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公開番号2024053879
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160360
出願日2022-10-04
発明の名称動圧軸受及びこれを備えた流体動圧軸受装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 17/02 20060101AFI20240409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】流体動圧軸受装置用の軸受部材として使用した際に、潤滑油の装置外部への漏れ出しやラジアル軸受隙間での油膜切れを防止可能とする動圧軸受を実現する。
【解決手段】軸2との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状のラジアル軸受面Rsに設けられた動圧発生部P1,P2が、軸方向に対して互いに反対方向に傾斜した複数の第1動圧溝Pa及び第2動圧溝Pbを有し、第1動圧溝Paが第2動圧溝Pbよりも有底筒状のハウジング7の底部7b側に配置された状態でハウジング7の内周に収容される動圧軸受(軸受部材8)であって、複数の第1動圧溝Paの開口面積の総和をA1、複数の第2動圧溝Pbの開口面積の総和をA2としたとき、0.8<(A2/A1)<1.2の関係式を満たす。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
支持すべき軸の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状のラジアル軸受面に、前記ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油に動圧作用を発生させるための動圧発生部が設けられ、この動圧発生部が、軸方向に対して傾斜した複数の第1動圧溝と、軸方向に対して前記第1動圧溝とは反対方向に傾斜した複数の第2動圧溝とを有し、
前記第1動圧溝が前記第2動圧溝よりも有底筒状のハウジングの底部側に配置された状態で前記ハウジングの内周に収容される動圧軸受であって、
複数の前記第1動圧溝の開口面積の総和をA1、複数の前記第2動圧溝の開口面積の総和をA2としたとき、0.8<(A2/A1)<1.2の関係式を満たすことを特徴とする動圧軸受。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
複数の前記第1動圧溝のうち、溝深さが最大の最深部と溝深さが最小の最浅部の寸法差を1μm以下にすると共に、複数の前記第2動圧溝のうち、溝深さが最大の最深部と溝深さが最小の最浅部の寸法差を1μm以下とした請求項1に記載の動圧軸受。
【請求項3】
複数の前記第1動圧溝の平均溝深さをB1、複数の前記第2動圧溝の平均溝深さをB2としたとき、B1とB2の差を3μm以下とした請求項1又は2に記載の動圧軸受。
【請求項4】
請求項1に記載の動圧軸受からなる軸受部材と、
前記軸受部材を内周に収容した前記ハウジングと、
前記ラジアル軸受隙間に形成される前記潤滑油の油膜で前記軸をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、を備える流体動圧軸受装置。
【請求項5】
請求項4に記載の流体動圧軸受装置を備えるモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、動圧軸受及びこれを備えた流体動圧軸受装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、HDD用のスピンドルモータ、PC用のファンモータ、LBP(レーザビームプリンタ)用のポリゴンスキャナモータ等に組み込まれる流体動圧軸受装置において、支持すべき軸をラジアル方向に支持するために設けられる円筒状の軸受部材には、軸の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状の内周面(ラジアル軸受面)に動圧発生部が設けられた、いわゆる動圧軸受を使用する場合が多い。ラジアル軸受面に動圧発生部が設けられていることにより、軸と動圧軸受の相対回転に伴ってラジアル軸受隙間に形成される流体膜(例えば、潤滑油の油膜)に動圧作用を発生させることができるので、軸を精度良く支持することができる。
【0003】
上記の動圧発生部としては、例えば下記の特許文献1に記載されているように、軸方向に対して傾斜した傾斜溝からなる複数の動圧溝をへリングボーン形状に配列したもの、すなわち、互いに反対方向に傾斜した第1動圧溝及び第2動圧溝のうちの一方を所定の軸方向位置で周方向に間隔を空けて配置すると共に、他方を、上記一方とは異なる軸方向位置で周方向に間隔を空けて配置したものが採用される。係る構成の動圧発生部においては、第1動圧溝と第2動圧溝の軸方向幅(溝長さ)を互いに異ならせる場合がある(特許文献1の図1に記載された2つの動圧発生部のうち、紙面上側の動圧発生部を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5384079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、第1動圧溝と第2動圧溝の軸方向幅を互いに異ならせた場合には、軸と動圧軸受の相対回転に伴ってラジアル軸受隙間に介在する潤滑油に軸方向の流動力を生じさせ、軸受装置内で潤滑油を積極的に流動循環させることが可能となる。そのため、軸受装置の内部(例えば、動圧軸受を収容した有底筒状のハウジングの底部側)で負圧が発生するのを可及的に防止し、所望の軸受性能を安定的に発揮することが可能になるというメリットがある。その一方、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油に軸方向の流動力が生じると、潤滑油の流れ方によっては、ハウジングの開口部(に設けられる潤滑油の油面が存在するシール空間)から装置外部に潤滑油が漏れ出す、ラジアル軸受隙間に介在させるべき潤滑油量が不足し、ラジアル軸受隙間で油膜切れが生じる、などといった軸受性能に悪影響を及ぼす不都合が生じる可能性がある。
【0006】
上記の実情に鑑み、本発明は、流体動圧軸受装置用の軸受部材として使用した際に、潤滑油の装置外部への漏れ出しやラジアル軸受隙間での油膜切れを可及的に防止することを可能とする動圧軸受を実現し、もって所望の軸受性能を安定的に維持できて信頼性に富む流体動圧軸受装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、動圧発生部を構成する互いに反対方向に傾斜した複数の第1動圧溝及び第2動圧溝について、第1動圧溝の開口面積の総和に対する第2動圧溝の開口面積の総和の比が所定の数値範囲内に収まるようにすれば、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油の流れ方を適切にコントロールすることができる動圧軸受、つまり上記の目的を達成し得る動圧軸受を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記の目的を達成ために創案された本発明は、支持すべき軸の外周面との間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状のラジアル軸受面に、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油に動圧作用を発生させるための動圧発生部が設けられ、動圧発生部が、軸方向に対して傾斜した複数の第1動圧溝と、軸方向に対して第1動圧溝とは反対方向に傾斜した複数の第2動圧溝とを有し、第1動圧溝が第2動圧溝よりも有底筒状のハウジングの底部側に配置された状態で上記ハウジングの内周に収容される動圧軸受であって、複数の第1動圧溝の開口面積の総和をA1、複数の第2動圧溝の開口面積の総和をA2としたとき、0.8<(A2/A1)<1.2の関係式を満たすことを特徴とする。
【0009】
A1に対するA2の比(=A2/A1)が0.8以下であると、軸に対して相対回転したとき、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油には、これをハウジングの開口側に向けて流動させる力が強く作用するため、ハウジングの開口部を介して装置外部に潤滑油が漏れ出す可能性がある。一方、上記の比(=A2/A1)が1.2以上になると、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油には、これをハウジング底部側に向けて流動させる力が強く作用するため、ラジアル軸受隙間のうち、特に第2動圧溝の対向領域で油膜切れが生じる可能性がある。そのため、上記の比(=A2/A1)が0.8よりも大きく、かつ1.2未満となるように各動圧溝を形成しておけば、ラジアル軸受隙間における潤滑油の流れ方を最適化し、潤滑油の外部漏洩やラジアル軸受隙間での油膜切れの発生を可及的に防止可能な動圧軸受を実現することができる。
【0010】
複数の第1動圧溝が設けられた円筒状領域内、及び複数の第2動圧溝が設けられた円筒状領域内で動圧溝の溝深さが大きくばらついていると、ラジアル軸受隙間に介在する潤滑油には、これをハウジングの開口部側又は底部側に流動させる力が強く作用する可能性が高まり、潤滑油の外部漏洩又はラジアル軸受隙間での油膜切れが生じ易くなるおそれがある。そのため、複数の第1動圧溝のうち、溝深さが最大の最深部と溝深さが最小の最浅部の寸法差と、複数の第2動圧溝のうち、溝深さが最大の最深部と溝深さが最小の最浅部の寸法差は、何れも1μm以下とするのが好ましい。これにより、潤滑油の外部漏洩やラジアル軸受隙間での油膜切れを招来するような潤滑油の流れが生じ難くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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