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公開番号2024037254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-19
出願番号2022141958
出願日2022-09-07
発明の名称シール構造
出願人株式会社SUBARU
代理人個人
主分類F16J 15/10 20060101AFI20240312BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】軽量かつ簡易な構造で、シール部材が熱劣化による弾力の低下や寸法収縮した場合、低温環境で硬化して弾力を失った場合の双方の場合に、構成部材の交換を行うことなくシール部材の面圧低下を防止可能なシール構造の提供。
【解決手段】開口部80を備える端面を有する第1部材12と開口部80を覆う第2部材30との間を環状のシール部材40を介在させて密閉するシール構造10において、開口部80を囲んで端面16に形成された環状凹部であってシール部材を端面16から一部突出させた状態で内部に収容する環状凹部20と、この環状凹部20内に収容されシール部材40を下方から支持する樹脂製の環状シール部材支持体11を備え、シール部材支持体11は環状凹部20全長にわたってシール部材40を支持して両側から挟む溝部14を有し、シール部材支持体11を構成する樹脂は熱による劣化時および所定温度以下の低温時に収縮する収縮性を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
開口部を備える端面を有する第1部材と、少なくとも前記開口部を覆う第2部材との間を弾性の環状のシール部材を介在させて密閉するシール構造において、
前記開口部を囲んで前記端面に形成された環状の凹部であって前記シール部材を前記端面から一部突出させた状態で内部に収容する環状凹部と、
該環状凹部内に全長にわたって収容され、前記シール部材を下方から支持する樹脂製の環状のシール部材支持体と、を備え、
前記シール部材支持体は、前記環状凹部に全長にわたって伸長し前記シール部材を支持した状態にて該シール部材を両側から挟む溝構造を有し、
前記シール部材支持体を構成する前記樹脂は、熱による劣化時および所定温度以下の低温時に収縮する収縮性を有することを特徴とするシール構造。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記シール部材支持体の前記溝構造は、垂直断面形状が前記シール部材の下方側を受け入れて支持可能なV字状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記樹脂製のシール部材支持体には強化繊維が混入されており、該強化繊維は、前記環状凹部の底面に対して略垂直に配向されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシール構造。
【請求項4】
前記シール部材支持体を構成する前記樹脂は、エンジニアリングプラスチックであって、該エンジニアリングプラスチックが急速冷却されて形成された結晶性樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のシール構造。
【請求項5】
前記シール部材支持体は、侵入を防止する対象である物質が存在する側の側面が前記環状凹部の同じ側の内壁に固着されたことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項6】
前記シール部材支持体の侵入を防止する対象である物質が存在する側の側壁は、該シール部材支持体が収縮して前記シール部材を変形させた状態で、該シール部材が前記環状凹部の同じ側の内壁に接触可能な低い高さとされたことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シール構造、特に車両に用いられる気液密のシール構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車両においては、たとえばエアクリーナや吸気マニホールドなどに使用されるシール構造が知られている。このようなシール構造のシール部材としては、一般的に合成ゴムからなるゴムガスケットが使用される。こうしたゴムガスケットには、オイル、土砂ほこり、雨水等の侵入を防いだり、または外部へのオイルの漏出を防ぐなどといった密閉機能が十分果たされることが期待されている。
【0003】
しかしながら、ゴムガスケットを用いたシール構造には以下のような問題点があった。すなわち、ゴムガスケットの熱劣化による弾性力低下と寸法収縮に起因するシール機能の低下と、低温環境におけるゴムガスケットの硬化による弾性力低下に起因するシール機能の低下である。特に、高温環境での使用が見込まれる市場に投入される車両においては、比較的熱に強くへたりにくいFKM(フッ素ゴム)製のゴムガスケットが採用されていたが、高価であることと、低温環境での性能についての信頼性が十分ではないなどの懸念があった。
【0004】
シール構造として、例えば、特許文献1においては、シール部材のシール機能が低下した場合にシール部材の面圧を増大させる面圧増大手段が設けられたシール構造が提案されている。このシール構造では、環状のシール部材の設置される環状溝内またはシール部材自体に円環状の面圧増大手段が設けられている。この面圧増大手段に用いられる面圧調整部材は、具体的には、形状記憶合金や、熱膨張性のガスなどで構成されている。これらが温度変化によって膨張または変形することにより、シール部材自体の弾性力による面圧が低下しても、シール部材がシールする方向へと押圧することができるようになっている。すなわち、面圧増大手段は、所定温度の範囲で変形することにより、シール部材の面圧を補う機能を奏している。これにより、所定温度領域でのシール構造の面圧低下が抑えられ、シール性が極端に低下することが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-81542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1において提案されたシール構造では、面圧調整部材が形状記憶合金や熱膨張性のガスであるなど、シール部材とは異種材料である金属や気体によって構成されている。したがって、低温時や高温による劣化の状況の双方の状態においてシール部材の面圧を補うためには、同一の面圧調整部材を用いることはできず、属性の異なる面圧調整部材を準備し、交換を行わなければならず煩雑である。また、材料価格や組み付けの複雑さにおいてコスト高となり、面圧増大手段が金属製の場合には構造全体の重量が増加するという問題も有している。そのため、必ずしも好ましいシール構造とはいえない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量且つ簡易な構造で、シール部材が熱劣化によって弾性力の低下や寸法収縮した場合、さらに低温環境で硬化して弾性力を失った場合の双方の場合に、構成部材の交換を行うことなくシール部材の面圧低下を防止することが可能なシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、開口部を備える端面を有する第1部材と、少なくとも前記開口部を覆う第2部材との間を弾性の環状のシール部材を介在させて密閉するシール構造において、前記開口部を囲んで前記端面に形成された環状の凹部であって前記シール部材を前記端面から一部突出させた状態で内部に収容する環状凹部と、該環状凹部内に全長にわたって収容され、前記シール部材を下方から支持する樹脂製の環状のシール部材支持体と、を備え、前記シール部材支持体は、前記環状凹部に全長にわたって伸長し前記シール部材を支持した状態にて該シール部材を両側から挟む溝構造を有し、前記シール部材支持体を構成する前記樹脂は、熱による劣化時および所定温度以下の低温時に収縮する収縮性を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るシール構造によれば、軽量且つ簡易な構造で、シール部材が熱劣化によって弾性力の低下や寸法収縮した場合、さらに低温環境で硬化して弾性力を失った場合の双方の場合に、構成部材の交換を行うことなくシール部材の面圧低下を防止することが可能なシール構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係るシール構造の断面図である。
熱劣化時または低温時における状態を示す図1と同様の断面図である。
熱劣化時または低温時における状態を示す図2と同様の断面図である。
本発明の一実施形態に係るシール構造の断面図である。
熱劣化時または低温時における状態を示す図2と同様の断面図である。
本発明の一実施形態に係るシール構造のシール部材支持体に含まれた強化繊維の繊維配向を示す断面模式図である。
車両に用いられる吸気マニホールドのカバーを取り外した状態の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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