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公開番号2024055386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162261
出願日2022-10-07
発明の名称通信システム、受信機、補償量計算装置、及び歪み補償方法
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類H04B 10/2507 20130101AFI20240411BHJP(電気通信技術)
要約【課題】係数が適応的に制御される適応等化フィルタにおけるタップ長を抑制しつつ、高精度な歪み補償を実施することを可能にする。
【解決手段】歪み補償フィルタ21は、フィルタ係数が適応的に制御されることで、送信機から送信される信号を受信機においてコヒーレント受信することで得られる受信信号に含まれる歪みを補償する。群遅延リプル計算部22は、歪み補償フィルタ21のフィルタ係数に基づいて、受信信号に含まれる群遅延を計算し、計算した群遅延から群遅延リプルを計算する。フィードバック計算部23は、計算された群遅延リプルに基づいて位相応答を計算する。フィードバック計算部23は、計算した位相応答を、受信機に含まれる適応等化フィルタの前段に配置される、位相補償機能を有する1以上のフィルタにフィードバックし、1以上のフィルタに群遅延リプルを少なくとも部分的に補償させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フィルタ係数が適応的に制御されることで、伝送路を介して送信機から送信される信号を受信機においてコヒーレント受信することで得られる受信信号に含まれる歪みを補償する歪み補償フィルタと、
前記歪み補償フィルタのフィルタ係数に基づいて、前記受信信号に含まれる群遅延を計算し、該計算した群遅延から群遅延リプルを計算する群遅延リプル計算部と、
前記計算された群遅延リプルに基づいて位相応答を計算し、該計算した位相応答を、前記受信機に含まれる適応等化フィルタの前段に配置される、位相補償機能を有する1以上のフィルタにフィードバックし、前記位相補償機能を有する1以上のフィルタに前記群遅延リプルを少なくとも部分的に補償させるフィードバック計算部とを備える補償量計算装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記位相補償機能を有する1以上のフィルタは、前記伝送路に配置される光フィルタ、送信機に配置されるフィルタ、及び受信機に配置されるフィルタの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の補償量計算装置。
【請求項3】
前記送信機から送信される信号は、第1の偏波及び第2の偏波に多重化されており、
前記歪み補償フィルタは、前記受信信号の第1の偏波成分に対応する複素数信号と、前記受信信号の第2の偏波成分に対応する複素数信号とが入力され、1つの複素数信号を出力する2×1多入力1出力(MISO:multi-input-single-output)フィルタを含む、請求項1又は2に記載の補償量計算装置。
【請求項4】
前記フィードバック計算部は、前記計算された群遅延リプルに重み係数を乗算し、前記重み係数が乗算された群遅延リプルを前記位相応答に変換し、該変換された位相応答を、前記位相補償機能を有する1以上のフィルタにフィードバックする、請求項1又は2に記載の補償量計算装置。
【請求項5】
送信機から伝送路を介して送信された信号をコヒーレント受信する受信回路と、
前記コヒーレント受信された受信信号に含まれる波長分散に起因する歪みを補償する、位相補償機能を有するフィルタである波長分散補償フィルタと、
フィルタ係数が適応的に制御されることで、前記波長分散補償フィルタで前記歪みが補償された受信信号に含まれる歪みを適応的に補償する適応等化フィルタと、
前記適応等化フィルタで歪みが補償された受信信号に対して復調及び復号を行う信号再生回路と、
請求項1又は2に記載の補償量計算装置とを備える受信機。
【請求項6】
前記補償量計算装置の前記フィードバック計算部は、前記受信機の前記波長分散補償フィルタに前記位相応答をフィードバックし、
前記波長分散補償フィルタは、前記フィードバックされた位相応答に基づいて、前記受信信号に含まれる前記群遅延リプルを補償する、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
伝送路を介して信号を送信する送信機と、
前記送信された信号を受信する受信機と、
請求項1又は2に記載の補償量計算装置とを備える通信システム。
【請求項8】
前記伝送路は、位相補償機能を有する光フィルタを含み、
前記補償量計算装置の前記フィードバック計算部は、前記光フィルタに、前記位相応答をフィードバックする、請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記送信機は、
送信される信号を符号化する符号化器と、
前記符号化された信号に対して予等化を実施する予等化器と、
予等化が実施された信号を変調し、該変調された信号を前記伝送路に出力する変調器とを有し、
前記予等化器は、位相補償機能を有するフィルタを含み、
前記補償量計算装置の前記フィードバック計算部は、前記予等化器の前記位相補償機能を有するフィルタに、前記位相応答をフィードバックする、請求項7に記載の通信システム。
【請求項10】
伝送路を介して送信機から送信される信号を受信機においてコヒーレント受信することで得られる受信信号を歪み補償フィルタに入力し、該歪み補償フィルタのフィルタ係数を適応的に制御することで前記受信信号に含まれる歪みを補償し、
前記歪み補償フィルタのフィルタ係数に基づいて、前記受信信号に含まれる群遅延を計算し、該計算した群遅延から群遅延リプルを計算し、
前記計算された群遅延リプルに基づいて位相応答を計算し、該計算した位相応答を、前記受信機に含まれる適応等化フィルタの前段に配置される、位相補償機能を有する1以上のフィルタにフィードバックすることで、前記位相補償機能を有する1以上のフィルタに前記群遅延リプルを少なくとも部分的に補償させる、歪み補償方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、受信機、補償量計算装置、及び歪み補償方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ通信において、高いスペクトル利用効率を実現するため、高次のQuadrature amplitude modulation(QAM)変調などの多値変調が採用されている。コヒーレント受信技術の導入以来、光ファイバ伝送路で蓄積される波長分散を受信側で一括して補償するなど、デジタル信号処理による柔軟な受信側での等化信号処理が可能となった。しかしながら、一般的に、高次の多値変調信号は歪みに脆弱である。高度変調方式において、性能を担保するためには、高精度な等化処理が必要となる。
【0003】
関連技術として、特許文献1は、デジタルコヒーレントに用いられる光受信装置を開示する。特許文献1に記載の光受信装置は、デジタル信号処理部を有する。デジタル信号処理部は、波長分散補償部、適応等化部、及び波長分散推定回路を有する。波長分散補償部は、伝送路である光ファイバで光信号に付与された波長分散に起因する波形歪みを抑制する。適応等化部は、波長分散補償部から出力される光信号に対して、光ファイバを伝送する光信号の偏波変動に起因して生じた高速な波形劣化を適応的に補償する。適応等化部は、2×2のバタフライ構成で構成されたNタップの有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタを4つ有する。
【0004】
波長分散推定回路は、適応等化部のフィルタ係数から、波長分散補償部が補償しきれなかった残留分散を算出し、算出した残留分散を波長分散補償部に出力する。より詳細には、波長分散推定回路は、フィルタ係数をフーリエ変換し、フーリエ変換されたフィルタ係数を周波数で微分することで得られた結果と、フーリエ変換されたフィルタ係数の複素共役とを積算して行列を算出する。波長分散推定回路は、算出した行列の2つの固有値の和を計算し、2つの固有値の和から、周波数に対する比例係数を算出する。この比例係数は、波長分散補償部で除去しきれなかった残留分散に比例する値である。波長分散補償部は、固定的に設定された第1の波長分散補償量に、第1の波長分散補償量だけでは補償しきれない残留分散を補償する第2の波長分散補償量を重畳し、残留分散を低減させるように波長分散補償を行う。
【0005】
別の関連技術として、非特許文献1は、光伝送システムにおける線形歪みを推定するアルゴリズムを開示する。非特許文献1には、波長分散(CD:chromatic dispersion)、偏波モード分散(PMD:polarization-mode dispersion)、及び偏波依存損失(PDL:polarization-dependent loss)などの線形歪みが、2×2のバタフライ構成で構成された4つのFIRフィルタを使用して補償できることが記載されている。非特許文献1において、波長分散、偏波依存損失、微分群遅延(DGD:Differential-Group-Delay)、及び2次偏波モード分散などの線形歪みは、FIRフィルタのタップ係数から計算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-92607号公報
【非特許文献】
【0007】
Md. Saifuddin Faruk et al, Multi-impairment monitoring from adaptive finite-impulse-response filters in a digital coherent receiver, Optics Express Vol. 18, Issue 26, pp. 26929-26936 (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献1において、適応等化部において用いられるFIRフィルタのタップ長は、光信号に含まれる線形劣化量に比例して増加する。特許文献1では、波長分散推定回路は、適応等化部のフィルタ係数に基づいて、線形劣化の1つである残留波長分散を推定する。波長分散補償部は、固定的に設定された波長分散に加えて、推定された残留分散を補償する。このようにすることで、適応等化部に入力される光信号に含まれる線形劣化量を低減することができ、FIRフィルタのタップ長を抑制することができると考えられる。
【0009】
しかしながら、特許文献1では、光ファイバの分散スロープや光デバイスの周波数特性に起因する群遅延リプルなどの劣化は考慮されていない。これらの劣化を補償するために、適応等化部にはタップ長が長いFIRフィルタが用いられる必要がある。特許文献2は、各種線形歪みが、FIRフィルタのタップ係数から計算することを開示しているだけであり、特許文献2には、FIRフィルタのタップ長を抑制することは開示されていない。
【0010】
本開示は、上記事情に鑑み、係数が適応的に制御される適応等化フィルタにおけるタップ長を抑制しつつ、高精度な歪み補償を実施することを可能にする通信システム、受信機、補償量計算装置、及び歪み補償方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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