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公開番号2024031057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134355
出願日2022-08-25
発明の名称改質金属材の製造方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C23C 10/46 20060101AFI20240229BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】処理表面の大きな鋼材を用い、同じ処理を繰り返し行うことなく一挙に処理し、従来の表面処理鋼材と同等以上の特性を有しつつ、表面粗度の小さい改質金属材を製造する方法を提供する。
【解決手段】金属基材の少なくとも表面にSiとCoの1種以上を含む拡散元素を拡散させて改質金属材を製造する方法であって、所定の不活性粒子と分散媒とを含む分散液を、金属基材の表面に塗布して第1バリア層を形成する工程、第1バリア層の表面に、拡散元素を含む粉末と所定の活性種とを含む混合粉末と、分散媒とを含む混合粉末分散液を、塗布して混合粉末層を形成する工程、金属基材の表面に前記分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、または混合粉末層の表面に前記分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、金属基材等を含む層状中間体を積層させて積層体を得る工程、および前記積層体を所定の条件で熱処理する工程を含む改質金属材の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属基材の少なくとも表面に、SiとCoのうちの少なくとも1種を含む拡散元素を拡散させて、改質金属材を製造する方法であって、
800℃以上1,200℃以下で焼結せずかつ800℃以上1,200℃以下で水素ガスおよび前記拡散元素のハロゲン化物ガスと反応しない、メジアン径が0.1μm以上100μm以下のバリア層形成用不活性粒子と、分散媒とを含むバリア層形成用不活性粒子分散液を、前記金属基材の表面に塗布して第1バリア層を形成する工程、
前記第1バリア層の金属基材側と反対側の表面に、前記拡散元素を含む粉末と、水素含有雰囲気下800℃以上1,200℃以下で熱分解して前記拡散元素のハロゲン化物ガスを形成する活性種とを含む混合粉末と、分散媒とを含む混合粉末分散液を、塗布して混合粉末層を形成する工程、
前記金属基材の第1バリア層側と反対側の表面に、前記バリア層形成用不活性粒子分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、または前記混合粉末層の第1バリア層側と反対側の表面に、前記バリア層形成用不活性粒子分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、
前記金属基材、第1バリア層、混合粉末層および第2バリア層を含む層状中間体を積層させ、積層体を得る工程、および
前記積層体を、水素含有雰囲気下にて800℃以上1,200℃以下で熱処理する工程
を含む、改質金属材の製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記混合粉末層は、800℃以上1,200℃以下で焼結せずかつ800℃以上1,200℃以下で水素ガスおよび前記拡散元素のハロゲン化物ガスと反応しない、混合粉末層形成用不活性粒子を含む、請求項1に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項3】
前記層状中間体をロール状に巻いて積層体を得る、請求項1または2に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項4】
前記バリア層形成用不活性粒子分散液は、増粘剤とバインダのうちの1以上を更に含む、請求項1または2に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項5】
前記バリア層形成用不活性粒子分散液に含まれる前記増粘剤とバインダのうちの1以上は、PVAである、請求項4に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項6】
前記バリア層形成用不活性粒子分散液に含まれる前記PVAの含有量は、3質量%以上20質量%以下である、請求項5に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項7】
前記混合粉末分散液は、増粘剤とバインダのうちの1以上を更に含む、請求項1または2に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項8】
前記混合粉末分散液に含まれる前記増粘剤とバインダのうちの1以上は、PVAである、請求項7に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項9】
前記混合粉末分散液に含まれる前記PVAの含有量は、3質量%以上20質量%以下である、請求項8に記載の改質金属材の製造方法。
【請求項10】
前記第1バリア層と前記第2バリア層の少なくとも1つは、バリア層形成用不活性粒子の体積割合が1%以上70%以下である、請求項1または2に記載の改質金属材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、改質金属材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えば鋼材等の金属基材の表面から種々の元素を拡散浸透させ、鋼材の表面特性を向上させることが行われており、該技術は、クロマイジング(Chromizing)、シリコナイジング(Siliconizing)、アルミナイジング(Aluminizing)等の呼称により広く活用されている。これらの技術は、金属基材と、拡散元素粉末、ハロゲン系活性種などを混合した粉末とを、例えば、密閉容器中で埋没させ、水素雰囲気中にて長時間の熱処理を行うことで、発生した金属ハロゲン化物ガスと金属基材の表面との反応拡散を生じさせ、金属基材の表面に拡散元素を浸透させる技術である。
【0003】
例えば非特許文献1には、オーステナイト系耐熱合金のクロマイズ処理法の検討について示されている。また特許文献1には、基板に隣接する少なくとも1つの元素金属を含む少なくとも1つの層を形成するためのスラリーであって、以下の(a)~(d)を含むスラリーが開示されている。(a)溶媒、(b)前記合金剤が前記少なくとも1つの元素金属を含み、前記合金剤が前記基板に拡散するように構成されている合金剤、(c)前記少なくとも1つの元素金属の前記基板への拡散を促進するハロゲン化物活性剤、(d)前記合金剤を前記溶媒に分散させるのを助ける不活性種であって、前記不活性種は、約200メッシュ以下の粒子サイズを有する。また、特許文献2には、金属含有部分を形成するための方法であって、(a)X線光電子分光法(XPS)によって測定される場合、少なくとも約0.001重量%の濃度の炭素と、ケイ素、マンガン、チタン、バナジウム、アルミニウムおよび窒素の1つ以上とを含む基材を提供する工程;(b)前記基材に隣接して金属を含む第1の層を堆積させる工程;および(c)前記基材に隣接する前記第1の層から第2の層を生成するのに十分な条件下で前記第1の層および前記基材をアニールに供し、それによって前記第2の層および前記基材を含む前記金属含有部分を形成する工程を含み、前記第2の層は、金属炭化物としての前記炭素および前記金属を含む方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開第2016/230284号明細書
特表2019-513187号公報
【非特許文献】
【0005】
帆足ら,「オーステナイト系耐熱合金のクロマイズ処理法の検討」,鉄と鋼,第56年(1970),第14号,第1880頁~第1890頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1と非特許文献1に記載の方法で表面処理を行うと、得られた表面処理鋼材の表面粗度が大きくなりやすい。近年では、例えばモータ等の電磁部品は、より小型化される傾向にある。限られた空間に、例えば複数の表面処理鋼材をより多く積載することを目的に、鋼材間に形成される空隙をより小さくするには、鋼材の表面粗度を抑えることが有効である。更には、例えば長い帯状の鋼材または複数の鋼材といった処理表面の大きな鋼材に対し、同じ処理を繰り返し行うことなく一挙に処理し、表面処理鋼材を得ることが求められている。本開示はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、処理表面の大きな鋼材を用い、同じ処理を繰り返し行うことなく一挙に処理し、従来の表面処理鋼材と同等以上の特性を有しつつ、表面粗度の小さい改質金属材を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様1は、
金属基材の少なくとも表面に、SiとCoのうちの少なくとも1種を含む拡散元素を拡散させて、改質金属材を製造する方法であって、
800℃以上1,200℃以下で焼結せずかつ800℃以上1,200℃以下で水素ガスおよび前記拡散元素のハロゲン化物ガスと反応しない、メジアン径が0.1μm以上100μm以下のバリア層形成用不活性粒子と、分散媒とを含むバリア層形成用不活性粒子分散液を、前記金属基材の表面に塗布して第1バリア層を形成する工程、
前記第1バリア層の金属基材側と反対側の表面に、前記拡散元素を含む粉末と、水素含有雰囲気下800℃以上1,200℃以下で熱分解して前記拡散元素のハロゲン化物ガスを形成する活性種とを含む混合粉末と、分散媒とを含む混合粉末分散液を、塗布して混合粉末層を形成する工程、
前記金属基材の第1バリア層側と反対側の表面に、前記バリア層形成用不活性粒子分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、または前記混合粉末層の第1バリア層側と反対側の表面に、前記バリア層形成用不活性粒子分散液を塗布して第2バリア層を形成する工程、
前記金属基材、第1バリア層、混合粉末層および第2バリア層を含む層状中間体を積層させ、積層体を得る工程、および
前記積層体を、水素含有雰囲気下にて800℃以上1,200℃以下で熱処理する工程
を含む、改質金属材の製造方法である。
【0008】
本発明の態様2は、
前記混合粉末層は、800℃以上1,200℃以下で焼結せずかつ800℃以上1,200℃以下で水素ガスおよび前記拡散元素のハロゲン化物ガスと反応しない、混合粉末層形成用不活性粒子を含む、態様1に記載の改質金属材の製造方法である。
【0009】
本発明の態様3は、
前記層状中間体をロール状に巻いて積層体を得る、態様1または2に記載の改質金属材の製造方法である。
【0010】
本発明の態様4は、
前記バリア層形成用不活性粒子分散液は、増粘剤とバインダのうちの1以上を更に含む、態様1~3のいずれかに記載の改質金属材の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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