすることができる。
【0009】
前記「KCP及び/又はその部分タンパク質」は、例えばマウス又はヒト由来のタンパク質であってもよい。
【0010】
また、前記「KCP及び/又はその部分タンパク質」は、以下の(i)~(iii)のうちいずれかのタンパク質であってもよい。
(i)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質。
(ii)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列と配列同一性80%以上のアミノ酸配列からなり、かつBMP-2による骨誘導活性を増強する作用を有するタンパク質。
(iii)配列番号1~4のいずれかのアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつBMP-2による骨誘導活性を増強する作用を有するタンパク質。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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