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公開番号2024029424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-06
出願番号2022131665
出願日2022-08-22
発明の名称閾値算出方法
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類G16Z 99/00 20190101AFI20240228BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】本発明の課題は、人為に左右されずに安定に算出され、簡便な方法でありながら、かつ誤差範囲や測定範囲の妥当性に示唆を与える閾値算出方法を提供することである。
【解決手段】 測定データから閾値μ0を演算設備、記憶設備、測定データを入力する入力設備および閾値を出力する出力設備を備えた解析装置を用いて算出する閾値算出方法であって、入力設備に測定データを入力するステップと、演算設備および記憶設備を介して予め指定したデータ変換式に基づいて測定データの変換を行いμを変数とする測定変換データを得る測定データ変換ステップと、測定変換データにSoftplus関数をフィッティングさせてフィッティングSoftplus関数を得るフィッティングステップと、フィッティングSoftplus関数のμ0を閾値として出力設備を介して閾値を出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料のおかれている環境を表す量の1つである環境変数μを変化させたときに前記試料から得られる複数の測定値をそのときの環境変数μに対応付けて構成された測定データから閾値μ

を、演算設備、記憶設備、前記測定データを入力する入力設備、および前記閾値を出力する出力設備を備えた解析装置を用いて算出する閾値算出方法であって、
前記入力設備に前記測定データを入力するステップと、
前記演算設備および前記記憶設備を介して、予め指定したデータ変換式に基づいて前記測定データの変換を行い、μを環境変数とする測定変換データを得る測定データ変換ステップと、
前記測定変換データに式(1)で定義されるSoftplus関数をフィッティングさせてフィッティングSoftplus関数を得るフィッティングステップと、
前記フィッティングSoftplus関数のμ

を閾値とし、前記出力設備を介して前記閾値を出力する、閾値算出方法。
f=a×log

(1+exp((μ-μ

)/σ))+b 式(1)
aおよびbは定数であり、σは実効偏差を表す。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記フィッティングは絶対誤差法による、請求項1記載の閾値算出方法。
【請求項3】
前記データ変換式は、1/2べき乗変換式、1/3べき乗変換式、2/5べき乗変換式、1乗変換式および2べき乗変換式からなる群より選ばれる1つである、請求項1または2に記載の閾値算出方法。
【請求項4】
前記測定データは、電子が介在した物理現象を測定したデータである、請求項1から3の何れか1記載の閾値算出方法。
【請求項5】
前記測定データは、フェルミディラック分布に基づく現象の測定データである、請求項1から3の何れか1記載の閾値算出方法。
【請求項6】
前記測定データは、光電子収量分光法の測定データである、請求項1から3の何れか1記載の閾値算出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は閾値算出方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
物理現象の解析において、閾値はよく用いられる指標である。例えば、光電子収量分光法(PYS:Photoelectron Yield Spectroscopy)では、励起光として試料に照射する紫外線の励起エネルギーを横軸にとり、試料から放出される光電子収量を測定して縦軸とした場合に、その測定データが描く曲線が急峻に立ち上がる点における励起エネルギーを閾値として求める。得られた閾値は、測定対象試料の仕事関数またはイオン化ポテンシャルと解釈される。
【0003】
一般に、閾値をもつ測定データが描く曲線は、理想的な環境では閾値までが0、閾値を超えた後は横軸の値に比例、二乗に比例など、物性に則った関数にしたがって変化する。縦軸を測定値そのもの、測定値の平方根などにとって、閾値を超えた後の曲線が直線を描くように設定し、その直線を外挿して横軸との切片を閾値として求める方法が採用されている。
【0004】
その作業、すなわち、直線を設定して横軸との切片を求める作業は、一般に、人為的に行われる。したがって、直線の設定の際に人為による不確実性、曖昧性が発生する。直線の設定に最小二乗法などを用いてフィッティング精度を高める試みはなされているが、その方法は、フィッティング対象範囲の設定に左右されるため、人為法と程度の差はあるものの、やはり不確実で曖昧なものであることに変わりがないという課題を抱えていた。
なお、回帰分析の工夫によりPYSの閾値算出精度を高める閾値算出装置、算出方法および測定装置に関して、特許文献1に開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-160067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、人為に左右されずに安定に算出され、簡便な方法でありながら、かつ誤差範囲や測定範囲の妥当性に示唆を与える閾値算出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための本発明の構成を下記に示す。
(構成1)
試料のおかれている環境を表す量の1つである環境変数μを変化させたときに前記試料から得られる複数の測定値をそのときの環境変数μに対応付けて構成された測定データから閾値μ

を、演算設備、記憶設備、前記測定データを入力する入力設備、および前記閾値を出力する出力設備を備えた解析装置を用いて算出する閾値算出方法であって、
前記入力設備に前記測定データを入力するステップと、
前記演算設備および前記記憶設備を介して、予め指定したデータ変換式に基づいて前記測定データの変換を行い、μを環境変数とする測定変換データを得る測定データ変換ステップと、
前記測定変換データに式(1)で定義されるSoftplus関数をフィッティングさせてフィッティングSoftplus関数を得るフィッティングステップと、
前記フィッティングSoftplus関数のμ

を閾値とし、前記出力設備を介して前記閾値を出力する、閾値算出方法。
f=a×log

(1+exp((μ-μ

)/σ))+b 式(1)
aおよびbは定数であり、σは実効偏差を表す。
(構成2)
前記フィッティングは絶対誤差法による、構成1記載の閾値算出方法。
(構成3)
前記データ変換式は、1/2べき乗変換式、1/3べき乗変換式、2/5べき乗変換式、1乗変換式および2べき乗変換式からなる群より選ばれる1つである、構成1または2に記載の閾値算出方法。
(構成4)
前記測定データは、電子が介在した物理現象を測定したデータである、構成1から3の何れか1記載の閾値算出方法。
(構成5)
前記測定データは、フェルミディラック分布に基づく現象の測定データである、構成1から3の何れか1記載の閾値算出方法。
(構成6)
前記測定データは、光電子収量分光法の測定データである、構成1から3の何れか1記載の閾値算出方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人為に左右されずに安定に算出され、簡便な方法でありながら、誤差範囲や測定範囲の妥当性に示唆を与える閾値の算出方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の処理フローを示すフローチャート図である。
本発明で使用する閾値算出解析装置の構成を示す構成図である。
各関数の関係を示した説明図である。
Cu-PYS測定データに対して閾値を求めるときの例であり、(a)は測定データのみ、(b)は人による測定例、(c)はSP関数フィッティング例を示す。
Al-PYS測定データに対して閾値を求めるときの例であり、(a)は測定データのみ、(b)は人による測定例、(c)はSP関数フィッティング例を示す。
Au-PYS測定データに対して閾値を求めるときの例であり、(a)は測定データのみ、(b)は人による測定例、(c)はSP関数フィッティング例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の方法では、測定データを予め指定したデータ変換式にしたがって変換された変換データに対してSoftplus関数(以後SP関数とも称す)をフィッティングさせて、そのSP関数から閾値を算出する。
ここで、SP関数とは下記式(1)で表される関数である。その関数の特性、特徴に関しては後程述べる。
f=a×log

(1+exp((μ-μ

)/σ))+b 式(1)
μ

が閾値である。環境変数はμで、PYS測定の場合は試料に照射する紫外線のエネルギーが相当する。その環境変数μのときの測定結果、すなわちPYS測定の場合の光電子収量がfである。aおよびbは定数であり、σは実効偏差を表す。σは、SP関数の2次微分関数である確率密度関数の分散(σ
p
2
)が(1/3)×(π×σ)

で表されるため、実効偏差と呼ぶ。なおσ
p
は偏差である。
(【0011】以降は省略されています)

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