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公開番号2024018521
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022121913
出願日2022-07-29
発明の名称船外機
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類B63H 23/10 20060101AFI20240201BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】 船外機においてエネルギー損失を低減する。
【解決手段】 船外機1は、船体2に支持された上部ケース3と、回動可能に上部ケースに支持された下部ケース4と、上部ケース内に配置された第1駆動源15と、上部ドライブシャフト17によって第1駆動源に接続された遊星歯車機構20と、下部ドライブシャフト18を介して遊星歯車機構に接続されたプロペラシャフト23と、下部ケースにトルクを与える第2駆動源31とを有する。遊星歯車機構は、太陽歯車35、複数の遊星歯車36を回転可能に支持する遊星キャリア37、及び内歯車38を有する。内歯車が、下部ドライブシャフトの上端に接続されている。太陽歯車が、上部ドライブシャフトの下端に接続されている。遊星キャリアは、下部ケースに下部ドライブシャフトの回転方向と逆向きのトルクを与えるように接続されている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
船外機であって、
船体に支持された上部ケースと、
上下に延びる第1軸線を中心として回動可能に前記上部ケースの下部に支持された下部ケースと、
前記上部ケース内に配置された第1駆動源と、
前記上部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線に沿って延び、上端において前記第1駆動源の出力軸に接続された上部ドライブシャフトと、
前記上部ケース又は前記下部ケースの内部に前記第1軸線に沿って配置され、前記上部ドライブシャフトの下端に接続された遊星歯車機構と、
前記下部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線に沿って延び、上端において前記遊星歯車機構に接続され、下端に第1ベベルギヤを有する下部ドライブシャフトと、
前記下部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線と直交する方向に延び、一端に前記第1ベベルギヤと噛み合う第2ベベルギヤを有し、前記下部ケースから突出した他端にプロペラを有するプロペラシャフトと、
前記下部ケースに前記第1軸線を中心としたトルクを与える第2駆動源とを有し、
前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車を回転可能に支持する遊星キャリアと、複数の前記遊星歯車に噛み合う内歯車とを有し、
前記内歯車が、前記下部ドライブシャフトの上端に接続され、
前記太陽歯車が、前記上部ドライブシャフトの下端に接続され、
前記遊星キャリアは、前記下部ケースに前記下部ドライブシャフトの回転方向と逆向きのトルクを与えるように接続されている船外機。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記遊星歯車機構は、前記上部ケース内に配置されている請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記遊星キャリアが前記下部ケースに固定されている請求項2に記載の船外機。
【請求項4】
前記遊星キャリアと前記下部ケースとが所定の変速比で接続する変速機構によって接続されている請求項2に記載の船外機。
【請求項5】
前記変速比が次の関係を満たすように設定されている請求項1に記載の船外機。
変速比=1-1/(プラネタリ変速比+1)
プラネタリ変速比=Zc/Za
ここで、Zaは前記太陽歯車の歯数であり、Zcは前記内歯車の歯数である。
【請求項6】
複数の前記遊星歯車が、前記太陽歯車に噛み合う複数の内側遊星歯車と、前記内側遊星歯車及び前記内歯車に噛み合う複数の外側遊星歯車とを含み、
前記変速比が次の関係を満たすように設定されている請求項1に記載の船外機。
変速比=1+1/(プラネタリ変速比-1)
プラネタリ変速比=Zc/Za
ここで、Zaは前記太陽歯車の歯数であり、Zcは前記内歯車の歯数である。
【請求項7】
前記上部ケースには、前記上部ドライブシャフトを回転可能に支持するための軸受と、オイルポンプと、前記オイルポンプから前記軸受に延びる第1油路とが設けられ、
前記遊星キャリアは、前記第1軸線を中心とする円環状であって、
前記遊星キャリアは、複数の前記遊星歯車のそれぞれを回転可能に支持する複数のピニオンシャフトを有し、
前記遊星キャリアの内周面は、前記上部ドライブシャフトの外周面と摺接し、
前記上部ドライブシャフトは、前記軸受に向けて開口する第1孔と、前記遊星キャリアの前記内周面に向けて開口する第2孔とを有し、前記第1孔において前記第1油路に接続する第2油路を有し、
前記遊星キャリアは、前記遊星キャリアの前記内周面からそれぞれに前記ピニオンシャフトのそれぞれの外周面に延び前記第2油路に接続する第3油路を有する請求項1に記載の船外機。
【請求項8】
前記上部ケースには、オイルポンプと、前記第1軸線を中心とした第1円筒部と、前記オイルポンプから前記第1円筒部の外周面又は内周面に延びる第1油路とが設けられ、
前記遊星キャリアは、前記第1軸線を中心とした第2円筒部と、複数の前記遊星歯車のそれぞれを回転可能に支持する複数のピニオンシャフトとを有し、
前記第2円筒部は、前記第1円筒部の前記外周面又は前記内周面と摺接し、
前記遊星キャリアは、前記第2円筒部の外周面又は内周面からそれぞれに前記ピニオンシャフトのそれぞれの外周面に延び前記第1油路に接続する第2油路を有する請求項1に記載の船外機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船外機に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、船体に設けられたエンジン及びモータジェネレータを含む駆動源と、駆動源の出力軸にベベルギヤを介して接続され、上下に延びるドライブシャフトと、ドライブシャフトの下部を受容する下部ケースと、下部ケース内でドライブシャフトの下端とベベルギヤを介して接続され、水平方向に延びたプロペラシャフトと、プロペラシャフトの下部ケースから突出した端部に設けられたプロペラとを有する船外機を開示している。下部ケースはドライブシャフトを中心として回動可能に船体に支持されており、電動油圧シリンダによって船体に対する角度が変更される。このような船外機は、舵角を変更するときに下部ケースのみを回動させるため、船外機の設置スペースを小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許5293335号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る内燃機関は、プロペラシャフトがベベルギヤを介してドライブシャフトに垂直に連結され、プロペラシャフトが下部ケースに支持されているため、ドライブシャフトのトルクがプロペラシャフトを介して下部ケースを回転させる方向に加わる。そのため、舵角、すなわち下部ケースの船体に対する角度を一定に維持するために、常に電動油圧シリンダに電力を供給する必要があり、エネルギー損失が生じるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、船外機においてエネルギー損失を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、船外機(1)であって、船体(2)に支持された上部ケース(3)と、上下に延びる第1軸線(A)を中心として回動可能に前記上部ケースの下部に支持された下部ケース(4)と、前記上部ケース内に配置された第1駆動源(15)と、前記上部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線に沿って延び、上端において前記第1駆動源の出力軸に接続された上部ドライブシャフト(17)と、前記上部ケース又は前記下部ケースの内部に前記第1軸線に沿って配置され、前記上部ドライブシャフトの下端に接続された遊星歯車機構(20)と、前記下部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線に沿って延び、上端において前記遊星歯車機構に接続され、下端に第1ベベルギヤ(24)を有する下部ドライブシャフト(18)と、前記下部ケースに回転可能に支持され、前記第1軸線と直交する方向に延び、一端に前記第1ベベルギヤと噛み合う第2ベベルギヤ(25)を有し、前記下部ケースから突出した他端にプロペラ(26)を有するプロペラシャフト(23)と、前記下部ケースに前記第1軸線を中心としたトルクを与える第2駆動源(31)とを有し、前記遊星歯車機構は、太陽歯車(35)と、前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車(36)を回転可能に支持する遊星キャリアと(37)、複数の前記遊星歯車に噛み合う内歯車(38)とを有し、前記内歯車が、前記下部ドライブシャフトの上端に接続され、前記太陽歯車が、前記上部ドライブシャフトの下端に接続され、前記遊星キャリアは、前記下部ケースに前記下部ドライブシャフトの回転方向と逆向きのトルクを与えるように接続されている。
【0007】
この態様によれば、遊星キャリアから下部ケースに下部ドライブシャフトの回転方向と逆向きのトルクが加わる。これにより、下部ドライブシャフトからプロペラシャフトを介して下部ケースに加わるトルクの少なくとも一部が相殺される。そのため、下部ケースの上部ケースに対する角度を維持するために第2駆動源が発生するべき駆動力を低減させることができる。すなわち、船外機においてエネルギー損失を低減することができる。
【0008】
上記の態様において、前記遊星歯車機構は、前記上部ケース内に配置されているとよい。
【0009】
この態様によれば、下部ケースの小型化が可能になる。
【0010】
上記の態様において、前記遊星キャリアが前記下部ケースに固定されているとよい。
(【0011】以降は省略されています)

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