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公開番号2023128975
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-14
出願番号2022033689
出願日2022-03-04
発明の名称三胴型旅客船
出願人石田造船株式会社
代理人個人
主分類B63B 1/08 20060101AFI20230907BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】大きなプロペラと大きな出力の主機関を搭載した旅客船を提供する。
【解決手段】三胴型旅客船1は、トランサムスターンの主船体10と、主船体10の両舷に並設されたトランサムスターンの一対の側部フロート20、30とを具備している。主船体10の船底は、プロペラ軸9が船外に突出する手前までの船首側がストレートV形状になっている。船尾側の船底RSは、ストレートV形状の船底11に続いて船尾方向にゆくに従って漸次浅くなる上昇船底部12と、水平に延びてストレートVの船底11よりも浅い船尾船底部14と具備している。船尾船底部14の深さは両舷の側部フロート20、30よりも浅く、上昇船底部12と船尾船底部14との間の最も浅くなっている位置でプロペラ4が回転する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トランサムスターンの主船体と、
前記主船体よりも短く容積が小さく、前記主船体の船尾と位置を合わせて前記主船体の両舷に並設されたトランサムスターンの一対の側部フロートと、
主船体と左右の側部フロートを覆う甲板とを具備し、
前記主船体の船底は、プロペラ軸が船外に突出する手前までの船首側がストレートV形状になっており、
かつ船尾側は、前記ストレートV形状の船底に続いて船尾方向にゆくに従って漸次浅くなる上昇船底部と、水平に延びて前記ストレートV形状の船底よりも浅い船尾船底部とを具備し、
前記上昇船底部と船尾船底部との間の最も浅くなる船底部が設けられ、この位置にプロペラが配置され、前記船尾船底部の深さは前記両舷の側部フロートよりも浅く、前記上昇船底部と下降船底部との間の最も浅くなっている位置でプロペラが回転するようになっていることを特徴とする三胴型旅客船。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
請求項1の三胴型旅客船において、前記上昇船底部と、前記降船底部と、前記船尾船底部は、舷の幅いっぱいに平板状としたフラットボトム形状であることを特徴とする三胴型旅客船。
【請求項3】
請求項1の三胴型旅客船において、前記上昇船底部と船尾船底部に跨がって玉子型の窪みが設けられ、当該玉子型の窪みが前記最も浅くなる船底部であることを特徴とする三胴型旅客船。
【請求項4】
請求項1の三胴型旅客船において、前記上昇船底部と船尾船底部との間に船尾に向けて次第に深くなる下降船底部が設けられ、前記上昇船底部と前記下降船底部の間が前記最も浅くなる船底部であることを特徴とする三胴型旅客船。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三胴型旅客船に関し、特に直径の大きなプロペラを収容した比較的小型の三胴型旅客船に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、船舶の推進効率をあげるために大きな直径のプロペラの収容を可能にした船尾部の形状が開示されている。同文献によれば、船尾部の形状は、船尾端は広範囲に水面下に位置しており、これよりプロペラの最大直径に接する部分にいたるまで船底は船首方向にゆくに従って漸次上昇し、プロペラ付近から先の船底は次第に下降して、船底をくり抜いたような形状である。特許文献2には、高速船の造波抵抗を軽減させる方法として、船尾の底面にウェッジ部を設けることによる造波抵抗を軽減する技術が開示されている。同文献によれば、ウェッジ部において水流を加速し、加速された水流を水平または下方に流すことによって造波抵抗を軽減させる。さらに、特許文献3には、船尾部の流れを加速し、かつ推進用のプロペラより後方の水流を整流することによって造波抵抗を低減した高速船の船尾構造が開示されている。同文献によれば、プロペラ軸を通る延長線を両側から挟むように船尾側に一対のフィンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭56-4997号公報
特開平9-52591号公報
特開2006-51895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術においては、プロペラの位置から船尾にかけて次第に下降させた形状によって、特許文献2に示されたようなウェッジの効果を得ることができている。一方で、特許文献1の技術では船底は船尾から船首方向にゆくに従って漸次上昇させ、プロペラのあたりで最も上昇させているため、プロペラを挟むように両舷から水中に向けてフィンを設けて、舷から空気の流入を抑止する必要がある。また、大きなプロペラを使用する場合には、大きな出力の主機関を搭載する必要があり、船底をくり抜いたような形状では、浮力が低下し、安定性も低下するため、搭載できる主機関の大きさに限界があった。
【0005】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、大きなプロペラと大きな出力の主機関を搭載した旅客船を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の三胴型旅客船はトランサムスターンの主船体と、
前記主船体よりも短く容積が小さく、前記主船体の船尾と位置を合わせて前記主船体の両舷に並設されたトランサムスターンの一対の側部フロートと、
主船体と左右の側部フロートを覆う甲板とを具備し、
前記主船体の船底は、プロペラ軸が船外に突出する手前までの船首側がストレートV形状になっており、
かつ船尾側は、前記ストレートV形状の船底に続いて船尾方向にゆくに従って漸次浅くなる上昇船底部と、水平に延びて前記ストレートVの船底よりも浅い船尾船底部とを具備し、
前記上昇船底部と船尾船底部との間の最も浅くなる船底部が設けられ、この位置にプロペラが配置され、前記船尾船底部の深さは前記両舷の側部フロートよりも浅く、前記上昇船底部と下降船底部との間の最も浅くなっている位置でプロペラが回転するようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の三胴型旅客船においては、最も浅い船尾船底部でも、側部フロートよりも浅くなっている。このため、船速が上昇するに従って、船首により押しのけられた水流が、主船体と側部フロートとの間に入り込みプロペラに吸い込まれることにより、舷からの空気の進入は抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施例の三胴型旅客船を示し、図1Aは正面図、図1Bは側面図、図1Cは底面図である。
三胴型旅客船の断面を示す図であり、図2A、図2B及び図2Cは夫々Y1-Y1断面、Y2-Y2断面、Y3-Y3断面を示す図である。
三胴型旅客船を示す図であり、図3A、図3B及び図3Cは夫々X1-X1断面、X2-X2断面、X3-X3断面であり、図3Dは背面を示す図である。
本実施例の三胴型旅客船1の作用を示す図であり、図4Aは喫水線WLに沿って切断した三胴型旅客船1の断面、図4Bは船底の水流の流れを側面から見た図である。
他の実施例の三胴型旅客船を示し、図5Aは底面図であり、図5B、図5C及び図5D、図5Eは夫々X4-X4断面、X5-X5断面、X6-X6断面、Y4-Y4断面であり、図5Fは背面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
図1は、本実施例の三胴型旅客船1を示し、図1Aは正面図、図1Bは側面図、図1Cは底面図である。三胴型旅客船1は、国内の19トン(20トン未満(総容積139.8m

未満)で長さ24m未満の船規則に合わせるため限度枠の大きさの深さで設計された小型船舶である。三胴型旅客船1は、主船体10と、主船体10の両舷に側部フロート20、30が並設されている。側部フロート20、30は、主船体10の長さL1よりも短くいL2であり、かつ小容積である。速力は船の長さに比例するため、主船体10の長さL1を長くして、没水した船体部分の長さを確保して速力が出るようにしている。側部フロート20、30には、災害発生時に緊急物資が運べるように清水タンクとして利用可能なように取水栓(図示せず)が取り付けられている。側部フロート20、30の位置は、主船体10の船尾寄りである。側部フロート20、30の船尾位置は、主船体10の船尾位置に揃えられて、三胴型旅客船1の船尾Sを構成している。船尾S側の両舷には、甲板2から両サイドに電動で動く折り畳み式タラップ18が設置され(図では一方のみ示した)、船首にはスラスタ16を備えている。
【0010】
主船体10と側部フロート20、30は、甲板2及び甲板2の下に連結部40、50により連結されている。甲板2は、主船体10および側部フロート20、30を覆っている。連結部40、50を空洞として、甲板2の下の清水タンクとして利用することも可能である。主船体10、側部フロート20、30の何れもトランサムスターンとなっており、船尾S側の甲板2(スターンデッキ)は広く確保されている。側部フロート20、30の船底は、先端から後端にかけて直線状である。側部フロート20、30の船底には、安定的な直進性を得る為に、船底の全長に渡ってキールKLを装着してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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