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公開番号2024052914
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-12
出願番号2024030596,2020215260
出願日2024-02-29,2020-12-24
発明の名称硬質炭素膜とその成膜方法
出願人日本アイ・ティ・エフ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 14/06 20060101AFI20240405BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】潤滑剤存在下で転がり摺動する部材に対しても、基材からの剥離を抑制して、長期間にわたる優れた摺動性を維持する硬質炭素膜とその成膜方法を提供する。
【解決手段】基材上の潤滑剤接触部位を被覆する硬質炭素膜であって、表面から見て1つ以上の角を備えた孔が表面に複数形成され、孔の最長部長さが10~200μmの硬質炭素膜。基材上に中間層を形成する中間層形成工程と中間層上に硬質炭素膜を形成する硬質炭素膜形成工程と硬質炭素膜に対して複数の孔を形成する工程を備え、中間層形成工程が炭化水素を原料とするプラズマCVD法成膜とCrまたはWをカソードに用いたスパッタ法成膜とを行う工程であり、硬質炭素膜形成工程が炭化水素を原料とするプラズマCVD法成膜と固形炭素をカソードに用いたスパッタ法成膜とを行う工程であり、孔形成工程がカソード表面に付着した被膜が崩れた炭素フレークを除去する工程である硬質炭素膜の成膜方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材上の潤滑剤が接触する部位の少なくとも一部を被覆する硬質炭素膜であって、
表面から見て、
1つ以上の角を備えた孔が、表面に複数形成されて
おり、前記孔の最長部の長さが、10~200μmであ
ることを特徴とする硬質炭素膜。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記孔の膜表面に占める比率が、7~23%であることを特徴とする請求項
1に
記載の硬質炭素膜。
【請求項3】
表面の算術平均粗さRaが、0.01~0.07μmであることを特徴とする請求項1
または
請求項

に記載の硬質炭素膜。
【請求項4】
前記孔の最大谷深さRvが、0.04~0.23μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項

のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
【請求項5】
前記孔の油溜り深さRvkが、0.03~0.35μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項

のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
【請求項6】
前記基材上に形成された中間層上に形成されており、
前記中間層が、クロムまたはタングステンを含む金属含有硬質炭素層であることを特徴とする請求項1ないし請求項

のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
【請求項7】
前記基材が、基材本体部、および、前記基材本体部上に形成されたクロムまたはタングステンの金属下地層から構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項

のいずれか1項に記載の硬質炭素膜。
【請求項8】
請求項

に記載の硬質炭素膜の成膜方法であって、
前記基材上に、中間層として、クロムまたはタングステンを含む金属含有硬質炭素層を形成する中間層形成工程と、
前記中間層上に、硬質炭素膜を形成する硬質炭素膜形成工程と、
形成された前記硬質炭素膜に対して、複数の前記孔を形成する孔形成工程とを備えており、
前記中間層形成工程が、炭化水素を原料とするプラズマCVD法による成膜と、クロムまたはタングステンをスパッタカソードに用いたスパッタ法による成膜とを、同一真空チャンバー内で並行して行う複合プロセス工程であり、
前記硬質炭素膜形成工程が、炭化水素を原料とするプラズマCVD法による成膜と、固形炭素をスパッタカソードに用いたスパッタ法による成膜とを、同一真空チャンバー内で並行して行う複合プロセス工程であり、
前記孔形成工程が、前記中間層形成工程
および前記硬質炭素膜形成工程の少なくとも一方
において前記スパッタカソードの表面に付着した炭素被膜が崩れて発生した炭素
フレーク
を除去することにより、前記孔を形成する工程であることを特徴とする硬質炭素膜の成膜方法。
【請求項9】
基材本体部上に、クロムまたはタングステンの金属下地層を形成して前記基材を形成する基材形成工程が設けられていることを特徴とする請求項

に記載の硬質炭素膜の成膜方法。
【請求項10】
前記基材の表面を、予め、水素ガス、酸素ガスおよび希ガスから成る群より選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝すことによりクリーニングすることを特徴とする請求項
8または
請求項

に記載の硬質炭素膜の成膜方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質炭素膜とその成膜方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
硬質炭素(DLC:ダイヤモンドライクカーボン)膜は、低摩擦性・高耐摩耗性・低凝集性(耐焼き付き性)など、優れた摺動特性を有しているため、例えば、機械・装置、金型、切削工具および自動車部品などの摺動部材として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、このような硬質炭素膜を潤滑剤の存在下で使用した場合、摺動部が貧潤滑な状態となると硬質炭素膜の摺動性が低下して、基材から剥離し、最終的には疲労破壊により部材が損傷される恐れがある。
【0004】
また、近年の潤滑剤の低粘度化に伴い、このような貧潤滑状態が短時間で発生するようになっている。
【0005】
これらの理由から、貧潤滑状態の発生を遅らせることにより、硬質炭素膜の基材からの剥離を抑制して、長期間にわたって摺動性を維持することができる硬質炭素膜について、種々の技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、硬質炭素膜に潤滑剤溜が形成され、潤滑剤溜の側壁面と硬質炭素膜の外表面とのなす角度を90度より大きくすることが提案されている。そして、特許文献2には、粒状凹凸を密集して形成させることが提案されている。また、特許文献3には、摺動面に凹部を形成させて、この凹部の内面を覆うように親油性物質からなる被膜を形成させることが提案され、特許文献4には、硬質炭素膜にプラズマエッチング等を用いて凹部を形成させることが提案されている。
【0007】
これらの技術は、基本的に、摺動部とは直接接触しない凹みを形成させて、この凹みに潤滑剤を溜めることにより、潤滑剤の枯渇を遅らせ、貧潤滑状態の発生を抑制する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2005-172082号公報
特開2013-087197号公報
特開2012-197900号公報
特許第4442349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した各技術は、一般的な摺動に対してある程度の効果は発揮されるものの、未だ十分とは言えず、特に、エンジン部材などの転がり摺動する部材に対しては、長期間にわたる摺動性の維持が不十分であり、改善の要請が強くなっている。
【0010】
そこで、本発明は、潤滑剤の存在下で転がり摺動する部材に対しても、基材からの剥離を抑制して、長期間にわたって優れた摺動性を維持することができる硬質炭素膜とその成膜方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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