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公開番号2024055519
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162531
出願日2022-10-07
発明の名称ボールねじ装置および直動機構
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 25/22 20060101AFI20240411BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ボールねじ軸を任意位置に無給電でロックできるボールねじ装置および直動機構を提供する。
【解決手段】ロック機構は、ナット部材に一体状に固着されるディスク板と、ボールねじ軸の軸心方向の往復動が可能な磁性材からなる規制板と、規制板をディスク板側へ押圧して、規制板に付設された摩擦材をディスク板に押し当ててナット部材の回転を規制する押圧部材と、押圧部材の押圧力に抗して摩擦材のディスク板への押し当てを解除する解除機構とを備える。解除機構は、永久磁石が内蔵された電磁石コアと、電磁石コアに配設される一対のコイルとを有する電磁石を備える。一対のコイルに電流を流すことにより、電磁吸引力を発生させて規制板を電磁石側へ吸引する。一対のコイルに流す電流の方向を変更することにより、永久磁石の起磁力の調整を可能とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外周面にねじ溝が設けられたボールねじ軸と、ボールねじ軸に挿入され、内周面にねじ溝が設けられたナット部材と、ボールねじ軸のねじ溝とナット部材のねじ溝との間に嵌合される複数のボールと、前記ナット部材の回転を規制する口ック機構を備えたボールねじ装置であって、
前記ロック機構は、前記ナット部材に一体状に固着されるディスク板と、ボールねじ軸の軸心方向の往復動が可能な磁性材からなる規制板と、前記規制板を前記ディスク板側へ押圧して、前記規制板に付設された摩擦材をディスク板に押し当てて前記ナット部材の回転を規制する押圧部材と、前記押圧部材の押圧力に抗して前記摩擦材のディスク板への押し当てを解除する解除機構とを備え、
前記解除機構は、永久磁石が内蔵された電磁石コアと、電磁石コアに配設される一対のコイルとを有する電磁石を備え、一対のコイルに電流を流すことにより、電磁吸引力を発生させて前記規制板を電磁石側へ吸引し、かつ、一対のコイルに流す電流の方向を変更することにより、前記永久磁石の起磁力の調整を可能としたことを特徴とするボールねじ装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記解除機構は、大径の第1コイルと、小径の第2コイルと、第1コイルと第2コイルとの間に介装される前記永久磁石とを備え、第1コイルに流す電流の方向と第2コイルに流す電流の方向と同一方向として前記電磁石コア内に磁気ループを生じさせるとともに前記永久磁石に磁束を通過させない同方向励磁モードと、第1コイルに流す電流の方向と第2コイルに流す電流の方向とが逆方向として前記電磁石コア内に前記永久磁石に磁束を通過させる磁気ループを生じさせる逆方向励磁モードとがあることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項3】
前記摩擦材をディスク板に押し当てて前記ナット部材の回転を規制している状態で、前記第1・第2コイルに同一方向の電流を流す同方向励磁モードとして、前記電磁石と規制板との間に磁気吸引力を作用させて、摩擦材のディスク板への押し当て力の軽減を可能としたことを特徴とする請求項2に記載のボールねじ装置。
【請求項4】
ナット部材の回転を規制するロック状態におけるボールねじ軸に係る軸方向荷重を検出る荷重センサを備えたことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項5】
ナット部材の回転を規制するロック状態の解除時において、前記電磁石の磁気吸引力を増加させて前記摩擦材の押し付け力を弱めるとともに、前記ナット部材の駆動トルクを増加させて、ナット部材の駆動トルクの逆方向の回転を規制する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項6】
前記電磁石と規制板との間の隙間寸法を検出する隙間検出センサを備え、この隙間寸法に応じて電磁石の一対のコイルに流すコイル電流を調整して前記電磁石の磁気吸引力を制御することを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項7】
前記電磁石が規制板を吸着した状態で、一対のコイルに逆方向の電流を流して、前記永久磁石が軸方向に沿って通る磁束にて着磁し、一対のコイルへの電流停止でも、規制板が電磁石に吸着状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項8】
一対のコイルに電流を流して、前記永久磁石が軸方向に沿って通る磁束にて着磁している状態で、一対のコイルに逆方向の電流を流すことにより、前記永久磁石の消磁を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項9】
前記永久磁石の着磁状態を、磁路中の磁束密度から求め、コイル電流の大きさ、向き、流す時間を調整して所望の着磁状態とすることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項10】
永久磁石が軸方向に沿って通る磁束にて着磁している状態での規制板の電磁石への吸着が可能な低保磁力磁石であることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじ装置および直動機構に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ボールねじ装置を構成するボールねじは、伝達効率が高いため、各種直動機構(直動アクチュエータ)に用いられる。一般に、ボールねじは、ねじ軸、ナット、及びボール等から構成され、ねじ軸とナットのどちらかを回転させると、もう一方が直線運動する機械部品である。このため、直線運動を行う側に対してその位置を保持するため、モータ等の駆動源から常時動力を供給する必要があった。しかしながら、常時動力を供給する場合、エネルギー損失していることになる。そこで、従来には、ボールねじの位置保持機構は種々提案されている(特許文献1~特許文献3)。
【0003】
ところで、ボールねじは、回転運動を直線運動に変換する正効率、直線運動を回転運動に変換する逆効率いずれもが高いという特徴を持つ。このため、小さなモータでナットを直線運動させることができるという利点がある反面、力の逆入力、すなわちナットに作用する軸力によってねじ軸が回転してしまうという課題がある。ねじ軸を回転させないためには、モータに電流を供給してモータから保持力を派生させる必要がある。
【0004】
力の逆入力に対して、モータに電流を供給しなくても、ナットが軸方向に移動しないようにするためには、モータの回転運動を減速する減速機構にセルフロック性、すなわち力の逆入力に起因する回転力に対する自己保持性を持たせる必要がある。
【0005】
特許文献1では、運動変換機構部の駆動を防止するロック機構部を備えた電動アクチュエータが記載されている。この場合、周方向に複数の係合孔が形成されたギヤと、ギヤに対して軸方向に進退して係合孔に対して嵌合するロック部材を有するものである。
【0006】
特許文献2では、減速機構にセルフロック機能を持たせるものであり、セルフロック機能を持たせるために高減速比に設定する必要があった。
【0007】
特許文献3は、ボールねじを用いた転舵装置が記載されている。そして、この転舵装置は電磁ブレーキ装置を備えるものであり、電磁ブレーキ装置は、モータ出力軸に取り付けられたディスクにブレーキシューを押し付けてロックするものである。この場合、ロック時はブレーキシューがコイルばねによってディスクに押し付けられており、ソレノイドに通電することでブレーキシューがディスクから引き離されてロックが解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2018-13183号公報
特開2014-025515号公報
特開2016-92891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のものでは、ギヤに形成された係合孔の数は有限であり、任意の位置でロックすることができない。また、減速機歯車の回転を止めてもバックラッシ分はボールねじナットが回転し、ねじ軸が動くことになる。
【0010】
前記特許文献2に記載されたものでは、セルフロック機能を持たせるために減速機を高減速比に設定する必要があるため、高応答性を供給される用途には対応できず、しかも、一般的な減速機に比べて効率も悪いものとなる。また高減速比にしても完全に逆入力を遮断できるわけではないため駆動力を断った状態で変動荷重が加わると位置保持ができない場合がある。逆入力を低減させるために台形ねじやウォームギヤ等を用いた直動アクチュエータも同様である。
(【0011】以降は省略されています)

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