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公開番号2023182960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-27
出願番号2022096263
出願日2022-06-15
発明の名称転がり軸受
出願人株式会社ジェイテクト
代理人
主分類F16C 33/46 20060101AFI20231220BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】保持器に内外輪と摺動する摺動部材を組み付けて、長期にわたって使用できる転がり軸受を提供する。
【解決手段】保持器は、第1環状体と、第2環状体と、複数の柱と、を備えたかご型保持器であって、転動体の公転に伴って中心軸mを中心として回転する。内輪の外周及び外輪の内周のうちいずれか一方は、摺動部材が摺動する第1案内面と第2案内面を有する。第1環状体及び第2環状体は、それぞれ少なくとも3個の摺動部材を備え、周方向に直接隣り合う任意の二つの摺動部材は、中心軸mの周りの中心角が180°より小さい角度で配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内周に外輪軌道面を有する環状の外輪と、外周に内輪軌道面を有する環状の内輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面の間に転動可能に配置された複数の転動体と、環状の保持器とを備え、
前記保持器は、第1環状体と、第2環状体と、前記第1環状体と前記第2環状体を略軸方向につなぐ複数の柱と、少なくとも3個の第1摺動部材と、少なくとも3個の第2摺動部材と、を備え、前記第1環状体と前記第2環状体と隣り合う2つの前記柱とで画定されて複数のポケットが形成され、各ポケットにそれぞれ前記転動体が組み込まれ、前記転動体の公転に伴って前記保持器が中心軸mを中心として回転する転がり軸受であって、
前記内輪の外周及び前記外輪の内周のうちいずれか一方は、前記外輪軌道面又は前記内輪軌道面の軸方向の第1の側に第1案内面を有するとともに軸方向の第2の側に第2案内面を有し、
前記少なくとも3個の第1摺動部材は、前記第1環状体の内周又は外周に固定されて前記第1案内面と摺動し、周方向に直接隣り合う任意の二つの前記第1摺動部材は、中心軸mの周りの中心角が180°より小さい角度で配置され、
前記少なくとも3個の第2摺動部材は、前記第2環状体の外周又は内周に固定されて前記第2案内面と摺動し、周方向に直接隣り合う任意の二つの前記第2摺動部材は、中心軸mの周りの中心角が180°より小さい角度で配置されたことを特徴とする転がり軸受。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1環状体は、周方向の少なくとも3か所で、1又は複数の第1貫通穴を有し、
前記第1摺動部材は、前記第1案内面と摺動する第1摺動面を備えた第1本体と、前記第1本体から突出する1又は複数の第1棒状部と、前記第1棒状部の先端部に設けた第1拡大部と、を有し、
前記第1棒状部が前記第1貫通穴の内部に収容されて、前記第1本体が前記第1貫通穴の一方の開口側で前記第1環状体に当接し、
前記第1拡大部は前記第1貫通穴の他方の開口側に露出して前記第1環状体に当接することを特徴とする請求項1に記載する転がり軸受。
【請求項3】
前記第1本体は、前記第1摺動面から窪んだ1又は複数の第1凹部と、前記第1凹部に開口する1又は複数の第2貫通穴と、を有し、
前記第1棒状部は、前記第1貫通穴の内部に収容されるとともに前記第2貫通穴の内部に連通して収容され、前記第1拡大部と反対側の端部に第1頭部を有しており、
前記第1頭部は、前記第1凹部に当接するとともに前記第1摺動面から突出しないことを特徴とする請求項2に記載する転がり軸受。
【請求項4】
前記第2環状体は、周方向の少なくとも3か所で、1又は複数の第3貫通穴を有し、
前記第2摺動部材は、前記第2案内面と摺動する第2摺動面を備えた第2本体と、前記第2本体から突出する1又は複数の第2棒状部と、前記第2棒状部の先端部に設けた第2拡大部と、を有し、
前記第2棒状部が前記第3貫通穴の内部に収容されて、前記第2本体が前記第3貫通穴の一方の開口側で前記第2環状体に当接し、
前記第2拡大部は前記第3貫通穴の他方の開口側に露出して前記第2環状体に当接することを特徴とする請求項1に記載する転がり軸受。
【請求項5】
前記第2本体は、前記第2摺動面から窪んだ1又は複数の第2凹部と、前記第2凹部に開口する1又は複数の第4貫通穴と、を有し、
前記第2棒状部は、前記第3貫通穴の内部に収容されるとともに前記第4貫通穴の内部に連通して収容され、前記第2拡大部と反対側の端部に第2頭部を有しており、
前記第2頭部は、前記第2凹部に当接するとともに前記第2摺動面から突出しないことを特徴とする請求項4に記載する転がり軸受。
【請求項6】
前記第1摺動部材は、少なくとも前記第1案内面と摺接する第1摺動面が固体潤滑剤からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載する転がり軸受。
【請求項7】
前記第2摺動部材は、少なくとも前記第2案内面と摺接する第2摺動面が固体潤滑剤からなることを特徴とする請求項1、請求項4、請求項5のうちいずれか1の請求項に記載する転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大形の転がり軸受、特に、保持器が内輪又は外輪で案内されている転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
転がり軸受は、内輪と外輪と転動体と保持器を備えている。外輪回転型の転がり軸受は内輪が静止し、外輪が内輪に対して回転する。外輪が静止した内輪に対して回転すると、転動体は、内輪の周りを公転する。このとき、転動体を保持する保持器は、転動体とともに内輪の中心軸を中心にして回転する。
かご型の保持器は、内輪の外周や外輪の内周と滑り接触をしながら回転することにより、保持器の自重を内輪や外輪で支持しつつ内輪及び/又は外輪の中心軸を中心にして回転するタイプのものがある。しかしながらこのタイプの保持器を大形の転がり軸受に使用すると、内輪又は外輪と保持器との滑り速度が大きくなるため、保持器、内輪及び/又は外輪は、摩耗が増大したり、滑り接触面に焼付きが生じるなどの問題が生じる恐れがある。
このような問題に対応するため、保持器は、軌道輪と異種金属である黄銅などの材料で製造されることが考えられる。しかしながら、大形の転がり軸受において、保持器全体が黄銅などの高価な材料で制作されると、保持器のコストは、増大してしまう。特許文献1に開示されている保持器は、環状の保持器を周方向に分割した複数のセグメントで構成し、各セグメントに黄銅などの摺動部材を溶接接合した後、一体に組み合わせる形式の保持器である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-094626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の保持器は、摺動部材を溶接接合するときに溶接時の熱によって各セグメントにひずみが生じた場合でも、セグメントの連結部で屈曲することにより保持器の全体としてひずみの影響を小さくできる。
しかしながら、保持器本体が環状の一体物で製作されている場合、保持器は、溶接するときの熱影響によってひずんでしまい、内輪の外周や外輪の内周にはめ合わせることができなくなる恐れがある。そこで摺動部材は、保持器本体にボルトで締結されることも検討されたが、ボルトは、長期にわたって使用すると緩み、転がり軸受は、脱落したボルトをかみ込んで回転不能になる等の不具合が懸念される。
【0005】
以上のような状況に鑑み、本発明は、転がり軸受の保持器本体に摺動部材を組み付けるにあたり、溶接などの熱影響によるひずみを防止するとともにねじの緩みによる部品の脱落を防止して、組立性に優れ、長期にわたって良好な回転を維持できる転がり軸受を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内周に外輪軌道面を有する環状の外輪と、外周に内輪軌道面を有する環状の内輪と、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面の間に転動可能に配置された複数の転動体と、環状の保持器とを備え、前記保持器は、第1環状体と、第2環状体と、前記第1環状体と前記第2環状体を略軸方向につなぐ複数の柱と、少なくとも3個の第1摺動部材と、少なくとも3個の第2摺動部材と、を備え、前記第1環状体と前記第2環状体と隣り合う2つの前記柱とで画定されて複数のポケットが形成され、各ポケットにそれぞれ前記転動体が組み込まれ、前記転動体の公転に伴って前記保持器が中心軸mを中心として回転する転がり軸受であって、前記内輪の外周及び前記外輪の内周のうちいずれか一方は、前記外輪軌道面又は前記内輪軌道面の軸方向の第1の側に第1案内面を有するとともに軸方向の第2の側に第2案内面を有し、
前記少なくとも3個の第1摺動部材は、前記第1環状体の内周又は外周に固定されて前記第1案内面と摺動し、周方向に直接隣り合う任意の二つの前記第1摺動部材は、中心軸mの周りの中心角が180°より小さい角度で配置され、前記少なくとも3個の第2摺動部材は、前記第2環状体の外周又は内周に固定されて前記第2案内面と摺動し、周方向に直接隣り合う任意の二つの前記第2摺動部材は、中心軸mの周りの中心角が180°より小さい角度で配置されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、転がり軸受の保持器に摺動部材を組み付けるにあたり、溶接などの熱影響によるひずみを防止するとともに、ねじの緩みによる部品の脱落を防止して、組立性に優れ、長期にわたって良好な回転を維持できる転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態である転がり軸受の軸方向断面図である。
図2(a)は、第2環状体の側から見た保持器の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の一部を拡大した部分拡大図である。
第1環状体を含む領域を拡大した軸方向断面図である。
図4(a)は、保持器単体の部分側面図であり、図4(b)は、図4(a)の保持器を白抜き矢印Bの向きに見た平面図である。
第2環状体を含む領域を拡大した軸方向断面図である。
図6(a)は、保持器単体の部分側面図であり、図6(b)は、図4(a)の保持器を白抜き矢印Dの向きに見た平面図である。
他の実施形態における第2環状体を含む領域を拡大した軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態(以下、「第1実施形態」)である転がり軸受10の軸方向断面図である。転がり軸受10は、中心軸mを中心とする環状であって、図1は、径方向の一方の断面を示している。
転がり軸受10は、風力発電用設備のナセルに組み込まれて、ブレードが搭載された主軸を回転支持する用途で使用される。第1実施形態の転がり軸受10は、外輪11の外径が概ね2500ミリメートル、内輪12の内径が概ね2000ミリメートルである。なお、転がり軸受10の大きさは例示であって、本発明は、上記寸法より小径又は大径の転がり軸受においても同様に適用することができる。本発明は、特に、大形軸受、超大形軸受に適用することが好ましい。
以下の説明において、中心軸mと平行な方向は軸方向であり、中心軸mと直交する方向は径方向であり、中心軸mを中心として周回する方向は周方向である。また、図の左方は軸方向の第1の側であり、右方は軸方向の第2の側である。
【0010】
転がり軸受10は、円すいころ軸受で、外輪11と内輪12と複数の円すいころ13(転動体)と保持器14とを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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