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公開番号2024056807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024017718,2021195231
出願日2024-02-08,2017-01-26
発明の名称一本鎖オリゴヌクレオチド
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C12N 15/113 20100101AFI20240416BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】高効率に標的遺伝子を制御し、容易に製造できる一本鎖オリゴヌクレオチドの提供。
【解決手段】式X-L-Yで表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。Xは、7~100個のヌクレオチドからなり、少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含み、第二オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を有する。Yは、4~100個のヌクレオチドからなり、第一オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を有する。ヌクレオチド配列X及びYの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能とするアンチセンス配列を有する。Lは、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】

X-L-Y
(式中、Xは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、糖部、塩基部及びリン酸部の少なくとも1つが修飾されたヌクレオチドの少なくとも1個を含む7~100個のヌクレオチドからなる第一オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Yは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び糖部修飾ヌクレオチドから独立して選択され、4~100個のヌクレオチドからなる第二オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
Lは、その両端で前記第一オリゴヌクレオチド及び第二オリゴヌクレオチドとそれぞれ共有結合し、生理的条件で分解される第三オリゴヌクレオチドに由来する基であり、
前記第一オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Xを有し、前記第二オリゴヌクレオチドはヌクレオチド配列Yを有し、
前記ヌクレオチド配列Xは、第二オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、RNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む第一ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列Yは第一オリゴヌクレオチドの少なくとも一部とのハイブリダイズを可能とし、少なくとも1個のリボヌクレオチドを含む第二ヌクレオチド配列を含み、
前記ヌクレオチド配列X及びヌクレオチド配列Yの少なくとも一方が、標的RNAとのハイブリダイズを可能にする少なくとも1つのアンチセンス配列を含み、
前記アンチセンス配列を2以上有する場合、それぞれのアンチセンス配列部分がハイブリダイズする標的RNAは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、XとYとが第一ヌクレオチド配列部分と第二ヌクレオチド配列部分とでハイブリダイズする一本鎖オリゴヌクレオチド。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
Xが、少なくとも1個の糖部修飾ヌクレオチドを含み、前記第一ヌクレオチド配列が、前記アンチセンス配列であり、前記標的RNAとハイブリダイズした際にRNaseHによって認識される少なくとも4個の連続するヌクレオチドを含む配列である、請求項1に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
Xが3’側でLに結合し、Yが5’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
Xが5’側でLに結合し、Yが3’側でLに結合する、請求項1又は2に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
第三オリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオチドが、ホスホジエステル結合で互いに連結されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
第三オリゴヌクレオチドが、DNA又はRNAである、請求項1から5のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側の少なくとも一方に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
第一オリゴヌクレオチドは、第一ヌクレオチド配列部分の5’側及び3’側に隣接して結合する糖部修飾ヌクレオチドを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
第一オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
第一ヌクレオチド配列が、少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドを含む4~20個のヌクレオチドからなる配列である、請求項1から9のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴヌクレオチド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、標的遺伝子のmRNA、mRNA前駆体又はリボソームRNA、転移RNA、miRNA等のncRNA(ノンコーディングRNA)に対して相補的なオリゴヌクレオチドであり、約8~30塩基からなる1本鎖のDNA、RNA及び/又はそれらの構造類似体である。ASOは、該アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするmRNA、mRNA前駆体、又はncRNAと二本鎖を形成することによりmRNA、mRNA前駆体又はncRNAの働きを抑制する。
【0003】
しかし、ASOは、生体内のヌクレアーゼにより分解されやすく、また標的細胞への取り込み効率が低いため、実用化は難しい。これら2つの大きな問題点を克服するために、有効成分であるオリゴヌクレオチド自体の化学修飾と、オリゴヌクレオチドを標的細胞内へ送達させるドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究が長年行われている。
【0004】
ASO自体の化学修飾の例としては、リン酸部分が修飾されているS-オリゴ(ホスホロチオエート)、糖部分が修飾されている2’,4’-BNA(bridged nucleic acid)/LNA(locked nucleic acid)(特許文献1~5参照)等が知られている。
【0005】
DDSの例としては、カチオン性リポソームや高分子ミセル等のキャリアを利用する方法等が知られている。また、特許文献6にはアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体であるGalNac(N-アセチルガラクトサミン)誘導体がリンカーを介して結合しているASOが記載されており、該ASOを投与すると、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。
【0006】
特許文献7及び非特許文献1には、ASOと相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチド(HDO)にトコフェロール(Toc)を結合させることにより、マウスにおいて、ASOと比較して、効率よく肝臓に送達、集積され、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。特許文献8には、HDOにGalNac誘導体がリンカーを介して結合しているASOが記載されており、該アンチセンスオリゴヌクレオチドを皮下投与すると、トコフェロール(Toc)修飾体より効率的に発現が抑制されたことが記載されている。
【0007】
特許文献9には、DNAとRNAの二本鎖オリゴヌクレオチドユニットのRNA鎖末端にASOが結合したオリゴヌクレオチド(HCDO)が、ASOと比較して効率よく標的RNAを抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
ネイチャー コミュニケーションズ、6巻、アーティクル ナンバー 7969(2015年)
【特許文献】
【0009】
国際公開第98/39352号
国際公開第2005/021570号
国際公開第2003/068795号
国際公開第2011/052436号
国際公開第2011/156202号
国際公開第2014/179620号
国際公開第2013/089283号
国際公開第2015/105083号
国際公開第2014/192310号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
医薬品として臨床現場にてヒトを含む哺乳動物に適応する場合においては、効率的に標的遺伝子の発現を制御できる新たなる核酸医薬品が望まれていた。また、二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、前記HDO、HCDO)を製造する場合、アンチセンス鎖と相補的なRNA鎖を別々に合成した上で、最後にこれらの鎖をハイブリダイズする工程が必要となる。さらに動物や細胞に投与する際には、一本鎖への解離を抑制した状態とする必要があり、その取扱い条件の設定にも労力を要する場合が想定される。
(【0011】以降は省略されています)

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