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公開番号2024027836
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130972
出願日2022-08-19
発明の名称被覆工具
出願人株式会社MOLDINO
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23C 14/14 20060101AFI20240222BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】耐久性に優れる被覆工具を提供する。
【解決手段】本発明の被覆工具は、基材と、前記基材の上に硬質皮膜を有する被覆工具であって、前記硬質皮膜は、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、Alを65原子%以上90原子%以下で含有しており、Crを10原子%以上35原子%以下で含有しており、金属元素(半金属を含む)と非金属元素の総量に対して、アルゴン(Ar)を0.50原子%以下で含有している窒化物または炭窒化物であって面心立方格子構造であり、X線回折において面心立方格子構造の(111)面のピーク強度をIa、(200)面のピーク強度をIbとした場合、Ia/Ibが4以上8以下であることを特徴とする被覆工具。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材の上に硬質皮膜を有する被覆工具であって、
前記硬質皮膜は、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、Alを65原子%以上90原子%以下で含有しており、Crを10原子%以上35原子%以下で含有しており、金属元素(半金属を含む)と非金属元素の総量に対して、アルゴン(Ar)を0.50原子%以下で含有している窒化物または炭窒化物であって面心立方格子構造であり、
X線回折において面心立方格子構造の(111)面のピーク強度をIa、(200)面のピーク強度をIbとした場合、Ia/Ibが4以上8以下であることを特徴とする被覆工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金型や切削工具等の工具に適用する被覆工具に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
AlCr窒化物は耐摩耗性と耐熱性に優れる膜種であり被覆金型や被覆切削工具として広く適用されている。近年、アークイオンプレーティング法でAlの含有比率が70原子%を超えるAlリッチなAlCr窒化物を被覆した被覆工具が提案され始めている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-032861号公報
特開2018-059146号公報
特開2020-040175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工具径が2mm以下のような小径工具においては工具性能に与えるドロップレットの影響が大きくなり易い。本発明者は、アークイオンプレーティング法で被覆したAlリッチなAlCr窒化物はドロップレットが多くなり易く、工具の耐久性に改善の余地があることを確認した。
ドロップレットは、硬質皮膜の成膜にスパッタリング法を用いることで低減できる。しかし、単にスパッタリング法を用いて硬質皮膜を成膜した場合、アークイオンプレーティング法を用いて形成された硬質皮膜よりも耐摩耗性に劣る場合があった。
本発明は上記の事情に鑑み、スパッタリング法の適用によりドロップレットを低減しつつ、アークイオンプレーティング法を用いた場合と同等以上の耐久性を実現したAlリッチなAlCr窒化物または炭窒化物を設けた被覆工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の被覆工具は、基材と、前記基材の上に硬質皮膜を有する被覆工具であって、前記硬質皮膜は、金属(半金属を含む)元素の総量に対して、Alを65原子%以上90原子%以下で含有しており、Crを10原子%以上35原子%以下で含有しており、金属元素(半金属を含む)と非金属元素の総量に対して、アルゴン(Ar)を0.50原子%以下で含有している窒化物または炭窒化物であって面心立方格子構造であり、
X線回折において面心立方格子構造の(111)面のピーク強度をIa、(200)面のピーク強度をIbとした場合、Ia/Ibが4以上8以下である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、AlリッチのAlCr窒化物または炭窒化物のスパッタ皮膜を設けた耐久性に優れる被覆工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本実施例1のXRD測定結果の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者は、スパッタリング法のAlリッチなAlCr窒化物または炭窒化物について、面心立方格子構造の結晶の配向を制御することで、被覆工具の耐久性が向上する傾向にあることを知見した。以下、本発明の実施形態の詳細について説明をする。
本実施形態の被覆工具は、基材の表面にAlリッチのAlとCrを主体とする窒化物またはAlリッチのAlとCrを主体とする炭窒化物を有する被覆工具である。本実施形態の被覆工具は、金型や切削工具に適用することができる。特に、工具径が5mm以下、更には3mm以下の小径エンドミルに適用することが好ましい。
【0009】
本実施例において、基材は特段限定されるものではない。冷間工具鋼、熱間工具鋼、高速度鋼、超硬合金等を用途に応じて適宜適用すればよい。基材は予め窒化処理やボンバード処理等をしても良い。
【0010】
本実施形態に係る硬質皮膜は、窒化物または炭窒化物であり、金属(半金属を含む。以下同様。)元素の総量に対して、Alを65原子%以上90原子%以下で含有しており、Crを10原子%以上35原子%以下で含有している。AlとCrを主体とする窒化物または炭窒化物は耐摩耗性と耐熱性のバランスに優れる膜種であり、基材との密着性にも優れ、特にAlの含有比率を大きくすることで硬質皮膜の耐熱性がより向上する。本実施形態に係る硬質皮膜は、耐熱性により優れる窒化物であることが好ましい。また、Alの含有比率を大きくすることで、工具表面に酸化保護皮膜が形成され易くなるとともに、皮膜組織が微細になるため、溶着による硬質皮膜の摩耗が抑制され易くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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