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公開番号2024039151
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022143486
出願日2022-09-09
発明の名称逆入力遮断クラッチおよびそれを用いたアクチュエータ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 41/08 20060101AFI20240314BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】必要に応じて逆入力遮断機能を解除でき、かつ部品の製作および組立が行いやすく、軽量化も容易な逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】通常時は、入力トルクに対して、入力軸1と一体にカム受け2が回転し、カム受け2の偏心穴2aに摺動可能に嵌め込まれて旋回支持機構8に支持されたスペーサ6が自転することなく公転旋回することにより、スペーサ6内周に摺動可能に嵌め込まれた偏心カム4が出力軸3と一体に回転し、逆入力トルクに対しては、スペーサ6に移動力が生じてスペーサ6の公転旋回運動が妨げられることにより出力軸3が回転しなくなるが、非常時には、カム受け2にねじ込まれたねじ12を締め込んで出力軸3のフランジ部3aに押し付けることにより、カム受け2と出力軸3とを連結し、逆入力トルクを加えて出力軸3を入力軸1と一体に回転させることができる構成の逆入力遮断クラッチとした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力軸と出力軸とを同一軸線上に配し、前記出力軸にその軸線と平行な偏心軸線を有する円筒状の偏心カムを設け、前記入力軸にその軸線と同一の軸線を有する円筒状のカム受けを設け、前記カム受けに前記偏心カムと同一軸線を有する円形の偏心穴を形成して、この偏心穴に前記偏心カムを挿入するとともに、前記カム受けの偏心穴の内周面と前記偏心カムの外周面との間に円筒状のスペーサを摺動可能に嵌め込み、前記スペーサと固定部材との間にスペーサを自転不能かつ公転旋回可能に支持する旋回支持機構を設けて、
前記入力軸に入力トルクが加えられたときは、前記入力軸と一体にカム受けが回転し、前記カム受けの偏心穴に嵌め込まれたスペーサが公転旋回することにより、前記偏心カムと出力軸が一体に回転し、
前記出力軸に逆入力トルクが加えられたときは、前記スペーサに移動力が生じてスペーサの公転旋回運動が妨げられることにより、前記出力軸がロック状態となるようにし、
さらに、前記出力軸および偏心カムを前記入力軸およびカム受けと一体回転可能に連結して、前記出力軸に逆入力トルクが加えられたときに出力軸をロックさせないようにする連結機構を設けた逆入力遮断クラッチ。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記旋回支持機構は、前記スペーサの一端にフランジ状の連結部を設けて、前記スペーサの連結部と固定部材とに軸方向で挟まれる平板状の連結部材を設け、前記連結部材とスペーサの連結部の互いの軸方向対向面に、スペーサの径方向に延びて互いに摺動可能に嵌合する第1の凹凸嵌合部を設けるとともに、前記連結部材と固定部材の互いの軸方向対向面に、前記第1の凹凸嵌合部と直交する方向に延び、互いに摺動可能に嵌合する第2の凹凸嵌合部を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項3】
前記連結機構は、前記出力軸に前記偏心カムと隣接する位置で前記カム受けの内側に挿入されるフランジ部を設け、前記カム受けにその外周面から前記出力軸のフランジ部に向かって径方向に貫通するねじ孔を設け、前記ねじ孔にねじ込まれたねじを締め込んで前記出力軸のフランジ部に押し付けるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項4】
前記カム受けが前記ねじの操作を行うための開口を有するカバー部材に覆われており、前記カム受けの外周に前記ねじ孔の周縁部を傾斜面の起点として周方向に延びるラチェット歯状の回転操作部を設け、前記カバー部材の外方から前記回転操作部を操作することにより、前記カバー部材の開口と前記ねじ孔の位置合わせを行えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項5】
前記カム受けが前記ねじの操作を行うための開口を有するカバー部材に覆われており、前記入力軸に連結されたモータ軸の駆動により、前記カバー部材の開口と前記ねじ孔の位置合わせを行えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項6】
前記連結機構は、前記出力軸を前記入力軸の内部に通して入力軸の端面から突出させ、前記出力軸の入力軸端面からの突出部の外周面におねじおよび軸方向溝を設け、前記出力軸の突出部に、前記軸方向溝に挿入される突起を内周に有する環状の固定板を軸方向移動可能に外嵌し、前記おねじとねじ結合する環状の回転板を前記固定板よりも軸方向外側に装着するとともに、前記固定板を回転板に向けて付勢する弾性部材を設け、前記入力軸と固定板の互いの軸方向対向面に第3の凹凸嵌合部を設けて、前記回転板を所定方向に回転させることにより、前記回転板で固定板を弾性部材の付勢力に抗して軸方向内側へ移動させ、前記第3の凹凸嵌合部を嵌合状態として、前記固定板を介して前記出力軸を入力軸と一体回転可能に連結するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項7】
前記入力軸と出力軸のそれぞれに回転方向隙間をもってモータ軸が連結されており、前記モータ軸と入力軸との回転隙間角度をθ
MI
、前記モータ軸と出力軸との回転隙間角度をθ
MO
とし、前記カム受けとスペーサとの回転隙間角度をθ
RS
、前記偏心カムとスペーサとの回転隙間角度をθ
CS
とするとき、
θ
MO
>θ
MI
かつθ
RS
≦θ
CS
かつθ
CS
<θ
MO
となるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項8】
前記旋回支持機構を構成する部品のうち、少なくとも1つの部品を樹脂製としたことを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項9】
請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチを減速機とモータの出力側の間に組み込み、前記モータの入力側に回転センサを設けたアクチュエータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、入力トルクが加えられたときは入力側部材の回転を出力側部材に伝達し、逆入力トルクに対しては入力側部材が回転しないようにする逆入力遮断クラッチと、その逆入力遮断クラッチを組み込んだアクチュエータに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
産業用のロボットは、JIS B 8433-1(2015)における「5.5.2非常停止」、「5.13駆動用動力なしの移動」の項で、非常停止機能を持たなければならないことや、非常時または異常状態で駆動用動力なしで軸が動かせるように設計しなければならないことが規定されている。
【0003】
このため、ロボットの関節部を動かすアクチュエータには、非常停止機構(以下、「ブレーキ」とも称する。)として電磁ブレーキを組み込んだものが多い。その電磁ブレーキは、一般に、ロボットの通常運転時には、電磁石の吸引力でアーマチュアを引き寄せてブレーキばねを圧縮し、出力軸に相対回転不可かつ軸方向移動可能に取り付けたブレーキ板を解放することにより、ブレーキ解除状態となっている。また、停電時には、電磁石の吸引力がなくなるので、ブレーキばねがアーマチュアを介してブレーキ板を固定部材に押し付け、アーマチュアとブレーキ板との間およびブレーキ板と固定部材との間の摩擦力で出力軸にブレーキをかけるようになっている。そして、停電時でもバッテリ等の補助電源から電力を供給することにより、ブレーキ解除状態となって出力軸を手動で動かせるようになる。
【0004】
ところが、上記のような電磁ブレーキを組み込んだアクチュエータを使用しているロボットでは、稼働中は常時電磁ブレーキに通電してブレーキ解除状態としている必要があるので、電力消費が多くなるという問題がある。また、アクチュエータ毎に電磁ブレーキ用の配線が必要となるので、ロボットの関節数が多くなると配線数も多くなり、構造が複雑になるという難点もある。
【0005】
さらに、停電時に出力軸にブレーキをかける際には、アーマチュアとブレーキ板の間およびブレーキ板と固定部材の間で摩擦粉が発生し、この摩擦粉がアクチュエータに組み込まれた減速機や回転センサ(エンコーダ)の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。摩耗粉から減速機および回転センサを保護するために、アクチュエータを構成する各部を、減速機-モータ-ブレーキ(電磁ブレーキ)-回転センサの順で配置することも提案されているが、その配列を採用した場合には、ブレーキが不要で減速機-モータ-回転センサの順で配置されたアクチュエータとは、モータと回転センサの間の接続構造を統一できなくなくなる。
【0006】
これに対し、例えば特許文献1で提案されているようなロック式の逆入力遮断クラッチを非常停止機構としてアクチュエータに組み込むことも考えられる。
【0007】
上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周側に円筒面を有する固定外輪を出力側部材の径方向外側に配し、出力側部材の外周面に複数のカム面を設けて、固定外輪の内周円筒面と出力側部材の各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に一対のローラとそのローラを楔形空間の狭小部へ押し込むばねを組み込むとともに、各楔形空間の周方向両側に挿入される柱部を有する保持器を、入力側部材と一体回転するように連結したものである。
【0008】
この逆入力遮断クラッチでは、各ローラがばねの弾力で楔形空間の狭小部に押し込まれているので、出力側部材に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側のローラが固定外輪および出力側部材に係合することにより出力側部材がロックされ、出力側部材も入力側部材も回転はしない。
【0009】
一方、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、入力側部材と一体に回転する保持器の柱部が回転方向後側のローラをばねの弾力に抗して楔形空間の広大側へ押し出すことにより、そのローラと固定外輪および出力側部材との係合が解除されて出力側部材がロック状態から解放された後、トルク伝達手段によって入力側部材から出力側部材に回転が伝達されるようになる。
【0010】
この逆入力遮断クラッチを電磁ブレーキに代えてアクチュエータに組み込めば、電力消費がなくなるし、配線も不要となる。また、摩耗粉の発生がなくなるため、アクチュエータを減速機-ブレーキ(逆入力遮断クラッチ)-モータ-回転センサの順で配置した構造とすることができ、モータと回転センサを直接接続した構造をブレーキのないアクチュエータと統一できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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