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公開番号2024052317
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158963
出願日2022-09-30
発明の名称搬送装置及びこの搬送装置を備えるインライン式の真空処理装置
出願人株式会社アルバック
代理人弁理士法人青莪
主分類C23C 14/56 20060101AFI20240404BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】基板がその処理面を開放した状態で設置できる搬送トレイを真空チャンバ内で一方向に搬送するための搬送装置をランニングコストの削減効果が高い構成とする。
【解決手段】搬送装置TMは一対の搬送ユニットTm1,Tm2を備える、各搬送ユニットが、搬送トレイTcの搬送方向に間隔を存して設けられる2個の回転部材21a,21b、22a,22bの間に巻き掛けられて周回走行する搬送ベルト23a、23bと、搬送トレイが載置される搬送ベルトの部分を支持する複数個の支持ローラ24とを有する。各搬送ベルトを同期して周回走行させて、これらの搬送ベルトに跨って載置される搬送トレイのX軸方向への搬送を繰り返したときに、搬送トレイと比較して優先的に変形するように搬送ベルトが構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理基板がその処理面を開放した状態で設置できる搬送トレイを真空チャンバ内で一方向に搬送するための搬送装置において、
被処理基板面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、Y軸方向に間隔を存して配置される一対の搬送ユニットを備え、各搬送ユニットが、X軸方向に間隔を存して設けられる2個の回転部材の間に巻き掛けられて周回走行する搬送ベルトと、X軸方向に間隔を存して設けられて前記搬送トレイが載置される前記搬送ベルトの部分を支持する複数個の支持ローラとを夫々有し、
前記一対の搬送ユニットの各搬送ベルトを同期して周回走行させてこれらの搬送ベルトに跨って載置される前記搬送トレイのX軸方向への搬送を繰り返したときに、搬送トレイと比較して優先的に変形するように前記搬送ベルトが構成されることを特徴とする搬送装置。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記回転部材の少なくとも一方をX軸方向で互いに離間する方向に付勢する付勢手段を備え、前記搬送ベルトが変形したときに前記付勢手段の付勢力で前記回転部材の少なくとも一方がX軸方向に変位されて前記搬送ベルトに付与されるテンションが維持されることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記回転部材の少なくとも一方の変位量を検出する検出器を更に備えることを特徴とする請求項2記載の搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載の搬送装置と、前記真空チャンバ内で前記被処理基板に対して所定の真空処理を施すための真空処理ユニットとを備えるインライン式の真空処理装置。
【請求項5】
前記搬送装置及び前記真空処理ユニットの少なくとも一方の作動を制御する制御ユニットを更に備え、前記制御ユニットが前記検出器に通信自在に接続されて、前記検出器の検出値に応じてベルト交換に関する情報を報知するように構成されることを特徴とする請求項4記載のインライン式の真空処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバ内で被処理基板がその処理面を開放した状態で設置できる搬送トレイを一方向に搬送するための搬送装置及びインライン式の真空処理装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、フラットパネルディスプレイの製造工程には、ガラス基板等の被処理基板(以下、「基板」という)の片面(成膜面)に有機膜や金属膜を真空蒸着法にて順次成膜する工程がある。このような工程には、一般にインライン式の真空成膜装置が利用される。このような真空処理装置としての真空成膜装置は、一方向に長手な真空チャンバを有し、その内部には、複数個の成膜源が列設されていると共に、各成膜源が列設された方向に基板を搬送する搬送装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。この場合、基板はその処理面を開放した状態で搬送トレイに設置された状態で搬送される。なお、近年の基板の大面積に伴い、基板と搬送トレイとを含めた総重量は数百キロに及ぶ場合がある。
【0003】
上記搬送装置は、基板面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、Y軸方向に間隔を存して配置される一対の搬送ユニットを備える。各搬送ユニットは、真空チャンバの互いに対峙する側壁にX軸方向に所定間隔で設けられる回転部材としての複数個の駆動ローラを有する。そして、一対の搬送ユニットの各駆動ローラを同期して回転駆動させて、これらの駆動ローラに跨って載置される搬送トレイが各駆動ローラを乗り継ぎながらX軸方向下流側へと搬送される。このような搬送装置では、例えば、各駆動ローラを乗り継ぐ際の搬送トレイと駆動ローラとの衝突や搬送トレイと駆動ローラとの摺動面での摩耗などは避けられない。このとき、駆動ローラの外周面が、摩耗などで優先的に変形するように設計すると、搬送トレイの搬送時の振動が大きくなって搬送トレイ内で基板が位置ずれを起こし易く、または、搬送トレイの搬送速度がバラツキ易くなってくる。このような搬送不良は、各搬送トレイに設置される基板の成膜面に精度よく一定の膜厚で成膜することを阻害してしまう。このことから、通常は、搬送トレイが駆動ローラと比較して優先的に変形するように設計される(つまり、搬送トレイを消耗品としている)。
【0004】
ところで、インライン式の真空処理装置に利用される搬送トレイは、複数枚の搬送トレイを1セットとし、メンテナンスのために複数セットで準備される。そして、製品歩留まりを高く維持するために、各セットの搬送トレイが予め設定される時間だけ使用されると、セット毎交換することが一般である。このように搬送トレイを消耗品として定期的に交換するのでは、ランニングコストが多大となるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許6179908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、ランニングコストの削減効果が高い搬送装置及びこの搬送装置を備える真空処理装置を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、真空チャンバ内で被処理基板がその処理面を開放した状態で設置できる搬送トレイを一方向に搬送するための本発明の搬送装置は、被処理基板面内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、Y軸方向に間隔を存して配置される一対の搬送ユニットを備え、各搬送ユニットが、X軸方向に間隔を存して設けられる2個の回転部材の間に巻き掛けられて周回走行する搬送ベルトと、X軸方向に間隔を存して設けられて前記搬送トレイが載置される前記搬送ベルトの部分を支持する複数個の支持ローラとを夫々有し、前記一対の搬送ユニットの各搬送ベルトを同期して周回走行させて、これらの搬送ベルトに跨って載置される前記搬送トレイのX軸方向への搬送を繰り返したときに、搬送トレイと比較して優先的に変形するように前記搬送ベルトが構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、真空チャンバ内で搬送トレイを搬送する際に、回転部材や支持ローラと搬送トレイの裏面との間に緩衝材として機能する例えばスチール製の搬送ベルトを介在させ、この搬送ベルトを優先的に変形する消耗品とし、必要に応じて2枚の搬送ベルトを交換するようにした。このため、上記従来例のように搬送トレイ自体を消耗品として定期的に交換するものと比較してランニングコストを大幅に削減することができる。しかも、駆動ローラを用いる従来例のものと比較して搬送時の振動が可及的に抑制されると共に、搬送速度のばらつきも小さくできる。その結果、被処理基板の成膜面に単層膜や多層膜を成膜する場合に、精度よく一定の膜厚で成膜処理を施すことが可能になる。
【0009】
ところで、X軸方向上流側にて一対の搬送ベルトの間に跨るように搬送トレイを載置し、各搬送ベルトを同期して周回走行させて、搬送トレイをX軸方向下流側へと搬送することを繰り返す場合、搬送ベルトに生じる変形には、搬送トレイと搬送ベルトとの間の摩耗(例えば、スリップ痕)だけでなく、伸びによるものがある。そして、搬送ベルトが伸びてくると、搬送速度のバラツキが生じてくる。本発明では、前記回転部材の少なくとも一方をX軸方向で互いに離間する方向に付勢する付勢手段を備え、前記搬送ベルトが(弾性)変形したときに前記付勢手段の付勢力で前記回転部材の少なくとも一方がX軸方向に変位されて前記搬送ベルトに付与されるテンションが維持される構成を採用することができる。これにより、殊更真空チャンバ内を大気開放して搬送ベルトのテンションを再調整するといった作業を不要にでき、常時、搬送速度のバラツキを小さく維持することができる。
【0010】
他方で、搬送ベルトが所定範囲を超えた伸びにより(塑性)変形すると、搬送ベルトに付与されるテンションを維持することができない。このような場合、搬送ベルトを定期的に交換することも考えられるが、搬送ベルトに生じる伸びは、搬送トレイの重量や搬送速度といった搬送条件で異なる。このため、不要なベルト交換を防止できることが好ましい。本発明では、前記回転部材の少なくとも一方の変位量を検出する検出器を更に備える構成を採用することができる。これによれば、例えば、検出器での検知値を真空処理装置または搬送装置の制御ユニットに取り込み、その取り込んだ値が予め設定した閾値を超えた場合に、ベルト交換を報知するようにすれば、搬送ベルトの交換時期が適切に判断でき、不要なベルト交換を防止できる。なお、搬送ベルトに生じるスリップ痕などの摩耗状態を監視するために、CCDカメラなどの撮像素子を設け、その画像解析からもベルト交換を判断すれば、搬送ベルトの変形に伴う搬送不良を確実に防止できてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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