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公開番号2024033630
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137332
出願日2022-08-30
発明の名称スチルベン化合物の製造方法
出願人ENEOS株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 6/04 20060101AFI20240306BHJP(有機化学)
要約【課題】効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法の提供。
【解決手段】本発明によるスチルベン化合物の製造方法は、少なくとも1種のスチレン原料化合物を、担体上にモリブデン、タングステン、またはレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、特定の反応温度で交差メタセシス反応によって、下記式(2):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024033630000035.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">41</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式(2)中、R1は、式(1)と同様である。)で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1):
TIFF
2024033630000029.tif
33
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にモリブデンを担持した固体酸化物触媒の存在下、120℃以上230℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000030.tif
37
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記反応温度が、160℃以上210℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
下記式(1):
TIFF
2024033630000031.tif
30
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にタングステンを担持した固体酸化物触媒の存在下、250℃以上360℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000032.tif
38
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
【請求項4】
前記反応温度が、280℃以上340℃以下である、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
下記式(1):
TIFF
2024033630000033.tif
31
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、90℃以上190℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000034.tif
38
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
【請求項6】
前記反応温度が、110℃以上170℃以下である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記反応工程の前に、前記固体酸化物触媒に活性化処理を施す前処理工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記担体が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および、二酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
上記式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基を示し、nは0~3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物のシス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するモル比率が85%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、交差メタセシス反応を用いるスチルベン化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、スチルベン等のオレフィン化合物は、例えば、医薬、農薬、電子材料、金属錯体の配位子等の様々な製品に幅広く使用されている化学物質である。一般的に、オレフィン化合物のシス体とトランス体の精製による分離は煩雑であり、反応工程によってシス体とトランス体を選択的に合成することが望まれている。
【0003】
上記の課題に対して、例えば、特許文献1には、スチレンと2-メチル-2-ペンテンを原料として、室温で、かつ、七酸化レニウムを含有する不均化触媒の存在下で不均化反応を行うことが開示されている(実施例16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-501911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の不均化反応で得られた反応生成物中、シス-スチルベンの選択率は0.9%であり、トランス-スチルベンの選択率は7.9%であった。そのため、トランス-スチルベン化合物の選択率は改善の余地があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、スチレン化合物を原料として、特定の金属(モリブデン、タングステン、またはレニウム)を担持した固体酸化物触媒の存在下、特定の温度で交差メタセシス反応を行うことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記式(1):
TIFF
2024033630000001.tif
32
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にモリブデンを担持した固体酸化物触媒の存在下、120℃以上230℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000002.tif
36
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[2] 前記反応温度が、160℃以上210℃以下である、[1]に記載の製造方法。
[3] 下記式(1):
TIFF
2024033630000003.tif
29
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にタングステンを担持した固体酸化物触媒の存在下、250℃以上360℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000004.tif
36
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[4] 前記反応温度が、280℃以上340℃以下である、[3]に記載の製造方法。
[5] 下記式(1):
TIFF
2024033630000005.tif
29
170
(式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、90℃以上190℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
TIFF
2024033630000006.tif
39
170
(式(2)中、R

は、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[6] 前記反応温度が、110℃以上170℃以下である、[5]に記載の製造方法。
[7] 前記反応工程の前に、前記固体酸化物触媒に活性化処理を施す前処理工程をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 前記担体が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および、二酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9] 上記式(1)中、R

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基を示し、nは0~3である、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物のシス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するモル比率が85%以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11] 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物の選択率が10%以上である、[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[スチルベン化合物の製造方法]
本発明のオレフィン化合物の製造方法は、交差メタセシス反応を用いてトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む。また、反応工程の前に前処理工程をさらに含んでもよく、反応工程の後に精製工程をさらに含んでもよい。以下、各工程について詳述する。
(【0011】以降は省略されています)

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