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公開番号2024052653
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023171335
出願日2023-10-02
発明の名称腫瘍の分類推定システム
出願人学校法人近畿大学
代理人個人
主分類G16H 10/40 20180101AFI20240404BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】ある腫瘍がICIへの感受性を有するか否かを予見でき、臓器に関わらずICIが有効か否かに関する情報を得ることができ、ICIを用いた癌治療の指針を得ることができる、より精度の高い感受性の腫瘍の分類推定システムを提供する。
【解決手段】腫瘍の分類推定システム10は、癌細胞の変異シグネチャーと、前記変異シグネチャーのパターンによって分類されたサブタイプを記憶するメモリ12と、入力を前記変異シグネチャーとし、出力を前記サブタイプとする教師データを用いて機械学習によって分類モデルを生成する分類モデル生成手段14と、被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーを入力する入力手段16と、入力された前記被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーから前記分類モデルが推定した前記サブタイプを出力する出力手段18と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
癌細胞の変異シグネチャーと、前記変異シグネチャーのパターンによって分類されたサブタイプを記憶するメモリと、
入力を前記変異シグネチャーとし、出力を前記サブタイプとする教師データを用いて機械学習によって分類モデルを生成する分類モデル生成手段と、
被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーを入力する入力手段と、
入力された前記被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーから前記分類モデルが推定した前記サブタイプを出力する出力手段を備える腫瘍の分類推定システム。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記サブタイプは、
収集された全エクソームシーケンスデータに対して特徴変異シグネチャーのスコアを求め、1つの体細胞変異検出ツールでクラスタリングして得た、
喫煙歴と関連する喫煙群(SMK)と、
紫外線と関連するUVL群(UVL)と、
APOBECと関連するAPB群(APB)と、
DNAポリメラーゼε欠損に関連するPOL群(PLO)と、
MMR変異と関連するMRD群(MRD)と、
相同組換え修復異常と関連するHRD群(HRD)と、
加齢と関連するAGE群(AGE)と、
変異数が最も少ないゲノム安定群(GNS)の8サブタイプである請求項1に記載された腫瘍の分類推定システム。
【請求項3】
前記分類モデルは、4つ以上の機械学習された個別分類器で構成され、
前記個別分類器のうち3つ以上の前記個別分類器が一致する前記サブタイプがあった場合は、前記サブタイプを推定結果とし、
前記個別分類器のうち3つ以上の前記個別分類器が一致する前記サブタイプが無かった場合は、推定失敗を推定結果とする請求項1に記載された腫瘍の分類推定システム。
【請求項4】
前記分類モデルは、
Nearest Neighborと、Support Vector Machineと、Random ForestとLogistic Regressionの4つの個別分類器である請求項3に記載された腫瘍の分類推定システム。
【請求項5】
前記出力手段が出力したサブタイプが、前記喫煙群、前記UVL群、前記APB群、前記POL群、前記MRD群の1つであった場合に、ICI療法が有利であると予見し、
前記出力手段が出力したサブタイプが前記HRD群、前記AGE群、前記ゲノム安定群であった場合に、ICI療法が有利でないと予見する第2出力手段を有する請求項3に記載された腫瘍の分類推定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は悪性腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の感受性を、臓器横断的に予測するための癌の分類推定システムに関する。本発明は、悪性腫瘍および正常細胞のペアのエクソームシークエンシングデータを用いて、mutational signatureによるgenomic subtype分類を行う。さらに、その腫瘍がICIへの感受性が期待できるタイプか、そうではないタイプかを予見する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害剤(以後単に「ICI」とも呼ぶ。)は、悪性腫瘍に対する治療ストラテジーを大きく変えた。しかし、ICIが著明な効果を示す腫瘍がある一方で、全く効果を示さない腫瘍もあり、その感受性を前もって予測することが重要である。
【0003】
特許文献1には、胃癌を患っている患者または胃癌を患っていると疑われる患者から得られた胃癌腫瘍試料を分類するための類別であって、浸潤性サブタイプ、増殖性サブタイプおよび代謝性サブタイプを含む前記類別を提供する。予測指標および前記類別の使用方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2016-501008号公報
【非特許文献】
【0005】
Cibulskis K, et al. Sensitive detection of somatic point mutations in impure and heterogeneous cancer samples. Nat Biotechnol 31, 213-219 (2013).
Fan Y et al. MuSE: accounting for tumor heterogeneity using a sample-specific error model improvessensitivity and specificity in mutation calling from sequencing data. Genome Biol. 2016 Aug 24;17(1):178.doi: 10.1186/s13059-016-1029-6.
Koboldt DC et al. VarScan 2: somatic mutation and copy number alteration discovery in cancer by exomesequencing. Genome Res. 2012 Mar;22(3):568-76. doi: 10.1101/gr.129684.111. Epub 2012 Feb 2.
Larson DE et al. SomaticSniper: identification of somatic point mutations in whole genome sequencing data.Bioinformatics. 2012 Feb 1;28(3):311-7. doi: 10.1093/bioinformatics/btr665. Epub 2011 Dec 6.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで、ICIは、メラノーマなど特定の癌腫において高い感受性を示すことが知られている。さらに臓器横断的なICIのバイオマーカーとして、腫瘍におけるDNAミスマッチ修復機構の障害や高い遺伝子変異量が報告されてきた。しかし、高い遺伝子変異量が本当に臓器横断的なICIのバイオマーカーとなりうるのかは不明瞭であり、より精度の高い感受性の予測方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
The Cancer Genome Atlas (TCGA)の9,794腫瘍を、エクソームシークエンシングデータに基づき、遺伝子変異を生じる原因を特徴づける遺伝子変異のパターン(mutational signature)によって分類したところ、全腫瘍が8種類(SMK(喫煙)、UVL(紫外線)、APB(APOBEC酵素)、POL(POLE変異)、MRD(ミスマッチ修復異常)、HRD(相同組換え修復異常)、GNS(ゲノム安定性)、AGE(年齢))に分類され、前5つでは腫瘍免疫が活性化していることを見出した。
【0008】
そこで、前5つをimmuno-resposive genomic subtype (irGS)、後3つをnon-irGSと名づけた。そして、他の腫瘍サンプルのエクソームシークエンシングデータを読み込んで、irGSかnon-irGSかを機械学習によって分類する腫瘍の分類推定システムを開発した。我々はこのシステムをGS-PRACTICE (Genomic Subtyping and Predictive Response Analysis for Cancer Tumor ICi Efficacy)と呼んでいる。
【0009】
より具体的に本発明に係る腫瘍の分類推定システムは、
癌細胞の変異シグネチャーと、前記変異シグネチャーのパターンによって分類されたサブタイプを記憶するメモリと、
入力を前記変異シグネチャーとし、出力を前記サブタイプとする教師データを用いて機械学習によって分類モデルを生成する分類モデル生成手段と、
被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーを入力する入力手段と、
入力された前記被分類腫瘍細胞の変異シグネチャーから前記分類モデルが推定した前記サブタイプを出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る腫瘍の分類推定システムによって、ある腫瘍がICIへの感受性を有するか否かを予見できる。本発明は、ICIを投与すべき悪性腫瘍患者を選別し、その予後を改善させるために有用である。特に本発明に係る腫瘍の分類推定システムは、病理診断を行うために日常的に作成されているFFPE標本から抽出したDNAによるエクソームシークエンシングデータに適用可能であるため、日常診療の参考となりえる。
(【0011】以降は省略されています)

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