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公開番号2023177015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-13
出願番号2022089678
出願日2022-06-01
発明の名称成膜装置用部材
出願人田中貴金属工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 14/56 20060101AFI20231206BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】堆積物を残存させることなく容易に除去することが可能であり、かつ使用時の堆積物の保持性にも優れる成膜装置用部材を提供する。
【解決手段】基材と、前記基材の表面に形成されためっき被膜とを備える成膜装置用部材であって、前記基材の表面における算術平均粗さRa(μm)が、前記めっき被膜の膜厚t(μm)を用いて下記(1)式により算出される値r1よりも小さい、成膜装置用部材。
r1=0.4578t-0.5027 …(1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、前記基材の表面に形成されためっき被膜とを備える成膜装置用部材であって、
前記基材の表面における算術平均粗さRa(μm)が、前記めっき被膜の膜厚t(μm)を用いて下記(1)式により算出される値r

よりも小さい、成膜装置用部材。


=0.4578t-0.5027 …(1)
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記めっき被膜の膜厚tが、3.1μm以上である、請求項1に記載の成膜装置用部材。
【請求項3】
前記算術平均粗さRa(μm)が、0.10μm以上である、請求項1または2に記載の成膜装置用部材。
【請求項4】
前記基材の材質が、ステンレス鋼、弁金属、および弁金属合金からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の成膜装置用部材。
【請求項5】
前記めっき被膜が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、As、Pd、Ag、Cd、In、Sn、およびSbからなる群より選択される少なくとも1つからなる、請求項1または2に記載の成膜装置用部材。
【請求項6】
成膜装置用部材の製造方法であって、
基材の表面を粗面化する粗面化処理工程と、
前記粗面化処理工程後の基材の表面にめっきを施してめっき被膜を形成するめっき工程とを含み、
前記粗面化処理工程後の基材の表面における算術平均粗さRa(μm)が、前記めっき被膜の膜厚t(μm)を用いて下記(1)式により算出される値r

よりも小さい、成膜装置用部材の製造方法。


=0.4578t-0.5027 …(1)
【請求項7】
成膜装置において使用された後の成膜装置用部材から、前記成膜装置用部材の表面に付着した堆積物を除去する堆積物除去方法であって、
前記成膜装置用部材が、請求項1または2に記載の成膜装置用部材であり、
前記成膜装置用部材のめっき被膜を溶解することにより、前記堆積物を前記成膜装置用部材から除去する堆積物除去工程を含む、堆積物除去方法。
【請求項8】
成膜装置において使用された後の成膜装置用部材から、前記成膜装置用部材の表面に付着した堆積物に含まれる有価金属を回収する有価金属回収方法であって、
前記成膜装置用部材が、請求項1または2に記載の成膜装置用部材であり、
前記成膜装置用部材のめっき被膜を溶解することにより、前記堆積物を前記成膜装置用部材から除去する堆積物除去工程と、
前記堆積物除去工程で除去された堆積物から有価金属を回収する回収工程とを含む、有価金属回収方法。
【請求項9】
成膜装置において使用された後の成膜装置用部材を再生する成膜装置用部材の再生方法であって、
前記成膜装置用部材が、請求項1または2に記載の成膜装置用部材であり、
前記成膜装置用部材のめっき被膜を溶解することにより、前記成膜装置用部材の表面に付着した堆積物を前記成膜装置用部材から除去する堆積物除去工程と、
前記堆積物が除去された後の前記基材の表面にめっきを施してめっき被膜を形成するめっき工程とを含み、
前記めっき被膜を形成する前の基材の表面における算術平均粗さRa(μm)が、前記めっき被膜の膜厚t(μm)を用いて下記(1)式により算出される値r

よりも小さい、成膜装置用部材の再生方法。


=0.4578t-0.5027 …(1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置用部材に関する。また、本発明は、前記成膜装置用部材の製造方法、堆積物除去方法、有価金属回収方法、および成膜装置用部材の再生方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
被処理物の表面に、金属などのコーティングを形成する手法としては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学気相成長(CVD)などの真空成膜法が幅広く用いられている。また、近年では、金属ナノ粒子を含有するインクを塗布し、低温で焼成する方法など、減圧雰囲気を必要としない成膜法も開発されている。
【0003】
これらの成膜方法では、通常、被処理物の表面のみに選択的にコーティングを形成することは困難であるため、成膜装置内の他の部材の表面にも金属などのコーティング材料が付着、堆積してしまう。堆積物が付着した状態で成膜を続けると、部材の表面から堆積物が脱落し、成膜装置内を汚染する。特に、脱落した堆積物が被処理物の表面に付着すると、成膜不良の原因となる。
【0004】
したがって、成膜装置で用いられる各種部材には、使用時に表面に付着した堆積物が脱落しづらいこと、言い換えると堆積物の保持性に優れることが求められる。
【0005】
また、堆積物がある程度付着した部材は、成膜装置から取り外され、堆積物を除去するための堆積物除去処理に供されることが一般的である。
【0006】
堆積物を除去する方法としては、例えば、ブラスト処理などの物理的な方法を用いることが考えられる。
【0007】
ブラスト処理などの物理的な方法には、堆積物の材質によらず除去が可能であるというメリットがある。しかし、作業効率が悪く、特に様々な形状、寸法を有する成膜装置用部材の表面から堆積物を除去するためにはかなりの作業時間が必要となる。また、堆積物中に貴金属などの有価金属が含まれる場合には、単に除去するだけではなく、回収して再利用することが望ましい。しかし、ブラスト処理によって除去を行った場合、除去された堆積物とブラスト処理に用いた研磨材(メディア)とが混合した状態となるため、その中から有価金属を分離回収することが困難となる。
【0008】
そのため、物理的な方法に代えて、酸などを用いて堆積物を溶解除去するという化学的な方法を用いることが考えられる。
【0009】
化学的な方法の場合、成膜装置用部材の形状や寸法によらず、酸などの薬液中に成膜装置用部材を浸漬するだけで堆積物を溶解、除去することができるというメリットがある。しかし、堆積物を溶解させるためには、堆積物の材質に応じて薬液を使い分ける必要があり、特に、堆積物が貴金属などの化学的に安定な金属を含む場合には、溶解させることが難しい。王水のように酸化力が極めて高い酸を用いれば貴金属も溶解させることはできるが、その場合、本来溶解させてはいけない成膜装置用部材自体まで溶解してしまう場合もある。
【0010】
さらに、化学的除去では、堆積物中に含まれていた成分は薬液中に溶解して、非常に低い濃度の状態となる。そのため、堆積物中に含まれていた貴金属などの有価金属を分離回収するためには、さらなる化学的処理が必要であり、効率が悪い。
(【0011】以降は省略されています)

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