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公開番号2024042989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147950
出願日2022-09-16
発明の名称感圧センサ、感圧センサの製造方法および導電膜
出願人国立大学法人山形大学
代理人個人,個人
主分類G01L 1/20 20060101AFI20240322BHJP(測定;試験)
要約【課題】広い圧力範囲を精度よく測定可能な感圧センサを提供する。
【解決手段】
本発明にかかる感圧センサ1は、樹脂11aと加熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセル11bと導電性粒子11cとを含む多孔質導電膜である高抵抗層11と、圧力により変化する抵抗値を測定するために形成された一対の電極12a,12bと、樹脂11aと熱膨張性マイクロカプセル11bと高抵抗層11以上の量の導電性粒子11cとを含む多孔質導電膜である低抵抗層13と、を備える。そして、第1の基板14上に高抵抗層11および電極12a,12bが形成された回路基板を第1の感圧抵抗体15とし、第2の基板16上に低抵抗層13が形成された回路基板を第2の感圧抵抗体17とし、第1の感圧抵抗体15の高抵抗層11と第2の感圧抵抗体17の低抵抗層13とを対向させて貼り合わせた構造とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
圧力の変化に応じた抵抗値の変化に基づいて圧力を測定する感圧センサにおいて、
樹脂と加熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子とを含む多孔質導電膜である第1の抵抗層と、
前記樹脂と前記熱膨張性マイクロカプセルと前記第1の抵抗層以上の量の導電性粒子とを含む多孔質導電膜である第2の抵抗層と、
圧力により変化する抵抗値を測定するために形成された一対の電極と、
を備え、
前記第1の抵抗層と前記第2の抵抗層とを対向させて貼り合わせた構造とする、
ことを特徴とする感圧センサ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
第1の基板上に前記第1の抵抗層および前記電極が形成された回路基板を第1の感圧抵抗体とし、
第2の基板上に前記第2の抵抗層が形成された回路基板を第2の感圧抵抗体とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項3】
前記樹脂を熱可塑性樹脂とする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の感圧センサ。
【請求項4】
前記導電性粒子をカーボンブラック(CB)とする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の感圧センサ。
【請求項5】
加熱膨張後の前記熱膨張性マイクロカプセルの直径を50μm~200μmとする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の感圧センサ。
【請求項6】
前記第1の感圧抵抗体を、前記第1の基板上に前記第1の抵抗層および前記電極がアレイ状に形成された回路基板とし、
前記第2の感圧抵抗体を、前記第2の基板上に前記第2の抵抗層がアレイ状に形成された回路基板とし、
アレイ状に形成された前記第1の抵抗層とアレイ状に形成された前記第2の抵抗層とを対向させて貼り合わせた構造とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の感圧センサ。
【請求項7】
圧力の変化に応じた抵抗値の変化に基づいて圧力を測定する感圧センサの製造方法において、
一方で、樹脂と膨張前の熱膨張性マイクロカプセルと第1の量の導電性粒子とを混合することにより第1の導電性樹脂ペーストを生成し、他方で、前記第1の量の導電性粒子に換えて第2の量(≧第1の量)の導電性粒子を混合することにより、前記第1の導電性樹脂ペーストより低抵抗または前記第1の導電性樹脂ペーストと同一の第2の導電性樹脂ペーストを生成するペースト生成工程と、
第1の基板上に、導電性ペーストを使用して電極パターンを印刷し、さらに、当該電極パターンを覆うように、前記第1の導電性樹脂ペーストを使用して第1の抵抗層パターンを印刷する第1の印刷工程と、
第2の基板上に、前記第2の導電性樹脂ペーストを使用して第2の抵抗層パターンを印刷する第2の印刷工程と、
アニーリングにより前記熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、前記第1の基板上に電極および多孔質導電膜である第1の抵抗層が形成された第1の感圧抵抗体と、前記第2の基板上に多孔質導電膜である第2の抵抗層が形成された第2の感圧抵抗体と、を作製するアニーリング工程と、
前記第1の抵抗層と前記第2の抵抗層とを対向させて貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を含むことを特徴とする感圧センサの製造方法。
【請求項8】
前記各パターンの印刷方式をスクリーン印刷とする、
ことを特徴とする請求項7に記載の感圧センサの製造方法。
【請求項9】
樹脂と加熱膨張後の熱膨張性マイクロカプセルと導電性粒子とを含む第1の多孔質導電膜と、
前記樹脂と前記熱膨張性マイクロカプセルと前記第1の多孔質導電膜以上の量の導電性粒子とを含む第2の多孔質導電膜と、
を有し、
前記第1の多孔質導電膜と前記第2の多孔質導電膜とを貼り合わせた、
ことを特徴とする導電膜。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力(荷重)の変化に応じた抵抗値の変化に基づいて圧力を測定する感圧センサ、および当該感圧センサの製造方法、に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、軽量で薄型かつ柔軟性を有する感圧センサの開発が進められており、特に、呼吸状態や心拍数といった生体情報の取得や、ロボットハンドへの適応等、医療の分野においては、より検出精度の高いフレキシブルな感圧センサが求められている。
【0003】
フレキシブルな感圧センサとしては、様々なタイプのものがあるが、たとえば、導電性粒子を含む導電層および電極を有し、導電層に対する圧力の変化に応じた抵抗値の変化に基づいて圧力を測定する、抵抗膜式の感圧センサ等が一般的に知られている(下記特許文献1~3参照)。
【0004】
このような感圧センサは、間隔を開けて対向する基板(シート、フィルム等)に加わる圧力の増加に比例して導電層の接触面積が増加するように構成されている。これにより、接触面積の変化に応じた抵抗値の変化を安定的に検出することができるため、結果として、圧力の測定精度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-57992号公報
特開2001-13015号公報
特開2015-59900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の感圧センサは、導電層に対する圧力の変化(導電層の接触面積の増減)に応じた抵抗値の変化に基づいて圧力を測定している。
【0007】
しかしながら、比較的軟質の基板(シート、フィルム等)を用いた場合には、小さな圧力で大きく抵抗値が変化するため、センサ感度は高いものの、比較的小さな圧力で導電層の全面が接触することとなり、その結果、測定可能な圧力の範囲が狭くなる。一方、測定可能な圧力の範囲を広くとるために比較的硬質の基板(シート、フィルム等)を用いた場合には、小さな圧力では変形が少なくなるため、小さな圧力を測定しづらくなる。
【0008】
また、従来の感圧センサは、導電層の表面粗さ(凹凸)が小さいことから、圧力の変化に対して導電層の接触面積の変化が急峻になる。そのため、比較的小さな圧力でも抵抗値が大きく低下し、その後、圧力を加え続けても抵抗値変化は微小となり、その結果、測定可能な圧力の範囲が狭くなる。
【0009】
すなわち、従来の感圧センサは、上記それぞれの観点から、圧力の測定範囲を広くとることができない点について、改善の余地がある。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、圧力の変化に対する抵抗値変化を緩やかにすることができ、かつ圧力の測定範囲を十分に広く確保可能な感圧センサ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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