TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024041471
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146305
出願日2022-09-14
発明の名称定着部材及び熱定着装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03G 15/20 20060101AFI20240319BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】表面層と弾性層との界面で生じるせん断力を低減させることで表面層剥離を防止し、柔軟、高熱伝導、長寿命化を実現できる定着部材を提供する。
【解決手段】少なくとも基層、弾性層、表面層からなる定着部材で、弾性層は、厚み200μm以上、厚み方向の熱伝導率0.4W/mK以上、含有するフィラー粒子の弾性層全体に対する含有量が40体積%~60体積%であり、弾性層と表面層との界面から弾性層の厚み方向へ50μmの位置までの範囲を領域A、50μmの位置から弾性層の基層に面する側の表面までの範囲を領域Bとしたとき、領域A内において、フィラー粒子の実用球形度SAが0.80以上、含有量が60体積%以下であり、領域B内において、フィラー粒子の実用球形度SBが0.80未満、含有量が40体積%以上であり、実用球形度SA:SA=(VA/VAe)(1/3)、実用球形度SB:SB=(VB/VBe)(1/3)
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、基層、弾性層、及び表面層を具備する定着部材であって、
該弾性層全体の厚みは200μm以上であり、
該弾性層全体の厚み方向の熱伝導率は0.4W/m・K以上であり、
該弾性層はフィラー粒子を含有し、
該弾性層全体に対するフィラー粒子の含有量が40体積%~60体積%であり、
該弾性層の、該弾性層と該表面層との界面から該弾性層の厚み方向へ50μmの位置までの範囲を領域Aとしたとき、該領域Aに含有されるフィラー粒子の実用球形度SAが0.80以上であり、該領域Aに含有されるフィラー粒子の含有量が60体積%以下であり、
該弾性層の、該弾性層と該表面層との界面から該弾性層の厚み方向へ50μmの位置から該弾性層の該基層に面する側の表面までの範囲を領域Bとしたとき、該領域Bに含有されるフィラー粒子の実用球形度SBが0.80未満であり、該領域Bに含有されるフィラー粒子の含有量が40体積%以上であり、
該実用球形度SAは以下の式(3)によって算出され、該実用球形度SBは以下の式(6)によって算出されることを特徴とする定着部材:
SA=(V

/V
Ae

(1/3)
・・・式(3)


は領域Aのフィラー粒子の体積、V
Ae
は領域Aのフィラー粒子の外接球の体積、
SB=(V

/V
Be

(1/3)
・・・式(6)


は領域Bのフィラー粒子の体積、V
Be
は領域Bのフィラー粒子の外接球の体積。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記領域Aに含有されるフィラー粒子の粒径D50及び前記領域Bに含有されるフィラー粒子の粒径D50のいずれもが5μm以上32μm以下である、請求項1に記載の定着部材。
【請求項3】
JIS K7312に基づいて測定される前記弾性層の硬度が9°~25°である、請求項1に記載の定着部材。
【請求項4】
前記定着部材がエンドレス形状を有する定着フィルムである請求項1に記載の定着部材。
【請求項5】
前記弾性層の周方向に直交する方向の断面において、
該断面に露出する該フィラー粒子を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ領域の各面積の算術平均値をAaveとし、標準偏差をAσとしたとき、該領域Aにおいて以下の式によって算出される変動係数が1.0以下である、請求項4に記載の定着部材。
変動係数=(Aσ/Aave)
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の定着部材と、該定着部材に対向して配置されてなる加圧部材と、を具備していることを特徴とする熱定着装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真画像形成装置の熱定着装置に用いられる定着部材及び熱定着装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の熱定着装置に用いられる定着部材として、耐熱樹脂や金属で構成された基層上に、シリコーンゴムの如き耐熱性に優れたゴムを含む弾性層と、表面層と、を積層してなる構成を有するものがある。該表面層は、トナーに対して優れた離型性を与えるフッ素樹脂を含む。そして、該弾性層の厚み方向に高い熱伝導性を持たせるため、該弾性層には熱伝導性フィラーを含有させる場合がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5054924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子写真画像形成装置に対するより一層の耐久性向上の要求の中で、定着部材に対してもより一層の長寿命化が要求されるようになってきている。しかしながら、熱伝導フィラーによる熱流路が形成されてなる弾性層を有する定着部材は、長期の使用によって弾性層と表面層との界面近傍において剥離が生じることがあった。
本開示の一態様は、厚み方向の熱伝導性が高く、かつ、長期にわたる使用によっても表面層と弾性層との間で剥離が生じることのない定着部材の提供に向けたものである。また、本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定的に形成することのできる熱定着装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、少なくとも、基層、弾性層、及び表面層からなる定着部材であって、
該弾性層全体の厚みは200μm以上であり、
該弾性層全体の厚み方向の熱伝導率は0.4W/mK以上であり、
該弾性層はフィラー粒子を含有し、
該弾性層全体に対するフィラー粒子の含有量が40体積%~60体積%であり、
該弾性層の、該弾性層と該表面層との界面から該弾性層の厚み方向へ50μmの位置までの範囲を領域Aとしたとき、該領域Aに含有されるフィラー粒子の実用球形度SAが0.80以上であり、該領域Aに含有されるフィラー粒子の含有量が60体積%以下であり、
該弾性層の、該弾性層と該表面層との界面から該弾性層の厚み方向へ50μmの位置から該弾性層の該基層に面する側の表面までの範囲を領域Bとしたとき、該領域Bに含有されるフィラー粒子の実用球形度SBが0.80未満であり、該領域Bに含有されるフィラー粒子の含有量が40体積%以上であり、
該実用球形度SAは以下の式(3)によってされ、該実用球形度SBは以下の式(6)によって算出される、定着部材が提供される:
SA=(V

/V
Ae

(1/3)
・・・式(3)


は領域Aのフィラー粒子の体積、V
Ae
は領域Aのフィラー粒子の外接球の体積、
SB=(V

/V
Be

(1/3)
・・・式(6)


は領域Bのフィラー粒子の体積、V
Be
は領域Bのフィラー粒子の外接球の体積。
また、本開示の他の態様によれば、上記の定着部材と、該定着部材に対向配置されてなる加圧部材と、を具備している熱定着装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、大きな剥離力が加わった場合においても弾性層と表面層とが剥離し難い定着部材を得ることができる。また、本開示の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する熱定着装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第一の実施例における画像形成装置の模式図である。
第一の実施例における定着装置の模式図である。
第一の実施例における定着フィルムの模式図である。
ベルト形態の定着部材の弾性層の第1断面と第2断面を示す図である。
定着部材の断面の模式図である。
弾性層の断面画像の2値化およびボロノイ分割の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書中、数値範囲を表す「XX以上YY以下」及び「XX~YY」との記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味している。また、数値範囲が段階的に記載されている場合においては、各数値範囲の上限及び下限の任意に組み合わせを開示しているものである。
【0009】
特許文献1に係る定着部材の長期に亘る使用によって、表面層と弾性層との界面で剥離を生じる理由を本発明者らは以下のように推測している。定着工程において、表面層の表面には移動する紙が接しているため、表面層は紙の搬送に追随しようとする。その結果、表面層と弾性層との界面には大きなせん断力が加わる。表面層と弾性層との間の接着に関しては、「接着力」と「剥離力」が関連しており、「接着力>剥離力」の関係が成り立つ場合には接着性が確保できるが、「接着力<剥離力」となる場合に剥離する。上記のせん断力は、剥離力として機能する。近年の電子写真画像装置のプロセス速度の高速化に伴って、定着部材には、より高いせん断力が加わる状態となってきている。その結果、表面層と弾性層との接着力よりも、剥離力が大きくなる状況が生じてきている。
【0010】
このような状況の中で、本発明者らの検討の結果、弾性層中の熱伝導フィラーの形状が、弾性層と表面層との界面近傍での剥離に影響を与えることを見出した。すなわち、弾性層の表面層に近い側の表面近傍に存在する熱伝導フィラーが尖った部分を有している場合、弾性層に高いせん断力が加わったときに、当該熱伝導フィラーの尖った部分に応力が集中し、弾性層にクラックを生じさせる。そして、当該クラックが成長していくことによって弾性層と表面層とがそれらの界面近傍で剥離することを見出した。そこで、本発明者らは、尖った部分を有さない熱伝導フィラーを用いることを検討した。その結果、弾性層の厚み方向の熱伝導率が低下する場合があった。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

キヤノン株式会社
発光装置
5日前
キヤノン株式会社
撮像装置
10日前
キヤノン株式会社
電子機器
3日前
キヤノン株式会社
記録装置
10日前
キヤノン株式会社
光学機器
3日前
キヤノン株式会社
カメラ装置
3日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
10日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
4日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
10日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
4日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
10日前
キヤノン株式会社
有機発光素子
10日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
10日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
5日前
キヤノン株式会社
液滴吐出装置
3日前
キヤノン株式会社
スイッチング電源
5日前
キヤノン株式会社
バッテリーパック
10日前
キヤノン株式会社
仮想現実システム
5日前
キヤノン株式会社
半導体回路および機器
4日前
キヤノン株式会社
液体容器及び記録装置
4日前
キヤノン株式会社
半導体素子を有する装置
4日前
キヤノン株式会社
定着ベルト及び熱定着装置
3日前
キヤノン株式会社
容器、及び容器の製造方法
3日前
キヤノン株式会社
印刷装置及びその制御方法
5日前
キヤノン株式会社
現像装置及び画像形成装置
4日前
キヤノン株式会社
画像形成装置、情報処理装置
4日前
キヤノン株式会社
撮像装置およびその制御方法
4日前
キヤノン株式会社
液滴噴射デバイスの製造方法
10日前
キヤノン株式会社
通信装置およびその制御方法
10日前
キヤノン株式会社
画像処理装置、及び制御方法
11日前
キヤノン株式会社
電子機器およびその制御方法
3日前
キヤノン株式会社
情報処理装置、情報処理方法
3日前
キヤノン株式会社
画像読取装置およびプログラム
3日前
キヤノン株式会社
放射線撮像装置及びその制御方法
3日前
キヤノン株式会社
映像生成装置およびその制御方法
5日前
キヤノン株式会社
通信装置、制御方法及びプログラム
10日前
続きを見る