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公開番号2024000913
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-09
出願番号2022099899
出願日2022-06-21
発明の名称リビングラジカル重合体、及びその製造方法
出願人国立大学法人山形大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08F 8/00 20060101AFI20231226BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】分子量分布が狭く、かつ少なくとも1つの末端に官能基含有ジアシル型有機過酸化物由来構造が導入されたリビングラジカル重合体等の提供。
【解決手段】リビングラジカル重合体の1つの末端又は主鎖において重合開始剤由来の有機化合物部位を含み、かつ、少なくともいずれかの末端において、所定の末端官能基構造を含む、リビングラジカル重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リビングラジカル重合体の1つの末端又は主鎖において重合開始剤由来の有機化合物部位を含み、かつ、少なくともいずれかの末端において、下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される末端官能基構造を含む、リビングラジカル重合体。
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2024000913000020.jpg
29
170
(式(1)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、nは1~17の整数である。)
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2024000913000021.jpg
32
170
(式(2)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
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2024000913000022.jpg
36
170
(式(3)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記有機化合物部位が、ドーマントとしてヨウ素を含む重合開始剤に由来する、請求項1に記載のリビングラジカル重合体。
【請求項3】
純度が70~100%である、請求項1に記載のリビングラジカル重合体。
【請求項4】
アクリレートに由来する構造単位を主要な構造単位として含む、請求項1に記載のリビングラジカル重合体。
【請求項5】
分子量分布の値が1.0~1.5である、請求項1に記載のリビングラジカル重合体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のリビングラジカル重合体の製造方法であって、
有機化合物部位とドーマントとを含む重合開始剤と、ラジカル重合性不飽和単量体とを用いてリビングラジカル重合体の前駆体を形成する重合工程と、
前記前駆体の前記ドーマントに由来するドーマント末端に、下記式(4)~式(6)のいずれかで表される官能基含有ラジカル発生剤を反応させて、前記ドーマント末端の代わりに前記ラジカル発生剤に由来する末端官能基構造を導入する導入工程とを有する、リビングラジカル重合体の製造方法。
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2024000913000023.jpg
25
170
(式(4)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、nはそれぞれ独立して、1~17の整数である。)
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2024000913000024.jpg
37
170
(式(5)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
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2024000913000025.jpg
40
170
(式(6)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
【請求項7】
前記導入工程において、前記リビングラジカル重合体を製造するための反応温度が、70~130℃である、請求項6に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
【請求項8】
前記重合工程において、前記ラジカル重合性不飽和単量体100モルに対して、0.1~50モルの前記重合開始剤を用いる、請求項6に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
【請求項9】
前記導入工程において、前記前駆体の前記ドーマント末端1モルに対して、0.5~30モルの前記ラジカル発生剤を用いる、請求項6に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
【請求項10】
前記導入工程において、前記ラジカル発生剤を滴下して反応系に加える、請求項6に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の末端官能基構造を有するリビングラジカル重合体、及びその製造方法等に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
リビングラジカル重合は、ラジカル重合の長所である簡便性と汎用性を生かしつつ、欠点である不均一な分子量を解決できる画期的な重合である。リビングラジカル重合法は、触媒存在下で重合活性末端を生成するドーマントと有機化合物部位とから構成される重合開始剤と、ラジカル重合性不飽和単量体とを用いることで得られ、その重合体(以下、前駆体という)の末端には、重合開始剤中の有機化合物部位とドーマントがそれぞれ結合している。そのため、前駆体に新たなラジカル重合性単量体を加えて重合させると、成分の異なる共重合体(ブロック状に結合したブロック共重合体、枝状に結合したグラフト共重合体、さらに星状に結合した星型共重合体或いは梯子状に結合した梯子型共重合体など)がそれぞれ得られる。このような結合状態の異なる共重合体の一次構造は、ポリマーの化学的性質や物理的性質に大きく影響を与えることから、リビングラジカル重合は学術的にも工業的にも重要な技術である。
【0003】
しかしながら、得られる前駆体末端のドーマントは、硫化物、ハロゲン又は遷移金属等を含むため、臭気、腐蝕性、毒性及び着色性といった欠点を有し、様々な用途に展開するには、多くの制限がある。そのため、得られた前駆体末端のドーマントを除去する必要がある。
【0004】
一方、前駆体末端に官能基を結合させることによって、例えば、官能基を薄膜表面近傍に偏析させたり、他の重合体と反応させたり、有機又は無機粒子の表面に吸着又は反応させる等によって、新たな機能を発現させることが可能となる。末端に官能基が結合した前駆体としては、(I)あらかじめ官能基を含有した重合開始剤の有機化合物部位が前駆体末端に結合した重合体と、(II)官能基含有化合物を用いて、前駆体末端のドーマントを脱離させると同時に新たな官能基を末端に結合させた重合体の二つが存在する。上述の(I)の重合体においては、重合体の片末端にドーマント末端が存在しており、先述のような毒性等の安全性の面から、好ましくないものといえる。
【0005】
例えば、特許文献1には、上記(II)の重合体として、窒素及び硫黄を介して加水分解性シリル基が結合したリビングラジカル重合体が記されている。また、非特許文献1には、前駆体に窒素を介して水酸基、チオール基又はアルコキシシリル基が結合した重合体が記されている。しかしながら、これらの文献で得られた重合体においては、副反応による劣化によって、所望の化学構造が結合できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-74325号公報
【非特許文献】
【0007】
Macromolecules、(米)、2016、第49号、p9425-9940
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、分子量分布が狭く、かつ少なくとも1つの末端に官能基含有ジアシル型有機過酸化物由来構造が導入されたリビングラジカル重合体、及びその製造方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下に記載のものを含む。
【0010】
[1]
リビングラジカル重合体の1つの末端又は主鎖において重合開始剤由来の有機化合物部位を含み、かつ、少なくともいずれかの末端において、下記式(1)、式(2)又は式(3)で表される末端官能基構造を含む、リビングラジカル重合体。
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2024000913000001.jpg
29
170
(式(1)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、nは1~17の整数である。)
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2024000913000002.jpg
32
170
(式(2)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
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36
170
(式(3)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
[2]
前記有機化合物部位が、ドーマントとしてヨウ素を含む重合開始剤に由来する、[1]に記載のリビングラジカル重合体。
[3]
純度が70~100%である、[1]又は[2]に記載のリビングラジカル重合体。
[4]
アクリレートに由来する構造単位を主要な構造単位として含む、[1]~[3]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体。
[5]
分子量分布の値が1.0~1.5である、[1]~[4]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体の製造方法であって、
有機化合物部位とドーマントとを含む重合開始剤と、ラジカル重合性不飽和単量体とを用いてリビングラジカル重合体の前駆体を形成する重合工程と、
前記前駆体の前記ドーマントに由来するドーマント末端に、下記式(4)~式(6)のいずれかで表される官能基含有ラジカル発生剤を反応させて、前記ドーマント末端の代わりに前記ラジカル発生剤に由来する末端官能基構造を導入する導入工程とを有する、リビングラジカル重合体の製造方法。
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2024000913000004.jpg
25
170
(式(4)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であり、nはそれぞれ独立して、1~17の整数である。)
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37
170
(式(5)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
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2024000913000006.jpg
40
170
(式(6)中、R

はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。)
[7]
前記導入工程において、前記リビングラジカル重合体を製造するための反応温度が、70~130℃である、[6]に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
[8]
前記重合工程において、前記ラジカル重合性不飽和単量体100モルに対して、0.1~50モルの前記重合開始剤を用いる、[6]又は[7]に記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
[9]
前記導入工程において、前記前駆体の前記ドーマント末端1モルに対して、0.5~30モルの前記ラジカル発生剤を用いる、[6]~[8]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
[10]
前記導入工程において、前記ラジカル発生剤を滴下して反応系に加える、[6]~[9]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
[11]
前記導入工程を、ヨウ化物イオンとのイオン結合を有する非金属化合物の存在下で実施する、[6]~[10]のいずれかに記載のリビングラジカル重合体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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