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公開番号2023177839
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-14
出願番号2022090746
出願日2022-06-03
発明の名称鉄製の調理器具
出願人株式会社極東窒化研究所
代理人個人,個人
主分類C23C 8/26 20060101AFI20231207BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】窒化処理により耐久性に優れながら、食材の焦げ付きを効果的に防止できる鉄製の調理器具を提供する。
【解決手段】鉄製の調理器具1の調理面2には、表面加工処理による凹凸面部3が形成され、かつ凹凸面部3が形成された調理面2に窒化処理による窒化層4が形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
鉄製の調理器具の調理面には、表面加工処理による凹凸面部が形成され、かつ前記凹凸面部が形成された前記調理面に窒化処理による窒化層が形成されていることを特徴とする鉄製の調理器具。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記窒化層の表層には、レーザーマーキング処理により、前記調理面の表面より低位の凹条部と、該凹条部の幅方向両縁にて隆起した前記調理面の表面より高位の凸条部とを有する溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄製の調理器具。
【請求項3】
前記溝部は、前記調理面に渡るハニカム形状のパターンを成すことを特徴とする請求項2に記載の鉄製の調理器具。
【請求項4】
前記溝部は、その溝幅が50μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の鉄製の調理器具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化処理により調理面の強度が高められた鉄製の調理器具に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えばフライパンに代表される鉄製の調理器具には、調理中の焦げ付きを防止するために、調理面に窒化処理を施したものがある(例えば、特許文献1参照)。窒化処理では、アンモニアガスなどに晒すことで鉄製の調理面に窒素を浸透させ、化学変化により調理面が化合されて表層が硬化される。これにより、調理面の耐磨耗性、耐疲労性、耐腐食性、耐熱性が向上されるとともに、化学変化により調理面の表層には多孔質の窒素拡散層が形成され、食材側の油分が保持され、油馴染みがよく食材のこびりつきを効果的に防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-70751号公報(第3頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の調理器具は、窒化処理に加えてブラスト処理等の表面加工処理が行われ、凹凸面が形成されている。これは、窒化処理による窒素拡散層のみならず、微細な凹凸面でも食材側の油分を保持するための加工処理だが、特許文献1の調理器具は、窒化処理の後にブラスト処理等の表面加工処理が行われるため、先に形成された窒素拡散層がブラスト処理により潰れ、食材側の油分を保持しにくくなる虞があり、食材の焦げ付きを効果的に防止できない可能性があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、窒化処理により耐久性に優れながら、食材の焦げ付きを効果的に防止できる鉄製の調理器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の鉄製の調理器具は、
鉄製の調理器具の調理面には、表面加工処理による凹凸面部が形成され、かつ前記凹凸面部が形成された前記調理面に窒化処理による窒化層が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、微細な凹凸面部が形成された状態の鉄製の調理器具の調理面に対して、更に窒化処理により窒化層が形成されるため、凹凸面部の表面側に窒化層が形成され、凹凸面部自体と、その表面側に形成された多孔質の化合物層に食材側の油分を十分に保持することができる、つまり油馴染みがよく食材の焦げ付きを効果的に防止できる。また、表面加工処理で凹凸面部が形成されたことで、鉄製の調理器具本体の調理面の表面積が増え、アンモニアガスなどによる窒化処理の効率が高く、確実に広範囲に窒素拡散層が形成されている。
【0007】
前記窒化層の表層には、レーザーマーキング処理により、前記調理面の表面より低位の凹条部と、該凹条部の幅方向両縁にて隆起した前記調理面の表面より高位の凸条部とを有する溝部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、溝部の凹条部に油が保持され焦げ付きを防止するとともに、調理面の表面より高位の凸条部により食材との接触面積が小さくなり、調理中の食材がはがれやすい。
【0008】
前記溝部は、前記調理面に渡るハニカム形状のパターンを成すことを特徴としている。
この特徴によれば、調理面全体における焦げ付きを防止できるとともに、調理面に形成された凹凸面部と窒化層はハニカム形状の各セルに囲われた部分において区画されて油の移動が抑制されるため、焦げ付きを防止する効果を維持できる。
【0009】
前記溝部は、その溝幅が50μm以下であることを特徴としている。
この特徴によれば、溝部の溝幅が50μm以下であるため油が過剰に保持されることがないばかりか、凹条部に食材が張り付きにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係る実施例としての鉄製の調理器具を示す斜視図である。
凹凸面部が形成された調理面を示す断面図である。
窒化層が形成された調理面を示す断面画像である。
窒化層が形成された調理面を示す表面画像である。
レーザーマーキングにより形成される溝部のパターンを示す表面のイメージ図ある。
レーザーマーキングにより形成される溝部の表面画像である。
(a)は事前に表面加工処理を行わなかった状態で窒化処理を行った際の調理面の断面を撮影した画像であり、(b)は基材の調理面に窒化処理を施した後に表面加工処理を施した場合の調理面を示す表面画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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