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公開番号2023099917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-07-14
出願番号2022000141
出願日2022-01-04
発明の名称ポッド型推進装置
出願人BOYLE株式会社
代理人個人
主分類B63H 5/16 20060101AFI20230707BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】インバータなどが不要で、エネルギーの変換効率も高く、プロペラの前後で発生する旋回流や円周方向で発生する無効水流等を低減して、推進効率の向上が図れるポッド型推進装置を提供する。
【解決手段】ポッド1内の推進用電動モータ8によりプロペラ20を回転させて船舶を推進させるポッド型推進装置において、プロペラ20の回転軸に連結された羽根ピッチ可変用電動モータ5により、羽根ピッチ角を変更するための同期差動変速機6と、プロペラ20の外周に配されたダクト19とを有し、ダクト19内のプロペラ20より前方に、ダクト19に流れ込んだ水をプロペラ20の羽根ピッチ角に沿った流れに整流するダクト前部整流板18を配した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポッドに収納された推進用電動モータによりプロペラの回転軸を回転させて船舶を推進させるポッド型推進装置において、
前記プロペラの回転軸に連結され、かつ前記ポッドに固定された羽根ピッチ可変用電動モータによって、前記プロペラの羽根ピッチ角を変更するための同期差動変速機と、
前記プロペラの外周に配されたダクトとを有し、
該ダクト内の前記プロペラより前方位置に、前記ダクトに流れ込んだ水を前記プロペラの羽根ピッチ角に沿った流れに整流するダクト前部整流板を配したことを特徴とするポッド型推進装置。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記ダクト内の前記プロペラより後方位置には、このプロペラの回転により発生した旋回流を抑制可能な傾斜角を有したダクト後部整流板が配されたことを特徴とする請求項1に記載のポッド型推進装置。
【請求項3】
前記プロペラの回転軸は中空パイプで、
該プロペラの回転軸には、前記同期差動変速機から前記プロペラの羽根ピッチ角を変更する力を該プロペラに伝達するためのボールねじまたは遊星ローラねじによる軸力変換機構が収納されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポッド型推進装置。
【請求項4】
前記ダクトは、前記プロペラの外周から前記ポッド型推進装置の前部まで覆うように構成されたことを特徴とする請求項1~請求項3のうち、何れか1項に記載のポッド型推進装置。
【請求項5】
前記ダクトの流水口部には、除塵用スクリーンが設けられたことを特徴とする請求項1~請求項4のうち、何れか1項に記載のポッド型推進装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回可能な繭型の回転楕円体に内蔵された推進用電動モータにより、プロペラの回転軸を回転させて船舶を推進させるポッド型推進装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
海上輸送を担う船舶は、海洋環境保全及び二酸化炭素による地球温暖化防止の観点から船舶の推進機関の推進効率の向上が求められている。
通常、船舶の推進機関は、大型デイーゼルエンジンなどで駆動される主軸の先端に取り付けたプロペラにより推進力が与えられる。大型船舶や速度制御が頻繁な船舶では、油圧駆動方式による可変ピッチプロペラが長く適用されてきた。
油圧駆動方式の可変ピッチ方式では、プロペラの羽根を操作するために油圧シリンダーを使用しているが、漏油による海洋水汚染などのトラブルや油圧装置の保守メインテナンスに手間とコストがかかる欠点があった。
【0003】
そこで、これを解決するために、旋回可能な繭型のポッド(回転楕円体)に内蔵した推進用電動モータ(交流電動モータ)の出力軸にプロペラを固定したポッド型推進装置などが実用化されている。
従来のポッド型推進装置は、出力軸の先端部に連結されたハブに、複数枚の羽根が固定ピッチで周設されたプロペラを用いて、交流電動モータの回転数を変化させることで、推進力を制御していた。
【0004】
また、従来、プロペラ式の推進装置の推進力を高める1つの技術として、プロペラを円筒状のダクトに収納したアジマスプロペラなどが知られている。これは、推進用電動モータによりプロペラを回転させることで、入水口から円筒状に仕切られたダクト内に水が流れ込み、回転中のプロペラを通過して排水口からダクトの外へ排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-37838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ポッド型推進装置において、交流電動モータの回転数を可変とするためには、サイクロコンバ―タ等の周波数変換装置が必要となり、大きなエネルギーロスが生じていた。
そのため、従来のポッド型電動推進装置を搭載した船舶では、デイーゼルエンジンで直接プロペラを回転させる従前方式よりもトータルのエネルギー効率が下がることが大きな課題であり、このままでは温暖化防止対策が実現できない状況となっていた。
【0007】
また、従来のアジマスプロペラでは、ダクトの流水口部に、水流をプロペラに沿って流すための整流板が存在しない。そのため、プロペラ翼面で渦等の流体損失が発生し、揚力が減じ、推進力が低下する課題があった。
しかも、このアジマスプロペラにあっては、プロペラの後方で、プロペラが回転することで旋回流が発生しており、この旋回流は、推進力に寄与しない流れであるため、旋回流を抑制することが課題となっていた。
【0008】
そこで、本発明者は鋭意研究の結果、ポッド型推進装置による推進力の制御として、従来の推進用電動モータの回転数制御方式に代えて、同期差動変速機を搭載した電動可変ピッチ方式を採用するとともに、ダクト内のプロペラより前方位置(および後方位置)に流板を設ければ、上述した課題はすべて解消されることを知見し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、従来のポッド型推進装置で必要であったインバータなどが不要となり、かつエネルギーの変換効率も高いとともに、ダクト内においてプロペラの前(後)で発生する旋回流や、プロペラの円周方向で発生する無効水流等を低減して、推進効率の向上も図れるポッド型推進装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、ポッドに収納された推進用電動モータによりプロペラの回転軸を回転させて船舶を推進させるポッド型推進装置において、前記プロペラの回転軸に連結され、かつ前記ポッドに固定された羽根ピッチ可変用電動モータによって、前記プロペラの羽根ピッチ角を変更するための同期差動変速機と、前記プロペラの外周に配されたダクトとを有し、該ダクト内の前記プロペラより前方位置に、前記ダクトに流れ込んだ水を前記プロペラの羽根ピッチ角に沿った流れに整流するダクト前部整流板を配したことを特徴とするポッド型推進装置である。
ここでいう同期差動変速機とは、回転主軸と同心状に配設された出力軸を相対的に回転させることにより、回転主軸に取付けられた可変ピッチプロペラ駆動装置において、入力軸を介して羽根ピッチ可変用電動モータに連結された太陽歯車と、この太陽歯車と噛合し自転しながら上記太陽歯車の外周を公転する遊星歯車と、この遊星歯車と噛合する第三の歯車からなる歯車列を有し、上記遊星歯車又は第三の歯車のいずれか一方の歯車を前記出力軸に連結するとともに、他方の歯車を固定軸と前記回転主軸との間に介装された変速装置によって駆動し、前記太陽歯車が停止しているとき、前記出力軸と回転主軸との回転速度が等しくなるように変速比を選定した変速機である。
(【0011】以降は省略されています)

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