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公開番号2024061047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022168714
出願日2022-10-20
発明の名称低屈折率膜を含む積層体及びその製造方法
出願人日産化学株式会社
代理人
主分類B32B 17/00 20060101AFI20240425BHJP(積層体)
要約【課題】 異形形状のシリカ粒子を含有するコーティング組成物を、特定膜厚で塗膜を形成する事により基板上に密着性の高く低屈折率の被膜を形成する事が可能なコーティング組成物と、それらコーティング組成物を塗布し硬化した低屈折率の透明性積層体を提供。
【解決手段】 シリカゾルに由来するシリカ粒子を含み、該シリカ粒子は動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上であり、1.20~1.33の屈折率と、100~2000nmの膜厚と、得られた基板上の硬化被膜に1mm×1mmの25マスのクロスカットを入れ粘着テープの貼り付け引き剥がしによる残マス割合が(20~25)/(25)となる密着性を有する基板上の透明性積層体。全光線透過率が93%以上である。HAZEが2.0以下である。炭素含有率がシリカ粒子のSiO2に対して1質量%以下。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
シリカゾルに由来するシリカ粒子を含み、該シリカ粒子は動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上であり、1.20~1.33の屈折率と、100~2000nmの膜厚と、得られた基板上の硬化被膜に1mm×1mmの25マスのクロスカットを入れ粘着テープの貼り付け引き剥がしによる残マス割合が(20~25)/(25)となる密着性を有する基板上の透明性積層体。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が5~100である請求項1に記載の透明性積層体。
【請求項3】
全光線透過率が93%以上である請求項1又は請求項2に記載の透明性積層体。
【請求項4】
HAZEが2.0以下である請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の透明性積層体。
【請求項5】
炭素含有率がシリカ粒子のSiO

に対して1質量%以下である請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の透明性積層体。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の透明性積層体を形成するための透明性積層体用コーティング組成物であって、該コーティング組成物はシリカ粒子と溶媒を含み、該コーティング組成物は試験条件としてSiO

濃度として1~15質量%を有する該コーティング組成物を被覆後に50~130℃焼成を経た塗膜厚である事を特徴とする上記透明性積層体用コーティング組成物。
【請求項7】
溶媒が水、又はエーテル結合を含んでいても良い炭素原子数1~5のアルコールである請求項6に記載の透明性積層体用コーティング組成物。
【請求項8】
基板に、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の透明性積層体用コーティング組成物を被覆して50~130℃の温度で硬化する透明性積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低屈折率膜を含む積層体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
低屈折率膜を有する積層体は、外光の移りを防止し画質を向上させるため液晶表示パネルや有機ELディスプレイ等の各種表示パネルや窓ガラス、光学レンズ、イメージセンサ等として用いられている。
【0003】
反射防止膜用途の低屈折率膜用材料として、例えば、フッ素重合体を含むフッ素樹脂系の低屈折率膜用材料(特許文献1~3)や金属酸化物と樹脂とを含む低屈折率膜用材料(特許文献4~5)、金属酸化物やフッ素含有有機化合物などを単層で用いる低屈折率膜用材料などが開示されている(特許文献6~7)。
【0004】
金属酸化物やフッ素含有有機化合物などを単層で用いる場合、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法やスパッタリング法等の気相法が用いられてきたが、装置等が高価であることから製造コストが高くなるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭59-189108号
特開平7-331115号
特開平2-19801号
特開2007-052345号
国際公開第2014/042129号
特開2009-92746号
国際公開第2021/024834号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異形形状のシリカ粒子を含有するコーティング組成物を、特定膜厚で塗膜を形成する事により基板上に密着性の高く低屈折率の被膜を形成する事が可能なコーティング組成物と、それらコーティング組成物を塗布し硬化した低屈折率の透明性積層体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は第1観点として、シリカゾルに由来するシリカ粒子を含み、該シリカ粒子は動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上であり、1.20~1.33の屈折率と、100~2000nmの膜厚と、得られた基板上の硬化被膜に1mm×1mmの25マスのクロスカットを入れ粘着テープの貼り付け引き剥がしによる残マス割合が(20~25)/(25)となる密着性を有する基板上の透明性積層体、
第2観点として、動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が5~100である第1観点に記載の透明性積層体、
第3観点として、全光線透過率が93%以上である第1観点又は第2観点に記載の透明性積層体、
第4観点として、HAZEが2.0以下である第1観点乃至第3観点の何れか一つに記載の透明性積層体、
第5観点として、炭素含有率がシリカ粒子のSiO

に対して1質量%以下である第1観点乃至第4観点の何れか一つに記載の透明性積層体、
第6観点として、第1観点乃至第5観点の何れか一つに記載の透明性積層体を形成するための透明性積層体用コーティング組成物であって、該コーティング組成物はシリカ粒子と溶媒を含み、該コーティング組成物は試験条件としてSiO

濃度として1~15質量%を有する該コーティング組成物を被覆後に50~130℃焼成を経た塗膜厚である事を特徴とする上記透明性積層体用コーティング組成物、
第7観点として、溶媒が水、又はエーテル結合を含んでいても良い炭素原子数1~5のアルコールである第6観点に記載の透明性積層体用コーティング組成物、及び
第8観点として、基板に、第1観点乃至第7観点の何れか一つに記載の透明性積層体用コーティング組成物を被覆して50~130℃の温度で硬化する透明性積層体の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
動的光散乱法による測定粒子径(D1)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2)の比(D1)/(D2)が2以上、典型的には5~100であるシリカ粒子は異形シリカ粒子であり、異形シリカ粒子を含むコーティング組成物を基板上に塗布し乾燥と硬化を行う事で基板上に3次元のシリカ粒子の構造体が形成される。3次元のシリカ粒子の構造体の形成は、それらシリカ粒子を含む水性シリカゾルを含むコーティング組成物を基板上に塗布する時に、3次元のシリカ粒子間のマトリックス(構造体)中に水性溶媒や、大気中のガス(例えば空気)を巻き込む事により、それらマトリックスは乾燥と硬化を経て、マトリックスに空洞が形成される。この空洞は空気からなるものであって、基板上に形成されたこれらマトリックスを含む被膜の屈折率は密なシリカからなる構造の被膜に比べて低くなる。
【0009】
基板上に3次元のシリカ粒子間のマトリックス(構造体)を形成する場合に、例えばスピンコート法を用いる場合に、コーティング組成物の投入部分から円形状にコーティング組成物が空気を巻き込みながら広がる事によって、上記構造の被膜が形成されるものと考えられる。同様にバーコーターを用いる場合にも同様な現象がみられる。
【0010】
また、基板が平面であればスピンコート法やバーコート法により、空気を巻き込みながら膜内に気泡を形成し、乾燥硬化後に空洞が空気層となり低屈折率を有する被膜になる。同様な現象は基板が傾斜した面を持つ傾斜基板においても傾斜面をコーティング組成物が流れ下る際に形成され、塗布膜中に空気を巻き込む事で乾燥硬化後に空洞が形成され、結果的に低屈折率を有する被膜となる。
(【0011】以降は省略されています)

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