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公開番号2024049963
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156503
出願日2022-09-29
発明の名称蒸着方法および蒸着用容器
出願人富士フイルム株式会社
代理人個人,個人
主分類C23C 14/24 20060101AFI20240403BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】 粉体材料を用いる真空蒸着において、堆積レートを一定に保つことができ、堆積レートを向上するために容器温度を不要に上げる必要がなく、熱分解しやすい粉体材料でも所望の堆積レートで蒸着を行える蒸着方法の提供を課題とする。
【解決手段】 粉体材料を収容する収容部、および、粉体材料蒸気を収容部から放出するための1以上の開口を有し、収容部の内表面積をS、開口の総面積をOとした際に、内表面積Sと開口総面積Oとの比率がO/Sの百分率で0.06~2%である容器を用い、容器を加熱することで粉体材料の真空蒸着を行うことで、課題を解決する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
粉体材料を真空蒸着するに際し、
前記粉体材料を収容して加熱するための容器として、
前記粉体材料を収容する収容部、および、前記粉体材料の蒸気を前記収容部から放出するための1以上の開口を有し、かつ、
前記収容部の内表面の面積をS、前記開口の総面積をOとした際に、前記内表面の面積Sと前記開口の総面積Oとの比率がO/Sの百分率で0.06~2%である容器を用い、前記容器を加熱することで前記粉体材料の真空蒸着を行う、蒸着方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記容器が、前記開口を複数有する、請求項1に記載の蒸着方法。
【請求項3】
前記開口の面積が1mm
2
以下である、請求項2に記載の蒸着方法。
【請求項4】
前記開口同士が1mm以上離間している、請求項2または3に記載の蒸着方法。
【請求項5】
前記開口が円形である、請求項1または2に記載の蒸着方法。
【請求項6】
前記収容部の底面積をSbとした際に、前記容器は、前記内表面の面積Sと前記底面積Sbとの比率がSb/Sの百分率で20%以上である、請求項1または2に記載の蒸着方法。
【請求項7】
前記粉体材料の気化温度と分解温度との差が70℃以下である、請求項1または2に記載の蒸着方法。
【請求項8】
前記粉体材料が昇華性である、請求項1または2に記載の蒸着方法。
【請求項9】
前記容器が、前記収容部の少なくとも一部を構成する容器本体と、前記開口を有する前記容器本体と係合する蓋体とを有し、
前記容器本体および前記蓋体が、通電によって発熱する材料で形成される、請求項1または2に記載の蒸着方法。
【請求項10】
前記粉体材料の体積を前記収容部の容積の50~5%の範囲に保って、前記粉体材料の蒸着を行う、請求項1または2に記載の蒸着方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体材料を真空蒸着するための蒸着方法、および、この蒸着方法に用いられる蒸着用容器に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、真空蒸着では材料を入れた容器を加熱し、その温度を適切に調節することにより材料を所望量気化させて基板に堆積させる。
ここで、真空蒸着において、適正な膜を成膜するためには、単位時間当たりの基板側への材料の堆積量いわゆる堆積レートを適正に制御して、安定して一定の堆積レートで蒸着を行う必要がある。
【0003】
例えば、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイの製造では、透明な基板に有機EL薄膜を形成することが行われる。
ここで、有機EL薄膜の成膜では、沸点(昇華点)が異なる複数の材料を同時に蒸着する場合がある。この際には、1つの材料でも堆積レートが変動すると、成膜される有機EL薄膜の成分が変動してしまい、適正な有機EL薄膜を形成することができない。
【0004】
これに応じて、真空蒸着において堆積レートを一定に保つために、各種の提案がされている。
例えば、特許文献1には、蒸発材料または昇華材料が収容される容器と、容器の上部に配置され、容器内で蒸発または昇華した材料が該容器外に放出される量を制御する開口部と、開口部の下に配置され、容器内の蒸発材料または昇華材料が突沸した突沸物が容器外に放出されるのを遮蔽する突沸物遮蔽板と、突沸物遮蔽板を加熱するヒータと、を具備する蒸発源、および、この蒸発源を用いる蒸着装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2006/075401号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される蒸発源を用いることにより、材料が突沸した際にも、材料が蒸発源から放出されることを抑制できる。
材料の突沸による蒸発源外部への放出は、堆積レートの変動の一因となる。従って、特許文献1に記載される蒸発源を用いることにより、材料の突沸に起因する堆積レートの変動は好適に抑制できる。
【0007】
しかしながら、真空蒸着における堆積レートの変動要因は、突沸以外にも様々な要因があり、より堆積レートを一定に保てる真空蒸着方法の出現が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、粉体材料を蒸着する真空蒸着において、堆積レートを一定に保つことができ、しかも、堆積レートを向上するための容器温度の上昇も抑制でき、熱分解しやすい粉体材料でも所望の堆積レートで真空蒸着を行うことを可能にする蒸着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 粉体材料を真空蒸着するに際し、
粉体材料を収容して加熱するための容器として、
粉体材料を収容する収容部、および、粉体材料の蒸気を収容部から放出するための1以上の開口を有し、かつ、
収容部の内表面の面積をS、開口の総面積をOとした際に、内表面の面積Sと開口の総面積Oとの比率がO/Sの百分率で0.06~2%である容器を用い、容器を加熱することで粉体材料の真空蒸着を行う、蒸着方法。
[2] 容器が、開口を複数有する、[1]に記載の蒸着方法。
[3] 開口の面積が1mm
2
以下である、[1]または[2]に記載の蒸着方法。
[4] 開口同士が1mm以上離間している、[1]~[3]のいずれかに記載の蒸着方法。
[5] 開口が円形である、[1]~[4]のいずれかに記載の蒸着方法。
[6] 収容部の底面積をSbとした際に、容器は、内表面の面積Sと底面積Sbとの比率がSb/Sの百分率で20%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の蒸着方法。
[7] 粉体材料の気化温度と分解温度との差が70℃以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の蒸着方法。
[8] 粉体材料が昇華性である、[1]~[7]のいずれかに記載の蒸着方法。
[9] 容器が、収容部の少なくとも一部を構成する容器本体と、開口を有する容器本体と係合する蓋体とを有し、
容器本体および蓋体が、通電によって発熱する材料で形成される、[1]~[8]のいずれかに請求項1または2に記載の蒸着方法。
[10] 粉体材料の体積を収容部の容積の50~5%の範囲に保って、粉体材料の蒸着を行う、[1]~[9]のいずれかに記載の蒸着方法。
[11] 真空蒸着を行う際に、蒸着を行う材料を収容して加熱する蒸着用容器であって、
材料を収容する収容部、および、材料の蒸気を収容部から放出するための1以上の開口を有し、
収容部の内表面の面積をS、開口の総面積をOとした際に、内表面の面積Sと開口の総面積Oとの比率がO/Sの百分率で0.06~2%である、蒸着用容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、粉体材料を蒸着する真空蒸着において、堆積レートを一定に保つことができ、しかも、堆積レートを向上するための容器温度の上昇も抑制でき、熱分解しやすい粉体材料でも所望の堆積レートで真空蒸着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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