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公開番号2024068181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2023188401
出願日2023-11-02
発明の名称発光デバイス、発光装置、電子機器、および照明装置
出願人株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類H10K 50/12 20230101AFI20240510BHJP()
要約【課題】高効率な発光デバイスを提供する。
【解決手段】第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、発光層は、少なくとも、発光物質と、第1の物質と、を有し、発光物質の発光スペクトルの半値幅は、0.35eV以下であり、第1の物質の光励起によって生じる遅延蛍光の、第1の温度における発光寿命は、第2の温度における発光寿命より短く、第1の温度は、第2の温度より低く、第1の温度および第2の温度は、それぞれ10K以上300K以下である、発光デバイスを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、
前記発光層は、少なくとも、発光物質と、第1の物質と、を有し、
前記発光物質の発光スペクトルの半値幅は、0.35eV以下であり、
前記第1の物質の光励起によって生じる遅延蛍光の、第1の温度における発光寿命は、第2の温度における発光寿命より短く、
前記第1の温度は、前記第2の温度より低く、
前記第1の温度および前記第2の温度は、それぞれ10K以上300K以下である、発光デバイス。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記発光物質の発光スペクトルの半値幅は、前記第1の物質の発光スペクトルの半値幅よりも狭い、発光デバイス。
【請求項3】
請求項1において、
前記発光物質の発光量子収率は、前記第1の物質の発光量子収率よりも大きい、発光デバイス。
【請求項4】
請求項1において、
前記発光物質の発光量子収率は60%以上である、
発光デバイス。
【請求項5】
請求項1において、
前記発光物質のストークスシフトは、0.35eV以下である、発光デバイス。
【請求項6】
請求項1において、
前記発光物質は、蛍光発光を呈し、前記第1の物質のS

準位は、前記発光物質のS

準位よりも高い、発光デバイス。
【請求項7】
第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、
前記発光層は、少なくとも、発光物質と、第1の物質と、を有し、
前記発光物質は、燐光発光を呈し、
前記第1の物質の光励起によって生じる遅延蛍光の、第1の温度における発光寿命は、第2の温度における発光寿命より短く、
前記第1の温度は、前記第2の温度より低く、
前記第1の温度および前記第2の温度は、それぞれ10K以上300K以下である、発光デバイス。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の物質のT

準位は、前記発光物質のT

準位よりも高い、発光デバイス。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1の物質のS

準位は、前記発光物質のT

準位以上である、発光デバイス。
【請求項10】
第1の電極と第2の電極との間に発光層を有し、
前記発光層は、少なくとも、発光物質と、第1の物質と、第2の物質と、を有し、
前記発光物質は、燐光発光を呈し、
前記第1の物質の光励起によって生じる遅延蛍光の、第1の温度における発光寿命は、第2の温度における発光寿命より短く、
前記第1の温度は、前記第2の温度より低く、
前記第1の温度および前記第2の温度は、それぞれ10K以上300K以下である、発光デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、発光デバイス、発光装置、電子機器、および照明装置に関する。なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
一対の電極間に発光物質である有機化合物を有する発光デバイス(有機EL素子ともいう)は、薄型軽量・高速応答・低電圧駆動などの特性を有することから、これを適用したディスプレイに関する開発が進められている。この発光デバイスは、電圧が印加されると電極から注入された電子およびホールが再結合し、それによって発光物質が励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。なお、励起状態の種類としては、一重項励起状態(S

)と三重項励起状態(T

)とがあり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。また、発光デバイスにおけるそれらの統計的な生成比率は、S

:T

=1:3であると考えられている。
【0003】
また、上記発光物質のうち、一重項励起状態におけるエネルギーを発光に変換することが可能な化合物は蛍光性化合物(蛍光材料)と呼ばれ、三重項励起状態におけるエネルギーを発光に変換することが可能な化合物は燐光性化合物(燐光材料)と呼ばれる。またこの燐光材料は、項間交差(一重項励起状態から三重項励起状態へ移ること)が起こりやすい。
【0004】
従って、上記の生成比率を根拠にした時、上記各発光物質を用いた発光デバイスにおける内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、蛍光材料を用いた場合は25%、燐光材料を用いた場合は100%となる。
【0005】
つまり、燐光材料を発光物質として用いれば、高効率な発光デバイスを得ることができる。しかしながら一般的に、燐光材料は、イリジウム、白金などの貴金属の重原子を用いた有機金属錯体であるため、高価となることが課題の一つである。そのため近年、熱活性化遅延蛍光材料(TADF材料)と呼ばれる、重原子を用いない材料を発光物質として用いる方法が検討されている。TADF材料は、三重項励起状態から一重項励起状態への項間交差によって、効率よく発光を呈することのできる材料であり、TADF材料を用いることにより、高効率な発光デバイスを得ることができる。
【0006】
また、一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギー準位が逆転したと考えられる材料(a negative singlet-triplet energy gap material、以下、NEST材料と称する)も報告されている(非特許文献1)。一般的な蛍光材料は、フントの規則により、S

準位がT

準位より高い一方で、NEST材料は、S

準位がT

準位より低いことを特徴とする。NEST材料を発光物質として用いた発光デバイスにおいては、三重項励起状態から一重項励起状態への項間交差を利用することで、一般的な蛍光デバイスよりも高効率な発光デバイスが得られている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2021/256446号公報
【非特許文献】
【0008】
Werner Leupin and Jakob Wirz,”Low-Lying Electronically Excited States of Cycl[3.3.3]azine, a Bridged 12π-Perimeter”,J.Am.Chem.Soc.,Vol.102,No.19,6068-6075(1980)
Naoya Aizawa他,”Delayed fluorescence from inverted singlet and triplet excited states”,Nature,vol.609,502-506(2022)
Nicholas J. Turro,V.Ramamurthy,J.C. Scaiano著,「MODERN MOLECULAR PHOTOCHEMISTRY OF ORGANIC MOLECULES」,UNIVERSITY SCIENCE BOOKS,2010年2月10日発行,pp.204-208
Daisaku TANAKA他,「Ultra High Efficiency Green Organic Light-Emitting Devices」,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.46,No.1,2007,pp.L10-L12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献2で開示される発光デバイスの発光効率は、一般的な燐光デバイスよりは低い。これはNEST材料の蛍光量子収率を十分高められていないためと考えられる。
【0010】
またNEST材料は、発光スペクトルがシャープなDABNAなどの窒素とホウ素を含む縮合複素芳香族化合物と比較すると、発光スペクトルがブロードである。ディスプレイ用途とした場合、色純度を良くするためには効率のロスが大きくなり、まだ特性が十分とは言えない。
(【0011】以降は省略されています)

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