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公開番号2024053824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160271
出願日2022-10-04
発明の名称機械部品、転がり軸受及びボールねじ
出願人NTN株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類F16C 33/64 20060101AFI20240409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】表面における静的負荷容量を改善しつつ、表面における硬さを確保することが可能な機械部品を提供する。
【解決手段】機械部品は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製であり、表面に浸炭浸窒層を備える。鋼は、0.13質量パーセント以上0.58質量パーセント以下のCと、0.15質量パーセント以上0.35質量パーセント以下のSiと、0.6質量パーセント以上1.1質量パーセント以下のMnと、0.025質量ppm未満のPと、0.025質量ppm未満のSと、1.2質量パーセント以下のCrと、0.3質量パーセント以下のMoと、0.25質量パーセント以下のVと、0.25質量パーセント以下のNiとを含んでおり、残部がFe及び不可避不純物からなっている。表面における鋼中の平均炭素濃度は、0.6質量パーセント以上である。表面における鋼中の平均窒素濃度は、0.10質量パーセント以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の機械部品であって、
表面に浸炭浸窒層を備え、
前記鋼は、0.13質量パーセント以上0.58質量パーセント以下の炭素と、0.15質量パーセント以上0.35質量パーセント以下のシリコンと、0.6質量パーセント以上1.1質量パーセント以下のマンガンと、0.025質量ppm未満のリンと、0.025質量ppm未満の硫黄と、1.2質量パーセント以下のクロムと、0.3質量パーセント以下のモリブデンと、0.25質量パーセント以下のバナジウムと、0.25質量パーセント以下のニッケルとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなり、
前記表面における前記鋼中の平均炭素濃度は、0.6質量パーセント以上であり、
前記表面における前記鋼中の平均窒素濃度は、0.10質量パーセント以上であり、
前記表面における前記鋼の硬さは、800Hv以上であり、
前記表面における前記鋼中の残留オーステナイトの体積比は、22パーセント以下であり、
前記機械部品は、前記表面の少なくとも一部において転動体に接触され、
前記表面からの深さが前記転動体の直径の0.02倍以上0.03倍以下となる位置における前記鋼の硬さは750Hv以上であり、
前記表面からの深さが前記転動体の直径の0.02倍以上0.03倍以下となる位置における前記鋼中の残留オーステナイトの体積比は20パーセント以下である、機械部品。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記転動体が前記表面に接触した際に前記表面に形成される圧痕の深さは、0.5μm以下である、請求項1に記載の機械部品。
【請求項3】
前記機械部品の静的負荷容量は5.3GPa以下である、請求項1に記載の機械部品。
【請求項4】
前記転動体が前記表面に接触した際に前記表面に形成される圧痕の深さは、0.5μm以下である、請求項3に記載の機械部品。
【請求項5】
内輪、外輪及び転動体を備え、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体の少なくともいずれかは、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の前記機械部品である、転がり軸受。
【請求項6】
ねじ軸、ボールナット及びボールを備え、
前記ねじ軸、前記ボールナット及び前記ボールの少なくともいずれかは、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の前記機械部品である、ボールねじ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品、転がり軸受及びボールねじに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)及びハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)を中心に、電動化が進んでいる。例えば、油圧ブレーキは電動ブレーキに置き換わってきており、エンジン及びトランスミッションは駆動モータ、減速機及びインバータで構成される電動アクスル(E-Axle)に置き換わってきている。その他にも、電動VTC(可変バルブ機構)、電動コンプレッサ、駆動モータとCVT(Continuously Variable Transmission)とを組み合わせた電動CVT等が用いられるようになっている。
【0003】
上記のような電動化部品には、転がり軸受やボールねじが用いられている。転がり軸受では、転動体と内輪及び外輪の軌道面とが接触する。ボールねじでは、転動体と軸及び外輪(ナット)の軌道面とが接触する。
【0004】
静的負荷容量は、軌道面に形成される圧痕の深さを転動体の直径で除した値が1/10000となる際の転動体と軌道面との間の最大接触面圧である。静定格荷重は、静的負荷容量を負荷換算したものである。
【0005】
電気自動車では、電費向上のため、軽量化が重要である。そのため、転がり軸受やボールねじには、小型化が求められている。転がり軸受やボールねじに静定格荷重を超える荷重が加わると、軌道面に圧痕が形成され、当該圧痕が早期損傷の発生、異音や振動の増加の原因となることがある。静定格荷重は転がり軸受やボールねじのサイズが大きくなるほど大きくなるため、転がり軸受やボールねじに大きな荷重が加わる場合、転がり軸受やボールねじのサイズを大きくすることにより軌道面に圧痕が形成されることが抑制される。しかしながら、そのようにすると、電動化部品が大型化してしまい、電気自動車の軽量化を達成することができない。
【0006】
他方で、静的負荷容量を大きくすることによっても静定格容量を大きくすることができるため、静的負荷容量を大きくすることができれば、転がり軸受やボールねじのサイズを大きくせずとも軌道面に圧痕が形成されることを抑制可能であり、ひいては転がり軸受やボールねじのサイズを小型化することができる。
【0007】
例えば特開2013-119930号公報(特許文献1)には、高温(240℃以上300℃以下の温度)で焼戻しを行うことにより軌道面における鋼中の残留オーステナイトの体積比を減少させ、軌道面における静的負荷容量を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-119930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されているように高温で焼戻しを行う場合、軌道面における鋼の硬さが低下してしまう。なお、軌道面における鋼の硬さが低下すると、表面起点型、内部起点型、圧痕起点型又は水素脆性型の剥離に起因した転動疲労寿命の低下や軌道面における耐摩耗性の低下が懸念される。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、表面における静的負荷容量を改善しつつ、表面における硬さを確保することが可能な機械部品、転がり軸受及びボールねじを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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