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公開番号2024034774
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022139246
出願日2022-09-01
発明の名称真空浸炭方法及び真空浸炭装置
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類C23C 8/20 20060101AFI20240306BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】表面に凹凸形状を有する被処理物に対して真空浸炭を施す際、凹凸間の表面硬度差をより小さくする真空浸炭方法及び真空浸炭装置を提供する。
【解決手段】真空浸炭方法は、浸炭工程において浸炭室内に炭化水素ガスを供給する第1供給工程と、降温工程の開始時点から焼入均熱工程の終了時点までの間に設定された供給時間中に炭化水素ガスをさらに供給する第2供給工程と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
昇温工程、均熱保持工程、浸炭工程、拡散工程、降温工程、焼入均熱工程、及び冷却工程を順次実行してなる真空浸炭処理を通じて、浸炭室内に収容される被処理物の、凹凸形状を有する表面を浸炭する真空浸炭方法であって、
前記浸炭工程において前記浸炭室内に炭化水素ガスを供給する第1供給工程と、
前記降温工程の開始時点から前記焼入均熱工程の終了時点までの間に設定された供給時間中に前記炭化水素ガスをさらに供給する第2供給工程と、
を含むことを特徴とする真空浸炭方法。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記供給時間は、5~60秒間であることを特徴とする請求項1に記載の真空浸炭方法。
【請求項3】
前記供給時間は、前記焼入均熱工程の開始時点から該焼入均熱工程の前半分が終了する中間時点までの時間帯に含まれることを特徴とする請求項1に記載の真空浸炭方法。
【請求項4】
表面に凹凸形状を有する被処理物が収容される浸炭室と、
前記浸炭室内を加熱する加熱機構と、
前記浸炭室内に炭化水素ガスを供給するガス供給機構と、
前記浸炭室内の気体を真空排気により排出する真空排気機構と、
昇温工程、均熱保持工程、浸炭工程、拡散工程、降温工程、焼入均熱工程、及び冷却工程を順次実行してなる真空浸炭処理を通じて、前記被処理物の表面を浸炭するように、前記加熱機構、前記ガス供給機構、及び前記真空排気機構の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記浸炭工程において前記浸炭室内に炭化水素ガスを供給し、前記降温工程の開始時点から前記焼入均熱工程の終了時点までの間に設定された供給時間中に前記炭化水素ガスをさらに供給するように、前記ガス供給機構の動作を制御することを特徴とする真空浸炭装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物の凹凸形状を有する表面を浸炭する真空浸炭方法及び真空浸炭装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、被処理物の表面上に熱処理を施すことで、被処理物の基材とは異なる機能を被処理物の表面に付与できる様々な熱処理技術が知られている。この類の処理の一例として、被処理物の表面に炭素を浸透・拡散させて焼き入れを行う「浸炭焼入れ」が挙げられる。浸炭処理の種類は、固体浸炭、液体浸炭、ガス浸炭、又は真空浸炭に概ね分類される。
【0003】
特に、真空浸炭は、減圧した炉内に炭化水素ガスを直接供給し、この炭化水素ガスの熱分解によって生じる活性炭素を被処理物の表面に浸透させる方式である。つまり、この真空浸炭は、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量がガス浸炭と比べて格段に少なく、環境に優しい特徴があるので、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals;SDGs)の推進や実現に寄与し得る重要な環境対策技術ともいえる。
【0004】
特許文献1には、真空浸炭炉の加熱室内にアセチレンガスを供給し、1kPa以下の真空状態で浸炭処理を行う方法が開示されている。この浸炭条件により、被処理物としてのワークの小径の深い孔や狭い隙間への浸炭が十分に行われるとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平08-325701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、表面に凹凸形状を有する被処理物に対して真空浸炭を行う場合、表面の曲率が位置に応じて異なるので、表面が平坦な場合と比べて、炭素原子の拡散分布が不均一になりやすくなる。具体的には、凸部の表面から浸透した炭素原子が当該凸部の曲率中心に集中する一方、凹部の表面から浸透した炭素原子が当該凹部の曲率中心から分散する傾向がみられる。その結果、表面近傍の炭素濃度が面方向に偏在することにより、凹凸間の表面硬さの差(以下、表面硬度差ともいう)が生じてしまう。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示される方法では、被処理物の孔や隙間に炭素原子を浸透させる一定の効果があるものの、表面形状に凹凸形状を有する被処理物に対して上記した表面硬度差を小さくする効果がほとんど得られない。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、表面に凹凸形状を有する被処理物に対して真空浸炭を施す際、凹凸間の表面硬度差をより小さくする真空浸炭方法及び真空浸炭装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における真空浸炭方法は、昇温工程、均熱保持工程、浸炭工程、拡散工程、降温工程、焼入均熱工程、及び冷却工程を順次実行してなる真空浸炭処理を通じて、浸炭室内に収容される被処理物の、凹凸形状を有する表面を浸炭する方法であって、前記浸炭工程において前記浸炭室内に炭化水素ガスを供給する第1供給工程と、前記降温工程の開始時点から前記焼入均熱工程の終了時点までの間に設定された供給時間中に前記炭化水素ガスをさらに供給する第2供給工程と、を含む。
【0010】
また、前記供給時間の長さは、5~60秒間であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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