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公開番号2024058301
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165579
出願日2022-10-14
発明の名称チップ抵抗器
出願人KOA株式会社
代理人弁理士法人武和国際特許事務所
主分類H01C 7/00 20060101AFI20240418BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】サージ特性を確実に向上させることができると共に、トリミングによる広範囲の抵抗値調整が可能なチップ抵抗器を提供する。
【解決手段】直方体形状の絶縁基板2と、絶縁基板2の長手方向両端部に設けられた一対の表電極4と、一対の表電極4間を橋絡する矩形状の抵抗体3とを備え、抵抗体3に直線状に延びる複数本のトリミング溝9,10を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器1において、一対の表電極4間を最短距離で結ぶ方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向としたとき、抵抗体3にトリミング溝9,10の溝幅よりも幅広な複数の開口部12がY方向に沿って2列形成されており、トリミング溝9,10は、抵抗体3のX方向に延びる2つの外縁部のうち、いずれか一方の外縁部を始端位置として他方の外縁部に向かってY方向に延びるように形成され、任意の開口部12を終端位置としている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における長手方向の両端部に設けられた一対の電極と、前記一対の電極間を橋絡する矩形状の抵抗体とを備え、前記抵抗体に直線状に延びるトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器において、
前記一対の電極間を最短距離で結ぶ方向をX方向、前記X方向に直交する方向をY方向としたとき、
前記抵抗体に、前記トリミング溝の溝幅よりも幅広な複数の開口部が前記Y方向に沿って少なくとも2以上の列をなすように形成されており、
前記トリミング溝は、前記抵抗体の前記X方向に延びる2つの外縁部のうち、いずれか一方の外縁部を始端位置として他方の外縁部に向かって前記Y方向に延びるように形成され、任意の前記開口部を終端位置としている、
ことを特徴とするチップ抵抗器。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記トリミング溝の終端が位置する前記開口部と前記抵抗体の前記他方の外縁部との間に挟まれた抵抗体の体積が、電流経路となる抵抗体全体の体積の5%~40%の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
【請求項3】
前記抵抗体の前記一方の外縁部に対向する前記開口部の幅寸法に対して、前記抵抗体の前記他方の外縁部に対向する前記開口部の幅寸法が大きく設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
【請求項4】
前記複数の開口部は、角部を有しない非矩形状である、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
【請求項5】
一列に並んだ前記複数の開口部は、前記抵抗体の前記Y方向の中心に対して前記一方の外縁部側に片寄った位置に配列されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
【請求項6】
前記複数の開口部を跨ぐ位置に形成された前記トリミング溝の近傍に、該トリミング溝より全長の短い微調用トリミング溝が前記複数の開口部を跨がない位置に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。
【請求項7】
前記抵抗体が、真空蒸着法またはスパッタリング法により形成された薄膜抵抗体である、ことを特徴とする請求項1に記載のチップ抵抗器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
チップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、絶縁基板の表面に所定間隔を存して対向配置された一対の表電極と、絶縁基板の裏面に所定間隔を存して対向配置された一対の裏電極と、表電極と裏電極を橋絡する端面電極と、対をなす表電極どうしを橋絡する抵抗体と、抵抗体を覆う保護コート層等によって主に構成されている。
【0003】
一般的に、このようなチップ抵抗器を製造する場合、大判基板に対して多数個分の電極や抵抗体や保護コート層等を一括して形成した後、この大判基板を格子状の分割ライン(例えば分割溝)に沿って分割してチップ抵抗器を多数個取りするようにしている。かかるチップ抵抗器の製造過程で、大判基板の片面に厚膜技術または薄膜技術によって多数の抵抗体が形成されるが、各抵抗体の初期抵抗値にバラツキを生じることが避け難いため、大判基板の状態で各抵抗体にトリミング溝を形成して所望の抵抗値に設定するという抵抗値調整作業が行われる。
【0004】
トリミング溝は抵抗体にレーザー光を照射することによって形成されるスリット(レーザー痕)であり、その形状としては、抵抗体の外縁部を始点として電極間方向と直交する方向へ直線状に延びるIカット形状や、Iカットを途中から電極間方向に90度ターンして延ばしたLカット形状などが知られている。
【0005】
Iカット形状のトリミング溝の場合、トリミングラインの先端部が電流経路の狭まった負荷集中部となるため、静電気や電源ノイズ等で発生するサージ電圧を受けた場合に、過剰な電気的ストレスによって抵抗値の変動や抵抗体の断線等の不具合が発生しやすくなる。サージ特性を向上させるための一手段として、抵抗体に流れる電流経路を長くすることが知られているため、従来より、抵抗体にIカット形状のトリミング溝を複数本(例えば2本)形成して蛇行形状(ミアンダ形状)にしたチップ抵抗器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように構成されたチップ抵抗器によれば、複数のトリミング溝によって抵抗値の調整幅を大きくすることができると共に、抵抗体を蛇行形状にすることで電流経路が長くなるため、負荷集中部が分散されてサージ特性を向上することができる。
【0006】
一方、Lカット形状のトリミング溝の場合、トリミングライン先端の電力集中は避けられるものの、トリミングによる抵抗値の調整幅を大きくすることができないため、広範囲の抵抗値をカバーすることができないという製造上の課題がある。特に、スパッタリングや蒸着等の薄膜技術を用いて形成される薄膜抵抗体は、厚膜抵抗体のように複数の抵抗材料を混ぜ合わせて初期抵抗値を自由に変えることができず、抵抗体に求められる抵抗値の調整範囲が広いため、Lカット形状のトリミング溝では抵抗値を目標抵抗値に確実に調整することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-61448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、抵抗体に複数の直線状トリミング溝を形成したチップ抵抗器では、抵抗体に流れる電流経路の全長を長くすることにより、負荷集中部が分散されてサージ特性の向上を図ることができる。しかしながら、薄膜抵抗体のように膜厚が薄い抵抗体の場合、トリミングラインの先端部に生じる負荷集中部の体積が小さいため、単に抵抗体を蛇行形状にしただけでは、サージ電圧によって抵抗値変動等が起きてしまうことがあり、さらなるサージ特性の改善が要望されている。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、サージ特性を確実に向上させることができると共に、トリミングによる広範囲の抵抗値調整が可能なチップ抵抗器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における長手方向の両端部に設けられた一対の電極と、前記一対の電極間を橋絡する矩形状の抵抗体とを備え、前記抵抗体に直線状に延びるトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器において、前記一対の電極間を最短距離で結ぶ方向をX方向、前記X方向に直交する方向をY方向としたとき、前記抵抗体に、前記トリミング溝の溝幅よりも幅広な複数の開口部が前記Y方向に沿って少なくとも2以上の列をなすように形成されており、前記トリミング溝は、前記抵抗体の前記X方向に延びる2つの外縁部のうち、いずれか一方の外縁部を始端位置として他方の外縁部に向かって前記Y方向に延びるように形成され、任意の前記開口部を終端位置としている、ことを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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