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公開番号2023072605
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-24
出願番号2021185287
出願日2021-11-12
発明の名称船首波活用装置
出願人個人
代理人
主分類B63B 1/32 20060101AFI20230517BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】船体の大きさや形態及び航行速度に左右されず、しかも既存の船舶に追加することで、船首で発生する大きな波のエネルギーを受け止めて推進力に変換し、活用する船首波活用装置を提供する。
【解決手段】船首の両脇に船舶の進行方向と平行な平板を設け、船首で発生したいわゆるV字波を後方に流し、その反作用が推進力となり結果的に船舶の航行抵抗を減少して、推進効率を向上する船首波活用装置を提供することである。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
船体の船首からやや後方の両側に船体の中心線に並行に設けられた平板部は、船体の側面から一定距離離れた位置に取り付けられ、上下位置は喫水線の上下にわたる位置にあることを特徴とする船首波活用装置。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
平板部の船体側には、少なくとも1個の船体の進行方向に平行なヒレ状突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の船首波活用装置。
【請求項3】
平板部の船体側には、少なくとも1個の船体の進行方向に平行な突起を設け、該突起の前端に近い部分の断面は頂点部が曲線的滑らかな凹凸状となし、平板部の後端に近い部分の突起の断面は頂点がシャープなヒレ状となしたことを特徴とする請求項1記載の船首波活用装置。
【請求項4】
平板部は船体に対して旋回可能な腕によって水平面内で移動可能な状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の船首波活用装置。
【請求項5】
平板部の上部の後端が喫水線に対して斜めに傾斜しており、後方に向かうほど低くなるごとく形成されていることを特徴とする請求項1記載の船首波活用装置。
【請求項6】
平板部は船体に対して伸縮可能なシリンダーによって上下方向に移動可能な状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の船首波活用装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の航行において発生する船首波を抑制してそのエネルギーを推進力に変えることを目的とした船首波活用装置に関するものであり、特に現存の船舶に後から取り付けてもその効果を発揮することができる利便性の高い船首波活用装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
CO2削減が強く叫ばれる現在、船舶の航行に必要な使用燃料の削減効果のある技術の実用化が、逼近の課題となっている。現状技術では船首から発生する波の抵抗によって多くの推進力が費やされており、船舶の航行抵抗を軽減する方法としては、船首に球状の突起を設けて、船首に発生する圧力波の位相を制御して波の発生を軽減しようとするものが多い。しかし、この方法では、船舶の航行時の喫水線の位置や速度によって効果が変化してしまい、その設計性能を充分に発揮できない場合が多い。その主な原因はタンカーのように大幅に喫水線の位置が変わるものとか、モーターボートのように滑走型で船体が大きく浮き上がるタイプのものである。
【0003】
一般に船体の形状としては、排水量型、滑走型、半滑走型などがあるが、高速船になるほど造波抵抗が急激に大きくなり、航行抵抗が大きくなって経済性が悪化する。船舶のタイプや航行速度によって船首に発生する波の特性が異なり、航行状態が変化しても広い航行状態で船首波を抑制し、更にそのエネルギーを高い効果で活用できる船首波活用装置はなかなか見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6111491
特願2019-165116両者は本出願人の発明によるものである。特許文献1は特許が成立しているものであるが、実用的機能向上のため、再出願検討中である。特許文献2は本発明とは異なり、船尾に発生するV字波を軽減するためのものであり、最近特許登録されている。特許第6944095。一部事業者において、この分野における技術は検討されつくしていて、新しい技術はもう存在しないともいわれているが決してそんなことはなく、まだまだ改良されるべき分野である。
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、船体の大きさや形態及び航行速度に左右されず、しかも既存の船舶に追加することで、船首で発生する大きな波のエネルギーを受け止めて高い効率で推進力に変換して、これを活用する船首波活用装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記課題を解決するための手段は、船首の両脇に船舶の進行方向と平行な平板を設け、船首で発生したいわゆるV字波が、該平板に当たってその外側に広がることを防ぐ構造のものである。
この平板によって船首波のエネルギーが外部に放出されずに後方に流れるので、その反作用が推進力となり、結果的に船舶の航行抵抗を減少して、推進効率を向上することになる。尚、この平板には浮力を期待するものではないので、船体としての防水性を備える必要はなく構造の簡略化を図るうえで極めて有利である。
【発明の効果】
【0008】
一般の船舶において船首で発生した波は水面上の波の伝搬速度に応じてV字型に広く広がり、そのエネルギーは回収されることはなく、全てが損失となる。航行速度が増加すれば、この波の形状は砕けて白波となり、船体の形状などによる対策でも回収不可能な損失エネルギーとなる。大型の船が高速で航行すると、近くの小型船が大きく揺れ、安全を脅かされる原因にもなっている。航行速度が増すと、この船首波のエネルギーが航行抵抗の大きな部分を占めるものとなり、いくら推進エネルギーを投入しても船舶の速度が向上しにくくなる。物流の効率を考慮すれば高速に航行することの利点は大きいが、そのための燃費が著しく増加してしまえば、物流効率向上との差し引きを考慮しなければならない。また、漁船などについては、一時も早く漁場に到達することが漁獲量を確保するための大きな要素であり、これを高めるために船速を速くすることが大切であるが、上記の燃費増加との相関を考慮しなければならない。本発明においては、平板の取り付けのみで速度が向上し、また燃費が減少することは、全てにおいて望ましいこととなる。この船首波活用装置の構造を以下図によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本発明の1実施形態を示した側面図である。
図2は本発明の1実施形態を示した平面図である。
図3は本発明の1実施形態を示した正面図である。
図4は本発明の1実施形態の他の状態を示した平面図である。
図5は本発明の他の1実施形態の詳細を示した船首付近の部分正面図である。
図6は本発明の他の1実施形態の詳細を示した船体中央部付近の部分正面図である。
図7は本発明の他の1実施形態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の船首波活用装置の機能を損なわない範囲で簡略化して実現するための実施形態を示す。
【実施例】
(【0011】以降は省略されています)

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