TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2023088803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-27
出願番号2021203765
出願日2021-12-15
発明の名称風力自在航行システム
出願人個人
代理人
主分類B63H 13/00 20060101AFI20230620BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】風の力を利用した航行システムに関するもので、特に回転する回転翼の迎角をサイクリックに制御可能な機構を設けた垂直軸型風車を利用することで、風の速度及び方向が一定ではなく、常に変化していても容易に対応して自在に航行しうるごとき船を具体的に実現するシステムを提供する。
【解決手段】回転する垂直軸風車の回転翼25,29の迎角を、風向き等に対する回転翼25,29の位置に応じてサイクリックに制御することによって回転翼25,29に働く揚力を増加し、風圧抵抗を減少しつつ、風車の回転動力を増加させ、風下方向の抵抗を減少させることで、航行性能を向上させる機構を有する風力自在航行システム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水面を航行する船体には喫水線に直交する回転軸が、喫水線より上に位置する上部軸受と下にある下部軸受によって回転自在に支持されている。回転軸には水平方向に延びる複数のアームが固着され、該アームには回転軸の回転方向に直角で半径方向に延びる回転アームが回転自在に設けられ、該回転アームの先端には、通常垂直上方を向いたフェザーリング軸が設けられ、付け根付近には軸回動アームが設けられている。該それぞれの軸回動アームには回転継手を介して上下作動バーが結合され、回転軸に対して上下にスライドするパイプ部材の横アームに結合されている。該パイプ部材が上下することで回転アームは約90度回転して先端のフェザーリング軸の角度は垂直から水平状態になり得る如く構成したことを特徴とする風力自在航行システム
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
パイプ部材には揺動自在なスイング部材が設けられ、該スイング部材の外周部には曲がりアームが複数設けられ前記回転アームとは図示しない機構で相互の回転を制限された状態で縦横自在にスイングし得る構造とされている。該曲がりアームのそれぞれの先端に自在接手を介してフェザーリングロッドが設けられている。フェザーリング軸には下回転翼が折翼前縁に突き出たヒンジにおいて回動自在に勘合されており、後縁付近の突起においてフェザーリングロッドの他端と結合していることを特徴とする請求項1記載の風力自在航行システム。
【請求項3】
下回転翼の上部の折畳みヒンジ軸には上回転翼が折れ曲がり自在に取り付けられ、中央部前縁のフックと可撓性のワイヤーで結合されている。該上回転翼は、常時図示しないスプリングで下回転翼に対して直線状に延びるように付勢されている。パイプ部材の上下動に応じて回転アームは約90度回転することで、先端のフェザーリング軸が垂直から水平状態になると、該フェザーリング軸にヒンジを介して回動自在に支持された下回転翼が共に回動し、該下回転翼に折れ曲がり自在に取り付けられた上回転翼は、該フックにおいて結合された可撓性のワイヤーの他端に設けたスライド部材が下方にスライドする動きにより図4及び図5に示す位置に収納されるごとく構成されたことを特徴とする請求項1記載の風力自在航行システム。
【請求項4】
回転軸の上部軸受より上に設けたギヤーを介して発電機が設けられていることを特徴とする請求項1記載の風力自在航行システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は風の力を利用した船の航行システムに関するものであり、特に風の方向に左右されずに自在に航行することができる複合的技術を含む風力自在航行システムに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
風の力で航行するいわゆる帆走船は数世紀にわたって利用され、その技術は多岐にわたるものである。帆の形式についても横帆、縦帆と各種の形式がある。
しかし、従来の帆走船では長いマストと重く大きな帆の操作に多くの人手や動力が必要で、特に風上に進むためにはジグザグに航路を選択する必要も有る為、コスト及び人件費を考慮した場合、そのメリットは少なくなっている。
【0003】
新規に開発する風力自在航行システムは従来の帆船の構造にとらわれずに、多くのメリットを備えるものである。
改良される項目として、〈1〉機構の小型、軽量化〈2〉制御の軽便化〈3〉風の方向変化に制限されない走行性能〈4〉強風時の即時退避機能〈5〉用途として高効率発電対応〈6〉風の方向変化への自動最適対応に外部エネルギーを必要としない〈7〉入出港時の高さ制限への対応〈8〉風車の回転時・起動時のデッドポイントの解消〈9〉外部動力による走行時に空気抵抗を生じないなどを含むものである。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために、近年急速に発展しつつある風車技術を利用するものであるが、現在までこの分野では実用化したものは見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-056744公報(01)
特開2006-177264公報(02)
特願2015-180277 (03)
特許第6398095号 (04)上記特許情報において、(01)、(02)においては固定帆に関するもので有り、(03)においては構成要素についてのみの記述でその具体性は不明である。(04)は本出願人らによる特許である。航行システムではないが本件に必要とされる動力装置の前記必要要件をいくつか備えている。すなわち〈3〉風の方向変化に影響されない、〈4〉強風時の即時退避機能、〈5〉用途として高効率発電対応に関しての狙いは共通するものである。後述する回転中のデッドポイントの解消にも有効な構造を含んでいる。このことから本発明が上記文献の構造を参考にしたものとなっているが、航行システムである本発明ではサイクリックピッチ制御の追加など更に発展させたものとなっている。
【発明の概要】
【0006】
風車を使用することは、風車の回転が回転翼に加える相対風速(周速比)を向上させることで、固定帆を使用する場合に比べてエネルギー密度を大幅に向上させることになる。結果的に固定帆に比べて〈1〉風車の翼面積を大幅に縮小することが出来、このことにより〈2〉軽量化及び〈3〉制御力の軽減など、多くの利点を得ることが出来ることになる。
【0007】
又、一般の風車としては回転軸が水平方向でプロペラ型の回転翼を有する水平軸型と、回転軸が垂直軸方向を向いて鉛直方向の直線または曲線状の回転翼を有する垂直軸型がある。
更に、回転翼から船の推進力を得るためには回転翼が風を受ける時の力をそのまま利用するものと、回転翼によって生じる動力を水中のスクリューに伝えて利用するものがある。前者は風によって得られる力の方向を船の推進方向に変換する必要があり、その技術が難しく、実現されているものを知りえていない。
後者は推進方向への変換は自由ではあるが、風車自体が風から直接受ける風圧抵抗が出来るだけ小さく、回転動力が出来るだけ大きいことが望ましく、その比が利用時の有効性を決定する。その相違点を解り易く言えば、追い風時、横風時、向い風時を想定して帆を利用した従来の帆走船と比較した時、本システムが正面からの風を受けた状態でも前に進むことが出来れば、完全に従来の帆走船の能力を上回るものであると云える。従来の固定帆の場合はジグザクに進むことでしか実現できていないので、帆の角度や位置を曲がり角の度に最適値に再設定する作業が伴い、この利便性の差は極めて大きい。〈4〉強風退避、〈5〉発電、〈6〉風の方向による帆走抵抗の変化に個別に対応、〈7〉港への入出時の高さ制限に対応、〈8〉回転中のデッドポイントの解消、〈9〉追い風時に風より速く進めるなどの特性については追って説明する。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は風の力を利用した航行システムに関するもので、特にサイクリックピッチ制御機能を備えた垂直軸型風車を利用することで、風の速度及び方向が一定ではなく常に変化していても容易に対応して自在に航行しうるごとき船を具体的に実現するシステムに関することにある。
【0009】
更に他の課題としては非常に大型の船を除いて航行中の揺れを考慮しておく必要がある。
上記の条件から水平軸型風車では回転軸の方向を風向きに対して平行にすることが望ましく、又風速の変化に対して風下方向の風圧抵抗を最低にするために、常に最適なピッチ角度に調整することが必要となる上、船体が縦方向及び横方向に揺れる場合回転翼にはジャイロ効果による大きな曲げモーメントが発生して、極端な場合破損の原因にもなりうる。
従って、これらの複雑な問題に対処して風車のブレードの角度を細かく調整できる機構を備えていなくてはならず、解決していくことは容易ではない。総合的な判断から、風の方向に影響されずに、前後左右の揺れにも強いという条件で考慮すると垂直軸型風車を選択する方が賢明と考え、本発明はその方向で進めるものである。
【0010】
本発明は垂直軸風車の回転動力によって水面下の推進機を駆動するという新しい技術によってこの課題を解決するものである。
更に風向、風速の変化と航行速度による推進力の変化に自動的に対応して風車の羽根の角度をサイクリックに制御する技術を備えたものであり、航行性能を最適化し、航行システムの実用化に極めて大きな効果を有するものである。本明細書の中でサイクリック制御と云う言葉とフェザーリング制御と云う言葉が使われているが、垂直軸型風車の回転翼の制御においては、ほぼ同じ意味であり、1回転の中での角度変化が強調される場合にサイクリック制御と云う表現となり、風の方向に適応するための受動的な動きを強調する場合にフェザーリング制御と云う言葉が使用されると理解してほしい。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
浮遊人工島
7か月前
個人
船舶用プロペラ
2か月前
個人
水難救命スーツ
3か月前
個人
水素製造船
7か月前
個人
係留装置 調理器具
8か月前
個人
流体抵抗低減省エネ船
27日前
個人
簡易型ライフジャケット
2か月前
個人
海流発電用三胴船
5か月前
個人
浮体式洋上風力発電方式
4か月前
個人
船舶推進装置
3か月前
川崎重工業株式会社
水中翼船
8か月前
石田造船株式会社
三胴型旅客船
7か月前
株式会社ユニオンジャパン
ボート
8か月前
ヤマハ発動機株式会社
船舶
4か月前
株式会社アビヨン・プロ
救命胴衣
8か月前
個人
船舶の制動装置
7か月前
ヤマハ発動機株式会社
救難艇
3か月前
横堀カーショップ合同会社
開閉装置
9か月前
個人
海洋「いかだ」上の風力発電システム
1か月前
個人
浮体式足場のブイ組立体
3か月前
BOYLE株式会社
ポッド型推進装置
9か月前
ヤマハ発動機株式会社
小型船舶
4か月前
ヤマハ発動機株式会社
小型船舶
4か月前
株式会社福研産業
連結昇降装置
8か月前
流体テクノ株式会社
推進性能向上装置
8か月前
ヤマハ発動機株式会社
船外機および船舶
9か月前
ヤマハ発動機株式会社
船外機および船舶
9か月前
ヤマハ発動機株式会社
船外機および船舶
9か月前
個人
搬送器材
1か月前
ヤマハ発動機株式会社
船舶推進機
7か月前
株式会社 ASC
航海用低燃費航行方法
2か月前
サームトロン株式会社
外付けスラスタ装置
1か月前
株式会社 神崎高級工機製作所
減速逆転機
3か月前
日立造船株式会社
浮体構造物
3か月前
株式会社トシプラ
ブイ
9か月前
合同会社小林知財研鑽処
海水圧リフト機構
5か月前
続きを見る