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公開番号2024027550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130436
出願日2022-08-18
発明の名称スパッタリング装置及び成膜方法
出願人株式会社アルバック
代理人弁理士法人青莪
主分類C23C 14/34 20060101AFI20240222BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】結晶欠陥の少なく、結晶配向性が良好な六方晶系の結晶膜をスパッタリング法により成膜することに適したスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】ターゲット31が配置される真空チャンバ1を備え、真空チャンバ内でスパッタ面31aを臨むZ軸方向上方の空間を通過するようにX軸方向に沿って基板Sgを搬送する搬送ユニット7を備える。ターゲットのX軸方向前後に、当該ターゲットのY軸方向長さと同等以上の幅を持つと共にZ軸方向に沿ってのびる規制板6a,6bを夫々立設し、成膜面Sg1とのなす角度が所定値以下となって斜入射するスパッタ粒子の基板への付着が規制板で規制されるように構成する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
ターゲットが配置される真空チャンバを備え、前記ターゲットのスパッタ面内で互いに直交する二軸をX軸方向及びY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とし、前記真空チャンバ内で前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過するようにX軸方向に沿って被処理基板を搬送する搬送ユニットを更に備え、
真空雰囲気の前記真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ発生させ、プラズマで電離したスパッタガスのイオンにより前記スパッタ面をスパッタリングし、搬送ユニットによって被処理基板がX軸方向に搬送される間に、前記スパッタ面から所定の余弦則に従い飛散するスパッタ粒子を被処理基板に付着、堆積させて成膜するスパッタリング装置において、
前記ターゲットのX軸方向前後に、Z軸方向にのびる規制板を夫々立設し、前記被処理基板の成膜面とのなす角度(α)が所定値以下となって斜入射する前記スパッタ粒子の被処理基板への付着が前記規制板で規制されるように構成したことを特徴とするスパッタリング装置。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記角度(α)の所定値が20°であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記搬送ユニットが前記被処理基板をX軸方向前後に搬送自在であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
ターゲットが配置される真空チャンバ内にて、前記ターゲットのスパッタ面内で互いに直交する二軸をX軸方向及びY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向として、前記真空チャンバ内で前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過するようにX軸方向に沿って被処理基板を搬送し、真空雰囲気の前記真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ発生させ、プラズマで電離したスパッタガスのイオンによりターゲットの前記スパッタ面をスパッタリングし、被処理基板が前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過する間に、前記スパッタ面から所定の余弦則に従い飛散するスパッタ粒子を被処理基板に付着、堆積させて成膜する工程を含む成膜方法において、
前記ターゲットのX軸方向前後に立設した、Z軸方向にのびる規制板により前記被処理基板の成膜面とのなす角度が所定値以下となって斜入射する前記スパッタ粒子の前記被処理基板への付着を規制する工程を更に含むことを特徴とする成膜方法。
【請求項5】
前記角度(α)の所定値が20°であることを特徴とする請求項4記載の成膜方法。
【請求項6】
前記空間を複数回通過させて前記被処理基板に対して成膜する工程を更に含む請求項4または請求項5記載の成膜方法。
【請求項7】
請求項6記載の成膜方法であって、前記ターゲットがScとAlとを含み、希ガスと窒素含有ガスとをスパッタガスとして、反応性スパッタリングにより前記被処理基板にScAlN膜を成膜するものにおいて、
前記被処理基板が前記空間を通過させて成膜する際に、スパッタガスの流量を第1流量に設定して第1のScAlN膜を成膜する第1工程と、第1流量より多い第2流量に設定して真空チャンバ内の圧力を高めた上で第2のScAlN膜を成膜する第2工程とを含むことを特徴とする成膜方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタリング装置及び成膜方法に関し、より詳しくは、結晶欠陥の少なく、結晶配向性が良好な六方晶系の結晶膜(ScAlN膜)をスパッタリング法により成膜するためのものに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ScAlN膜は、高い圧電定数を示し、機械的特性にも優れることから、通信用の高周波フィルタ等の各種デバイスにて圧電材料(圧電膜)として用いられている。このようなScAlN膜には、今後の通信の高周波化や周波数帯の近接化に向けて圧電性能の更なる向上が求められ、これには、ScAlN膜が良好な結晶性(欠陥の少ない六方晶系の結晶膜であること)及び応力制御性を有することが必要になる。
【0003】
従来、ScAlN膜あるいはAlN膜のような六方晶系の結晶膜の成膜には、生産性などを考慮して、スパッタリング装置が一般に利用されている(例えば、特許文献1参照)。従来例のスパッタリング装置は、ScとAlとを含む合金製のターゲットが配置される真空チャンバを備える。真空チャンバ内には、その成膜面がターゲットに対向する姿勢で被処理基板(以下、「基板」という)を保持するステージが設けられている。そして、ステージ上に基板を設置した状態で真空雰囲気の真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、ターゲットに負の電位を持つ所定電力を投入する。すると、真空チャンバ内に発生するプラズマで電離された希ガスのイオンでターゲットがスパッタリングされ、ターゲットから所定の余弦則に従い飛散したスパッタ粒子が窒素分子と反応し、その反応生成物が基板の成膜面に付着、堆積することで基板の成膜面にScAlN膜が成膜される。
【0004】
上記従来例のスパッタリング装置では、例えば、ステージへの処理前の基板の搬入及びステージからの処理済みの基板の搬出工程があるため、生産性を高めるには限界がある。このため、基板を保持するキャリアを有する搬送ユニットを真空チャンバ内に設け、真空チャンバ内でターゲットのスパッタ面に平行な一方向に沿って基板を搬送し、スパッタ面を臨む空間を基板が通過する間に成膜することが考えられる。然し、このように成膜したScAlN膜は、結晶欠陥が多く、しかも、ScAlN膜の用途によっては、c軸が基板の成膜面に対して垂直方向(すなわち膜厚方向)に配向していることが好ましいが、その結晶配向性も劣化することが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-135618号公報
特開2021-1382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、結晶欠陥の少なく、結晶配向性が良好な六方晶系の結晶膜をスパッタリング法により成膜することに適したスパッタリング装置及び成膜方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ターゲットが配置される真空チャンバを備え、前記ターゲットのスパッタ面内で互いに直交する二軸をX軸方向及びY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とし、前記真空チャンバ内で前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過するようにX軸方向に沿って被処理基板を搬送する搬送ユニットを更に備え、真空雰囲気の前記真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ発生させ、プラズマで電離したスパッタガスのイオンにより前記スパッタ面をスパッタリングし、搬送ユニットによって被処理基板がX軸方向に搬送される間に、前記スパッタ面から所定の余弦則に従い飛散するスパッタ粒子を被処理基板に付着、堆積させて成膜するスパッタリング装置において、前記ターゲットのX軸方向前後に、Z軸方向にのびる規制板を夫々立設し、前記被処理基板の成膜面とのなす角度(α)が所定値以下となって斜入射する前記スパッタ粒子の被処理基板への付着が前記規制板で規制されるように構成したことを特徴とする。この場合、前記角度(α)の所定値が20°とすればよく、また、前記搬送ユニットが前記被処理基板をX軸方向前後に搬送自在である構成を採用することができる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明は、ターゲットが配置される真空チャンバ内にて、前記ターゲットのスパッタ面内で互いに直交する二軸をX軸方向及びY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向として、前記真空チャンバ内で前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過するようにX軸方向に沿って被処理基板を搬送し、真空雰囲気の前記真空チャンバ内にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ発生させ、プラズマで電離したスパッタガスのイオンによりターゲットの前記スパッタ面をスパッタリングし、被処理基板が前記スパッタ面を臨むZ軸方向上方の空間を通過する間に、前記スパッタ面から所定の余弦則に従い飛散するスパッタ粒子を被処理基板に付着、堆積させて成膜する工程を含む成膜方法において、前記ターゲットのX軸方向前後に立設した、Z軸方向にのびる規制板により前記被処理基板の成膜面とのなす角度が所定値以下となって斜入射する前記スパッタ粒子の被処理基板への付着を規制する工程を更に含むことを特徴とする。この場合、前記角度(α)の所定値が20°とすればよく、また、前記空間を複数回通過させて前記被処理基板に対して成膜する工程を更に含むことが好ましい。
【0009】
本発明において、前記ターゲットがScとAlとを含み、希ガスと窒素含有ガスとをスパッタガスとして、反応性スパッタリングにより前記被処理基板にScAlN膜を成膜するような場合、前記被処理基板が前記空間を通過させて成膜する際に、スパッタガスの流量を第1流量に設定して第1のScAlN膜を成膜する第1工程と、第1流量より多い第2流量に設定して真空チャンバ内の圧力を高めた上で第2のScAlN膜を成膜する第2工程とを含むことが好ましい。
【0010】
ここで、本発明者らは、鋭意研究を重ね、次のことを知見するのに至った。即ち、真空チャンバ内でX軸方向に沿って被処理基板を搬送し、スパッタ面を臨むZ軸上方の空間を基板が通過する間に、例えば六方晶系の結晶膜であるScAlN膜を成膜する場合、ターゲットのスパッタリングによりそのスパッタ面から所定の余弦則に従い飛散するスパッタ粒子の中には、基板の成膜面に対して斜入射するものがある。このとき、基板の成膜面とのなす角度が所定値以下で斜入射するスパッタ粒子が多くなると、成膜したScAlN膜は結晶欠陥が多くなることを知見するのに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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