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公開番号2024075578
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-04
出願番号2024027456,2020549213
出願日2024-02-27,2019-09-24
発明の名称インク組成物
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類H10K 71/15 20230101AFI20240528BHJP()
要約【課題】有機EL素子の特性を過度に低下させることなく、厚みの均一な電荷輸送性薄膜を与えるインク組成物を提供する。
【解決手段】(a)電荷輸送性物質;
(b)1種以上の金属酸化物ナノ粒子;並びに
(c)液体担体であって、
(c-1)沸点bp1(℃)を有する第一の親水性グリコール系溶媒、
(c-2)沸点bp2(℃)を有する第二の親水性グリコール系溶媒、および
(c-3)沸点bp3(℃)を有する有機溶媒
を含み、
bp1<bp3<bp2である液体担体
を含むインク組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
電荷輸送性薄膜であって、
(a)電荷輸送性物質;
(b)1種以上の金属酸化物ナノ粒子;並びに
(c)液体担体であって、
(c-1)沸点bp

(℃)を有する第一の親水性グリコール系溶媒、
(c-2)沸点bp

(℃)を有する第二の親水性グリコール系溶媒、および
(c-3)沸点bp

(℃)を有する有機溶媒
を含み、
bp

<bp

<bp

であり、
bp

が180℃以上であり、bp

が270℃以上であり、bp

が200℃以上、270℃未満である、液体担体
を含むインク組成物から得られた電荷輸送性薄膜。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記溶媒(c-3)が、疎水性グリコール系溶媒、ニトリル、アルコール、芳香族エーテル、芳香族エステルまたは芳香族炭化水素である、請求項1記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項3】
前記溶媒(c-3)が疎水性グリコール系溶媒である、請求項1または2記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項4】
前記溶媒(c-1)および(c-2)がいずれもグリコール溶媒であり、前記溶媒(c-3)がグリコールジエーテル溶媒である、請求項1~3のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項5】
前記溶媒(c-3)が、1種以上のグリコールジエーテル溶媒を含む2種以上の有機溶媒の混合物である、請求項1記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項6】
前記溶媒(c-1)がエチレングリコールである、請求項1~5のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項7】
前記溶媒(c-2)がトリエチレングリコールである、請求項1~6のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項8】
前記溶媒(c-1)と前記溶媒(c-2)の重量比((c-1):(c-2))が29:1~8:7である、請求項1~7のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項9】
前記溶媒(c-1)の重量が、前記液体担体(c)の総重量に対して16~29%であり、前記溶媒(c-2)の重量が、前記液体担体(c)の総重量に対して14~1%である、請求項1~8のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
【請求項10】
前記金属酸化物ナノ粒子(b)が、B



、B

O、SiO

、SiO、GeO

、GeO、As



、As



、As



、Sb



、TeO

、SnO

、SnOまたはこれらの混合物を含む、請求項1~9のいずれか一項記載の電荷輸送性薄膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷輸送性物質、金属酸化物ナノ粒子および所定の組成を有する液体担体を含むインク組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、有機系の有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、燐光有機発光ダイオード(PHOLED)、及び有機光起電デバイス(OPV)のような、省エネデバイスにおける有用な進歩があるが、商業化のためのより良い材料加工及び/又はデバイス性能を提供するには更なる改良がなお必要とされている。例えば、有機エレクトロニクスにおいて使用される材料の1つの有望なタイプは、例えば、ポリチオフェン類を含む導電性ポリマーである。しかし、これらの中性及び/又は導電性状態における、ポリマーの純度、加工性、及び不安定性により問題が起こり得る。また、種々のデバイスのアーキテクチャの交互に重なった層に使用されるポリマーの溶解度を非常に良好に制御できること(例えば、特定のデバイスアーキテクチャにおける隣接層間の直交又は交互溶解度特性(orthogonal or alternating solubility properties))が重要である。例えば、正孔注入層(HIL)及び正孔輸送層(HTL)としても知られている、これらの層は、競合する要求、そして非常に薄いが高品質の薄膜の必要性を考慮すると、困難な問題を提起することがある。
【0003】
典型的なOLEDデバイス積層において、PEDOT:PSSを含むHILのような、大抵のp型ドープポリマーHILの屈折率は、1.5前後であるが、発光材料は一般に、大幅により大きな(1.7以上)屈折率を有する。結果として、EML/HIL(又はHTL/HIL)及びHIL/ITO界面では加算的内部全反射が起こるため、光抽出効率が低下する。
【0004】
溶解性、熱/化学安定性及び電子エネルギー準位(HOMO及びLUMOなど)などの正孔注入層及び正孔輸送層の特性を制御することによって、これらの化合物を異なる用途に適合させ、かつ発光層、光活性層及び電極などの異なる化合物と共に機能するように適合させることができるようにするための、良好なプラットフォームシステムに対する解決していないニーズが高まっている。良好な溶解度、溶媒抵抗性(intractability)、及び熱安定性の特性が重要である。また重要なのは、特性の中でも、高い透明度、低い吸収率、低い内部反射、OLEDシステム内における低い作動電圧、及びより長い寿命などを保持しながら、HILの抵抗及びHIL層の厚さを調整できることである。特定の応用のためのシステムを構築できること、及びこのような特性の必要バランスを提供できることも重要である。
【0005】
前記のような導電性ポリマーを用いて、HIL及びHILを初めとする、有機EL素子の電荷輸送性薄膜を形成する方法の1つとして、主として導電性ポリマーを分散または溶解させた液体担体からなるインク組成物を、基板上(多くの場合、正確には、基板上に形成された薄膜電極上)に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させて液体担体を除去することにより、電荷輸送性薄膜を形成する方法が知られている。有機EL素子は水分との接触により劣化するため、このインク組成物は非水系であることが好ましい。更に、電荷輸送性薄膜や、それを用いた有機EL素子の種々の特性を改善すること等を目的として、種々の組成を有する非水系インク組成物が提案されている。
【0006】
特許文献1には、アミン化合物が添加されたインク組成物が開示されている。該インク組成物中のアミン化合物の存在が、良好な貯蔵寿命と安定性を有するインク組成物をもたらすだけでなく、該インク組成物から形成される薄膜は、優れた均質性を示し、そして該インク組成物から形成されるHILを含むOLEDデバイスは、良好な性能を示す。
【0007】
特許文献2および3には、金属および/または半金属ナノ粒子が添加されたインク組成物が開示されている。これらのナノ粒子は、有機EL素子における輝度、熱安定性、正孔注入性等の特性改善や、製品毎の特性のばらつき低減等に有用である。
【0008】
このようなインク組成物を塗布するための方法は種々知られている。そのような方法の一例として、インク組成物を微小な液滴としてノズルから吐出させ、被塗布物に付着させるインクジェット法(液滴吐出法)を挙げることができる。有機EL素子の製造を目的として、インクジェット法を用いて電荷輸送性薄膜を基板上に形成する場合、基板上に形成された薄膜電極(多くの場合、パターニングされた薄膜電極)上にバンク(隔壁)を形成して、薄膜電極上の必要な領域が、バンクで囲まれた膜形成領域となるようにし、その膜形成領域のみに、インクジェット法によりインク組成物を塗布して電荷輸送性薄膜を形成する、という方法がしばしば採用される。
【0009】
以上のようにして形成される電荷輸送性薄膜は、その厚みが薄膜全体にわたって均一な状態であることが好ましい。しかし現実には、特に上記のようなバンクを用いる方法により形成された場合、電荷輸送性薄膜が厚みの不均一な状態となることがある。そのような状態の一例として、形成された電荷輸送性薄膜の周辺部の厚みが、薄膜の中央から端に向かう方向に沿って増大した状態を挙げることができる。これは、前記膜形成領域内に塗布されたインク組成物がバンクの側面を這い上がることにより、形成される塗膜の周囲の厚みが、塗膜の中央から端(換言すれば、塗膜がバンクの側面と接触する部分)に向かう方向に沿って増大した状態になることに起因し、この状態にある塗膜から形成された電荷輸送性薄膜は、前記の如く厚みの不均一な状態になる。本明細書では、このようにインク組成物がバンクの側面を這い上がる現象を「パイルアップ現象」又は単に「パイルアップ」と称する。
【0010】
塗布されたインク組成物が、バンクの側面に付着することなく、膜形成領域で厚みの均一な塗膜を形成するようにするため、バンクの、インク組成物(塗膜)と接触する側面を、インク組成物に対し撥液性を示すようにするための処理(例えば、所定のプラズマ処理)に付し、また膜形成領域となる基板(薄膜電極)表面を、インク組成物に対し親液性を示すようにするための処理(例えば、別の所定のプラズマ処理)に付すことが、しばしば行われる。本明細書では、このような処理に付された基板を「撥液バンク付基板」と称する。しかし、撥液バンク付基板を用いてもなお、パイルアップ現象が十分抑制されない場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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