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公開番号2024041794
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2023218411,2022200015
出願日2023-12-25,2017-03-21
発明の名称二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20240319BHJP(積層体)
要約【課題】高い剛性を有し、耐熱性に優れ、しかも帯電防止性にも優れる二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムを提供する。
【解決手段】本発明の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムは、少なくとも2層以上の結晶性の異なるポリプロピレン系樹脂組成物を含む積層フィルムであって、示差走査熱量計を用いて昇温速度20℃/分で測定される融解吸熱ピーク面積をΔHとしたとき、ΔHが78.0J/g以上のポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層、およびΔHが82.0J/g未満であり、かつ前記A層のΔHよりも2.0~40.0J/g低いΔHを有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、かつ前記B層が少なくとも一方の最表面側に存在することを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも2層以上の結晶性の異なるポリプロピレン系樹脂組成物を含む積層フィルムであって、
下記示差走査熱量分析条件に基づいて示差走査熱量計を用いて測定される融解吸熱ピーク面積をΔHとしたとき、
ΔHが78.0J/g以上のポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層、および
ΔHが82.0J/g未満であり、かつ前記A層のΔHよりも2.0~40.0J/g低いΔHを有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、
前記B層が少なくとも一方の最表面側に存在し、
帯電防止剤を含み、且つ、
ヘイズが0.1~6%であることを特徴とする二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
示差走査熱量分析条件:前記フィルムの原料約5mgを測定用のアルミパンに封入し、A層用原料、B層用原料それぞれについて、20℃/分の速度で室温から230℃まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分の速度で室温まで降温し、再度、20℃/分の速度で室温から230℃まで昇温した際の融解吸熱ピーク温度(℃)、融解吸熱ピーク面積(ΔH(J/g)、全融解熱)を示差走査熱量計を用いて測定する。ベースラインは、吸熱ピークの開始からピーク終了まで、融解前後の温度でカーブがスムーズにつながるように設定する。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記A層の全厚みに対する前記B層の全厚みの比(全B層/全A層)は0.01~0.5であり、かつ、前記B層の全厚みは0.5~4μmである請求項1に記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
前記B層の最表面側に、厚み0.01~1.0μmであり、ΔHが76.0J/gを超えるポリプロピレン系樹脂組成物からなる他の層を更に有する請求項1または2に記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
前記A層のメソペンタッド分率が97.1%以上である請求項1~3のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
前記A層のΔHが100.0J/g以下である請求項1~4のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
前記B層のポリプロピレン系樹脂は、プロピレン以外の共重合成分の含有量が8.0モル%以下である請求項1~5のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【請求項7】
前記B層のメソペンタッド分率が90%以上98.2%以下である請求項1~6のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムに関する。詳細には、耐熱性、剛性に優れ、かつ帯電防止性にも優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリプロピレンの延伸フィルムは、食品や様々な商品の包装用、電気絶縁用、表面保護フィルム等、広範囲な用途で汎用的に用いられていた。しかし、従来のポリプロピレンフィルムは、150℃での収縮率が数十%あり、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等と比べると、耐熱性が低く、また、剛性も低いため、用途が制限されていた。
【0003】
ポリプロピレンフィルムの物性を改良する技術は種々提案されている。例えば、高分子量成分と低分子量成分をほぼ同量含み(もしくは低分子量成分が少ない)、分子量分布が広く、デカリン可溶分の少ないポリプロピレンを用いてフィルムとすることにより、剛性と加工性とのバランスを取るという技術が知られている(特許文献1)。しかしながら、この技術では、未だに150℃を超えるような高温での耐熱性は充分なものとはいえず、高い耐熱性を持ち、耐衝撃性、透明性に優れたポリプロピレンフィルムは知られていなかった。
【0004】
本願出願人は、上記の従来技術を踏まえて鋭意検討した結果、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂の立体規則性の指標である
13
C-NMRで測定されるメソペンタッド分率が96%以上のポリプロピレン系重合体を用いることで、高剛性で、耐熱性の高い延伸ポリプロピレンフィルムを提供することに成功した(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2008-540815号公報
WO2015/012324号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献2では帯電防止性に改善の余地があった。
本発明は、上記の事情に鑑み、高い剛性を有し、耐熱性に優れ、しかも帯電防止性にも優れる二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムの提供を課題として掲げた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の構成は以下のとおりである。
1.少なくとも2層以上の結晶性の異なるポリプロピレン系樹脂組成物を含む積層フィルムであって、
示差走査熱量計を用いて昇温速度20℃/分で測定される融解吸熱ピーク面積をΔHとしたとき、
ΔHが78.0J/g以上のポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層、および
ΔHが82.0J/g未満であり、かつ前記A層のΔHよりも2.0~40.0J/g低いΔHを有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、且つ、
前記B層が少なくとも一方の最表面側に存在することを特徴とする二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
2.前記A層の全厚みに対する前記B層の全厚みの比(全B層/全A層)は0.01~
0.5であり、かつ、前記B層の全厚みは0.5~4μmである上記1に記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
3.前記B層の最表面側に、厚み0.01~1.0μmであり、ΔHが76.0J/gを超えるポリプロピレン系樹脂組成物からなる他の層を更に有する上記1または2に記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
4.フィルム全体のメルトフローレート(MFR)が2.0~10.5g/10分である上記1~3のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
5.フィルム全体の表面固有抵抗値(LogΩ)が13.5以下である上記1~4のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
6.フィルム全体の動摩擦係数が0.4以下である上記1~5のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
7.150℃での熱収縮率が、MD方向、TD方向いずれにおいても10.0%以下であり、MD方向の引張弾性率が2.0GPa以上、TD方向の引張弾性率が3.8GPa以上である上記1~6のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
8.ラミネート後のMD方向のラミネート強度が1.2N/15mm以上である上記1~7のいずれかに記載の二軸延伸積層ポリプロピレンフィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリプロピレンフィルムは、高結晶性のA層と低結晶性のB層との少なくとも2層を有し、B層が最表面側に配置される積層構造を有しているので、少なくとも一方の層に練り込んだ帯電防止剤が最表面側に配置される低結晶性のB層の表面にブリードアウトしてくる。その結果、高結晶性のA層の有する優れた耐熱性や剛性を維持したまま、良好な帯電防止性も発揮することができるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のポリプロピレンフィルムは、少なくとも2層以上の結晶性の異なるポリプロピレン系樹脂組成物を含む積層フィルムであって、示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/分で測定される融解吸熱ピーク面積(全融解熱)をΔHとしたとき、ΔHが78.0J/g以上のポリプロピレン系樹脂組成物からなるA層、およびΔHが82.0J/g未満であり、かつ前記A層のΔHよりも2.0~40.0J/g低いΔHを有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるB層を有し、かつ前記B層が少なくとも一方の最表面側に存在することを特徴とする二軸延伸積層ポリプロピレンフィルムである。
ここで、上記ΔHは結晶性の指標になる値である。結晶性が高いほど、その結晶が融解するのに必要なエネルギーが大きくなるので、ΔHが大きいほど高結晶性であることを表す。なお、本発明では、フィルム製膜に使用する原料のそれぞれについて、昇温速度20℃/分でDSC曲線を測定してΔHを求めた。
【0010】
まず本発明を最も特徴付けるA層、B層のΔHについて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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