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公開番号2024059063
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2023074826
出願日2023-04-28
発明の名称水系ウレタン分散体および積層体
出願人artience株式会社
代理人
主分類C08G 18/00 20060101AFI20240422BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】基材への造膜性と投錨性が良好な、耐油性、耐水性、ヒートシール性およびブロッキング性に優れる塗膜を作製可能な、高い生分解性を有する水系ウレタン分散体、および積層体の提供。
【解決手段】本発明の課題は、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(A)と、鎖延長剤(B)との反応生成物であるウレタン樹脂(C)を含む水系ウレタン分散体であって、前記ウレタン樹脂(C)が下記式を満足することを特徴とする水系ウレタン分散体によって解決される。
0<(X+Y)/Z≦5かつX/Y≦1.7
X:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレタン基濃度(mmol/g)
Y:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレア基濃度(mmol/g)
Z:ウレタン樹脂(C)の全質量中における環状エステル含有量
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(A)と、鎖延長剤(B)との反応生成物であるウレタン樹脂(C)を含む水系ウレタン分散体であって、
下記(1)~(4)を満足することを特徴とする水系ウレタン分散体。
(1)前記ウレタンプレポリマー(A)が、ジヒドロキシカルボン酸を用いた環状エステルの開環重合により得られるポリエステルポリオール(a1)とジイソシアネート(a2)との反応生成物である。
(2)前記ウレタン樹脂(C)が、下記式を満たす。
0<(X+Y)/Z≦5
X:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレタン基濃度(mmol/g)
Y:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレア基濃度(mmol/g)
Z:ウレタン樹脂(C)の全質量中における環状エステル含有量
(3)X/Y≦1.7である。
(4)鎖延長剤(B)は、水または分子中に1級または2級のアミノ基を2つ以上有する化合物(b1)である。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記水系ウレタン分散体の平均粒子径が300nm以下であることを特徴とする、請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオール(a1)の数平均分子量が2,500以上であることを特徴とする、請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項4】
前記ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレタン基濃度(X)が0.4~1.2mmol/gであることを特徴とする、請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項5】
前記ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレア基濃度(Y)が0.4~1.2mmol/gであることを特徴とする、請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項6】
前記ウレタンプレポリマー(A)を構成するジイソシアネート(a2)のイソシアナト基とポリエステルポリオール(a1)の水酸基の当量比(イソシアナト基/水酸基)が1.7~2.5であることを特徴とする、請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項7】
前記環状エステルがε-カプロラクトン、D-ラクチド、L-ラクチド、DL-ラクチドおよびメソラクチドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の水系ウレタン分散体。
【請求項8】
前記ジヒドロキシカルボン酸がジメチロールプロパン酸またはジメチロールブタン酸を含むことを特徴とする請求項1記載の水系ウレタン分散体
【請求項9】
基材と請求項1~8いずれか1項記載の水系ウレタン分散体から形成される層を有する積層体。
【請求項10】
前記基材が非平滑基材であることを特徴とする請求項9記載の積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系ウレタン分散体およびそれを用いて作製した積層体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境への関心の高まりから、生分解樹脂に対する関心が高まっている。生分解性の材料に関しては、土壌中や海洋中で微生物が材料を水と二酸化炭素まで分解することから環境負荷が小さい材料として知られている。一方、コーティング剤分野においては二酸化炭素排出量の減少が求められており、溶剤系から水系材料を使用したコーティング剤への移行が急速に進んでいる。水系材料を使用したコーティング剤としては紙等の非平滑基材に対する投錨性、造膜性が必要であり、塗膜物性としては主に耐油性、耐水性、ヒートシール性、ブロッキング性等が求められる。すでに知られているポリビニルアルコールやデンプン等の水溶性生分解材料は耐水性に難があることが知られており、コーティング剤には不適である。水系材料かつ良好な塗膜物性を持つ生分解性材料の開発が求められている。
【0003】
特許文献1では、ジメチロールアルカン酸で開環重合したカプロラクトンポリオールからなる生分解度の高いウレタン樹脂が開示されており、その水性化方法についても記載されている。
【0004】
特許文献2では、ジメチロールアルカン酸で開環重合したカプロラクトンポリオールの末端を過剰のイソシアネートと反応させてウレタン化することで末端イソシアネートプレポリマーを合成し、その後中和して水を加えて乳化し、その乳化物に対してジアミンで鎖延長させて得られるウレタン樹脂の水分散体が開示されている。
【0005】
一方で、特許文献3では、カプロラクトンポリオールとジメチロールアルカン酸を過剰のイソシアネートとウレタン化することで末端イソシアネートプレポリマーを合成し、その後中和して水を加えて乳化し、その乳化物に対してジアミンで鎖延長させることで得られるウレタン樹脂水分散体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-313024号公報
特開平8-27243号公報
特開2018-193412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3に記載の発明は、ヒートシール性やブロッキング性といった塗膜物性および非平滑基材に対する投錨性や造膜性に課題があった。
【0008】
本発明は、生分解性、ヒートシール性、ブロッキング性に優れ、かつ非平滑基材に塗布した場合でも造膜性と投錨性が良好で高い耐油性と耐水性を発揮する水系ウレタン分散体およびそれを用いて作製した積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ジヒドロキシカルボン酸を用いた環状エステルの開環重合により得られるポリエステルポリオールを主成分とする水性ウレタン樹脂において、樹脂中の環状エステル含有量、ウレタン結合、およびウレア結合濃度を特定範囲に調整することで、問題が有意に解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記[1]~[9]に関する。
【0010】
[1]末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマー(A)と、鎖延長剤(B)との反応生成物であるウレタン樹脂(C)を含む水系ウレタン分散体であって、
下記(1)~(4)を満足することを特徴とする水系ウレタン分散体。
(1)前記ウレタンプレポリマー(A)が、ジヒドロキシカルボン酸を用いた環状エステルの開環重合により得られるポリエステルポリオール(a1)とジイソシアネート(a2)との反応生成物である。
(2)前記ウレタン樹脂(C)が、下記式を満たす。
0<(X+Y)/Z≦5
X:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレタン基濃度(mmol/g)
Y:ウレタン樹脂(C)の全質量中におけるウレア基濃度(mmol/g)
Z:ウレタン樹脂(C)の全質量中における環状エステル含有量
(3)X/Y≦1.7である。
(4)鎖延長剤(B)は、水または分子中に1級または2級のアミノ基を2つ以上有する化合物(b1)である。
(【0011】以降は省略されています)

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